FC2ブログ
酒を呑んで映画を観る時間が一番幸せ・・・と思うので、酒と映画をテーマに日記を書いていきます。 映画の評価額は幾らまでなら納得して出せるかで、レイトショー価格1200円から+-が基準で、1800円が満点です。
■ お知らせ
※基本的にネタバレありです。ご注意ください。
※当ブログはリンクフリーです。内容の無断転載はお断りいたします。
※ブログ環境の相性によっては、TB・コメントのお返事が出来ない事があります。ご了承ください
エロ・グロ・出会い系のTB及びコメントは、削除の上直ちにブログ管理会社に通報させていただきます。 また記事と無関係なTBもお断りいたします。 また、関係があってもアフェリエイト、アダルトへの誘導など不適切と判断したTBは削除いたします。

■TITLE INDEX
タイトルインディックスを作りました。こちらからご利用ください。
■ ツイッターアカウント
noraneko285でつぶやいてます。ブログで書いてない映画の話なども。
■ FILMARKSアカウント
noraneko285ツイッターでつぶやいた全作品をアーカイブしています。
ショートレビュー「イット・フォローズ・・・・・評価額1600円」
2016年01月12日 (火) | 編集 |
“それ”からは、決して逃げられない。

前評判どおり、センス・オブ・ワンダーに溢れた低予算ホラーの快作だ。
人から人へと感染する“それ”に捕まったら、確実に死ぬ。
逃れるには“それ”をセックスによって他人にうつすことだが、もしもうつした相手が“それ”を更なる第三者にうつす前に殺されれば、再び自分のところに戻ってきてしまう。
ホラー設定で展開するが、いわゆるスプラッター・ムービーとは異なる。
思春期の繊細な心理を、生と死のどちらに転ぶか分らない極限状況で描き出す、異色の心理スリラーだ。

主人公は、マイカ・モンローが好演する19歳のジェイ。
彼女は、付き合い始めた彼氏に謀られ“それ”をうつされてしまう。
一度でも感染すると“それ”の姿が見えるようになる。
ぱっと見は普通の人間だが、変幻自在で男にも女にも、若者にも年寄りの姿にもなる。
感染者に怪しまれず近づくために、家族や友人、時には感染者自身の姿で現れることも。
動きは鈍いが、真っ直ぐに感染者めがけて歩いて来て、捕まれば超常の力によって確実に殺される。
なんとも不思議な“それ”の正体に関しては、劇中でも一切の説明が無い。
非感染者の目には見えないものの、幽霊などとは違い壁をすり抜けたりは出来ないので、物理的に存在はしているようだ。
人の姿をしていながら人ではない何か、というあたりはジョン・マクティアナンの長編デビュー作「ノーマッズ」を思い出したが、こっちはひたすら歩いて追いかけてくるだけと、行動がとことん無機質なのでよけいに怖い。

全体に、現代の映画としてはスローテンポで、昔のジョン・カーペンターの映画みたいな良い意味で安っぽい電子音楽も含め、どことなく80’sっぽい雰囲気もある。
不気味な音楽と共に、主人公の周りでカメラを複数回360度パンさせる演出が印象的で、最初は特に何も変なものは映ってないと思わせておいて、2回転目になると奥の方からこっちに向かって真っ直ぐに歩いてくる“何か”がいる事に気がつくというわけ。
はたして“それ”なのか、ただの通行人なのか、日常的な風景の中を誰かが歩いてくるだけなのに、ハラハラドキドキが止まらない。

物語の舞台となるのが、財政破綻し漫然と死にゆくデトロイトなのも、メタファーとして上手い効果を生んでいる。
ごく普通の平和な住宅地のすぐ近くに、もはや住む者のいない荒れ果てた廃墟の街が広がっている二面性が、生命力が漲り恋に敏感な年頃に、生の象徴たるセックスが死をもたらすという皮肉な状況を裏打ちする。
生と死が同じカードの裏表であるように、日常と非日常、目に見える世界と見えない世界との境界もまた、ほんの僅かの差異に過ぎないのかも。
図らずも境界を越えてしまったジェイと、彼女に恋するポール。
死への恐怖と生への渇望、過去への後悔と未来への不安、全てを含んで余韻を残すオチも見事だ。

超常のシチュエーションに陥った若者たちの心理的青春ドラマという点では、ホラー版の「クロニクル」と言えるかも知れない。
ジャンル映画でも青春ものとして優れた作品はキャストの印象が強く残るが、本作のマイカ・モンローやキーア・ギルクリストは、あの映画のディーン・デハーンやマイケル・B・ジョーダンの様にブレイクしそうな気がする。
グロい描写は殆どないので、ホラー耐性の弱い人でもたぶん大丈夫。
制作・監督・脚本を兼ねるデヴィッド・ロバート・ミッチェルの名前は、覚えておくべきだろう。

今回は甘酸っぱい体験が、苦い味わいとなるという事で「ビター・オレンジ」をチョイス。
タンブラーにビールとオレンジ・ジュースを1:1で注ぎ、ささっとステアして完成。
使用するビールに決まりはないが、個人的にはホップ感の強いIPAなどの方が好み。
オレンジの酸味と甘味に負けないくらいに個性のあるビールが合うと思うが、いろいろ組み合わせてみるのも楽しい。

ランキングバナー 
記事が気に入ったらクリックしてね




スポンサーサイト