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ショートレビュー「スポットライト 世紀のスクープ・・・・・評価額1700円」
2016年04月18日 (月) | 編集 |
スポットライトが照らし出したものは。

カソリック聖職者による、子どもたちの性的虐待事件を暴いた、ボストン・グローブ紙の“スポットライト”取材チームを描く群像劇。
情報量は膨大ながら、いかにも新聞社の話らしく、実に端正にまとまっていて観やすい。
今年のアカデミー賞は脚本賞が本作、脚色賞が「マネー・ショート 華麗なる大逆転」と共に実話ベースの作品となった。
どちらもジャーナリズム色の強い作りだが、登場人物がアイコン的で、金融恐慌の仕組みを紐解き、新たなバブルへの警鐘を鳴らすことをファースト・プライオリティーとした「マネー・ショート」に比べると、本作は事件そのものよりも、それを伝えた記者たちの葛藤にフィーチャーした内容になっている。

ボストン司教区の複数の聖職者たちが長年にわたって信徒の子供たちを性的に虐待していて、発覚を恐れた教会上層部によって隠ぺいされていた事実は、キリスト教徒の数が少ない日本ではあまり注目されなかったが、バチカンをも揺るがす世界的なスキャンダルへと発展した大事件である。
東海岸、マサチューセッツの州都ボストンは、アメリカでもっとも歴史ある大都市の一つで、日本で言えば京都のような所だ。
京都に神社仏閣が多いように、レンガ作りの古い家並みが印象的な古都には、キリスト教各派の教会が無数にある。
中でもカソリック教会は、19世紀以降のアイルランド、イタリアなど欧州のカソリック教国からの移民増加にともなって勢力を拡大し、現在でもボストンの宗教的マジョリティだ。
比較的低所得で問題を抱えた家庭の多い彼らのコミュニティでは、心のよりどころであり、生き方を導いてくれる教会との距離は近い。
教会の力は殆ど社会の全域に及んでおり、聖職者の犯罪を告発するということは、文字通り神にたてつくことを意味するのである。

1872年設立の老舗地元紙である、ボストン・グローブでスクープを追うスポットライトチームは四人。
地元に根付いたボストンっ子の彼らに、教会の疑惑を提起するのがフロリダからやって来たユダヤ人の新任局長というのが面白い。
記者たちにとっても教会はあまりにも身近な存在ゆえ、最初は半信半疑。
事件の性格上、被害者たちの口は重く、取材も思う様には進まない。
彼ら自身も家族に敬虔な信徒がいたり、疑惑の聖職者が母校の教師だったり、自分たちも調査対象のコミュニテイの一員であるがゆえの葛藤がある。
しかし、聖職者たちの犯罪と教会の隠蔽に確信を持つと、驚くべき情熱と粘り強さでジワジワと証拠に迫ってゆくのだ。
被害者の声を聞く記者たちの感じる驚きと怒りは、そのまま観客に共有される。
こんなことが許されてはならない、人々に知らせなければならないという熱血のジャーナリスト魂は、パワフルに物語を引っ張ってゆき、全く無駄がない。
チームの中に思慮深い人物もいれば、勢いにまかせて突っ走るタイプもいて、キャラクターにメリハリがあるのも良い。
彼らの暴いた悪がいかに巨大だったかが明示されるラストの字幕には、分かっていても圧倒される。


ただ、一本の映画という塊としてはヘビー級の見応えだが、キャラクターの内面を含む個々の要素の掘り下げは割とあっさりしている印象だ。
例えばマイケル・キートン演じるチームのリーダーが、過去に聖職者の性的虐待事件の記事を書いていて、情報提供も受けながら、その重要性を見逃していたというエピソードなど、葛藤要因としていくらでも使えるのだが、それは見せない。

まあ、四人の内面をきっちり描いていったら相当尺は長くなるだろうし、本作が描くべきはそこじゃないと言うことだろう。

アカデミー賞が、作品賞と脚本賞のみに止まったのは、この割り切った作りゆえだったのかも知れない。

今回は、やっぱり「サミュエル・アダムズ ボストン・ラガー」をチョイス。
バドやミラーなどのアメリカンビールとは一線を画し、マイルドでありながらもコクがあり、モルトの強い風味を味わえる。
サミュエル・アダムズは又従兄弟のジョン・アダムズ第二代大統領らと共に合衆国独立に深く関わったボストン出身の政治家で、マサチューセッツ州知事を勤めた人物である。
ちなみにサミュエル・アダムズには前身を含めると150年を超える歴史があり、何気にボストン・グローブ社よりも古い。

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