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2016年07月06日 (水) | 編集 |
二つの人生は、生きられない。
1950年代初頭、アイルランドから遥か大西洋の彼方、ニューヨーク、ブルックリン区に移民する少女エイリシュの成長物語。
彼女は二つの祖国、二つの愛の間で揺れ動きながら、蕾から美しく開花してゆく。
物語はごくシンプルで、内容的には予告で見せていることが全てだ。
妹の未来を案じる姉の計らいで、アメリカに渡ったエイリシュは、幾つもの試練を乗り越え、愛の幸せと喪失の哀しみを知り、遂に人生最大の選択をする。
次に何が起こるかは予測できるし、奇をてらった所は全く無い。
だがエイリシュの内面のドラマはじっくりと描き込まれ、彼女の葛藤はあざとさを含め観客の深い共感を誘う。
殆ど出ずっぱりでドラマを牽引するシアーシャ・ローナンは、本当に素晴らしい役者になった。
彼女はニューヨークでアイルランド人の両親の元に生まれ、三歳でアイルランドに逆移民したというから、エイリシュはまさに彼女のために用意された様な役なのだ。
※核心部分に触れています。
私は若い頃アメリカで移民として十数年を過ごしたので、エイリシュの揺れる気持ちはとてもよく分かる。
心をえぐるホームシック、新たな出会いと移民先の社会への順応、そしていつか迫られる、何者として生きてゆくのかの決断。
まだ飛行機は一般的でなく、インターネットなんて影も形も無い時代。
行き来することはもちろん、連絡すら簡単にとれないからこそ、エイリシュの葛藤も大きくなる。
一人ぼっちになった母を残してゆくことへの罪悪感、故郷に留まって欲しいという周りからのプレッシャー、そして女心を惑わすもう一つの愛。
自分がいるべき場所はアイルランドではないのか、ブルックリンでの生活が白日夢だったのではないのか。
エイリシュの二度の決断、最初の移民の時、そして姉の死によって一時帰国した後に、ニューヨークに戻ることを決める時、二人の女性が後押しする。
一人目はもちろん薄幸の姉ローズであり、彼女の妹への溢れんばかりの愛は、エイリシュの故郷への想いと一体化する。
もう一人は、エイリシュの元雇い主のケリー夫人だ。
偏屈で噂好きのこの老女は、閉塞した故郷のネガティブな象徴であり、結果的に彼女の悪意ある言葉によって、エイリシュは人生の“ホーム”がどこなのか最後の選択をするのである。
今年の賞レースを競った「キャロル」とは、舞台が50年代のニューヨークであること、主人公の勤め先がデパートであるという以上に通じる部分が多い。
モチーフは異なるものの、共に田舎娘が大都会の生活を通して洗練され、大人の女性として自らの意思で人生を選び取る物語である。
そしてどちらも時代性のある映像、美術、衣装、音楽と作品世界の全てが豊か。
アメリカ入国時のコート、恋人とのデートで着る水着など、物語の要所でエイリシュの衣装のキーカラーになっているのがグリーン。
グリーンはアイルランドのナショナルカラーでもあり、アイルランドの守護聖人である聖パトリックの命日にあたるセントパトリックス・デーには、アメリカでも多くの街がグリーンに染まる。
物語のラストで彼女がグリーンのカーディガンを纏っているのは、たとえアメリカ人になっても、アイデンティティは忘れないということだろう。
拘りをもった細やかな演出は画面の隅々まで行きわたり、観終わってからも“映画”がじわりと心に沁みてゆく。
記憶の中にいつまでも留めておきたくなる、愛すべき小品である。
今回はアイリッシュ・スタウト。
日本に輸入されている数少ない銘柄の一つ、「マーフィーズ アイリッシュ・スタウト」をチョイス。
島の南部に位置するアイルランド第二の都市、コークに拠点を置いている事もあって、アイルランド南部ではライバルのギネスよりポピュラーなのだそう。
味わいはギネスに比べて苦みがかなり弱いこともあって、マイルドで飲みやすい印象。
香りはしっかりしていて、スタウトの独特な味が苦手な人でもわりと挑戦しやすいかも。
缶ビールには例によってウィジェットが入っているので、家庭で飲んでもあのクリーミーな泡がちゃんと立つ。
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1950年代初頭、アイルランドから遥か大西洋の彼方、ニューヨーク、ブルックリン区に移民する少女エイリシュの成長物語。
彼女は二つの祖国、二つの愛の間で揺れ動きながら、蕾から美しく開花してゆく。
物語はごくシンプルで、内容的には予告で見せていることが全てだ。
妹の未来を案じる姉の計らいで、アメリカに渡ったエイリシュは、幾つもの試練を乗り越え、愛の幸せと喪失の哀しみを知り、遂に人生最大の選択をする。
次に何が起こるかは予測できるし、奇をてらった所は全く無い。
だがエイリシュの内面のドラマはじっくりと描き込まれ、彼女の葛藤はあざとさを含め観客の深い共感を誘う。
殆ど出ずっぱりでドラマを牽引するシアーシャ・ローナンは、本当に素晴らしい役者になった。
彼女はニューヨークでアイルランド人の両親の元に生まれ、三歳でアイルランドに逆移民したというから、エイリシュはまさに彼女のために用意された様な役なのだ。
※核心部分に触れています。
私は若い頃アメリカで移民として十数年を過ごしたので、エイリシュの揺れる気持ちはとてもよく分かる。
心をえぐるホームシック、新たな出会いと移民先の社会への順応、そしていつか迫られる、何者として生きてゆくのかの決断。
まだ飛行機は一般的でなく、インターネットなんて影も形も無い時代。
行き来することはもちろん、連絡すら簡単にとれないからこそ、エイリシュの葛藤も大きくなる。
一人ぼっちになった母を残してゆくことへの罪悪感、故郷に留まって欲しいという周りからのプレッシャー、そして女心を惑わすもう一つの愛。
自分がいるべき場所はアイルランドではないのか、ブルックリンでの生活が白日夢だったのではないのか。
エイリシュの二度の決断、最初の移民の時、そして姉の死によって一時帰国した後に、ニューヨークに戻ることを決める時、二人の女性が後押しする。
一人目はもちろん薄幸の姉ローズであり、彼女の妹への溢れんばかりの愛は、エイリシュの故郷への想いと一体化する。
もう一人は、エイリシュの元雇い主のケリー夫人だ。
偏屈で噂好きのこの老女は、閉塞した故郷のネガティブな象徴であり、結果的に彼女の悪意ある言葉によって、エイリシュは人生の“ホーム”がどこなのか最後の選択をするのである。
今年の賞レースを競った「キャロル」とは、舞台が50年代のニューヨークであること、主人公の勤め先がデパートであるという以上に通じる部分が多い。
モチーフは異なるものの、共に田舎娘が大都会の生活を通して洗練され、大人の女性として自らの意思で人生を選び取る物語である。
そしてどちらも時代性のある映像、美術、衣装、音楽と作品世界の全てが豊か。
アメリカ入国時のコート、恋人とのデートで着る水着など、物語の要所でエイリシュの衣装のキーカラーになっているのがグリーン。
グリーンはアイルランドのナショナルカラーでもあり、アイルランドの守護聖人である聖パトリックの命日にあたるセントパトリックス・デーには、アメリカでも多くの街がグリーンに染まる。
物語のラストで彼女がグリーンのカーディガンを纏っているのは、たとえアメリカ人になっても、アイデンティティは忘れないということだろう。
拘りをもった細やかな演出は画面の隅々まで行きわたり、観終わってからも“映画”がじわりと心に沁みてゆく。
記憶の中にいつまでも留めておきたくなる、愛すべき小品である。
今回はアイリッシュ・スタウト。
日本に輸入されている数少ない銘柄の一つ、「マーフィーズ アイリッシュ・スタウト」をチョイス。
島の南部に位置するアイルランド第二の都市、コークに拠点を置いている事もあって、アイルランド南部ではライバルのギネスよりポピュラーなのだそう。
味わいはギネスに比べて苦みがかなり弱いこともあって、マイルドで飲みやすい印象。
香りはしっかりしていて、スタウトの独特な味が苦手な人でもわりと挑戦しやすいかも。
缶ビールには例によってウィジェットが入っているので、家庭で飲んでもあのクリーミーな泡がちゃんと立つ。

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