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ショートレビュー「ロスト・バケーション・・・・・評価額1650円」
2016年07月26日 (火) | 編集 |
そこは、楽園のはずだった。

ジャウム・コレット=セラのジャンル映画にハズレなしを証明する、海洋サスペンス映画の快作である。
初期の「蝋人形の館」「ゴール2」はパッとしなかったものの、第3作「エスター」で高い評価を得ると、その後はリーアム・ニーソンと組んで、いい意味でB級感覚を刺激する娯楽アクション映画を連発。
前作の「ラン・オールナイト」は、2人のコンビ作の集大成とも言うべき傑作となった。
今回はニーソンとは真逆のキャラクター、「アデライン、100年目の恋」で、永遠の29歳を生きるタイトルロールを演じた正統派美人女優、ブレイク・ライヴリーと初タッグ。
ライヴリー演じる医学生のナンシーは、休暇で訪れた秘境のビーチでサーフィン中に巨大なサメに襲われ、岸まで僅か200メートルの岩礁の小岩の上で、身動き取れなくなってしまう。
僅か86分の上映時間、ひたすらサバイバルだ!

今は海面に突き出している岩は、満潮になれば沈んでしまう。
そうなればサメから身を隠す術はない。
タイムリミットが迫り来る間に、幾つものチャンスが潰え、幾つもの危機が襲う。
最初の襲撃で傷ついた足から流れ落ちる鮮血は、捕食者に獲物の存在を教え続ける。
助けを呼ぶ彼女の声に気付いた男たちは、ことごとくサメの餌食になり、通りかかった船には気付いてもらえない。
助かるかも、という希望をの瞬間が幾つもあるからこそ、絶望もまた大きくなる。
そんな中でも、ナンシーは決して自暴自棄になったりしない。
冷静に敵を観察し、僅かなリソースを使い、マイナスをプラスに変えてゆく
医学生という設定を生かし、アクセサリーのピアスと着用していたウェットスーツを使って応急処置し、血を止める。
漂流していたGoProでサメを観察、遺書代わりのメッセージ録画に使う。
更にマリンスポーツ用の時計でサメの動きを計測し、相手を出し抜く作戦を練る。

実は、ナンシーは最愛の母を癌で亡くしたばかり。
どんなに勇敢に闘っても、勝てないことがあることを思い知らされ、医者になる夢を諦めようとしているのである。
そこで母の思い出のビーチを訪ねてきた訳だが、期せずして自分自身が絶体絶命の危機に陥ってしまった。
家族の喪失によって、深い傷を抱えた主人公が、命の危機を迎えて改めて生きるための力を取り戻すという展開は、アルフォンソ・キュアロンの傑作「ゼロ・グラビティ」を思わせる。
しかし宇宙飛行士になろうと思っても、そうそうなれるものでもないし、宇宙でデブリに殺されるシチュエーションは、一般人にとっては限りなくファンタジーだ。
対して、本作のような大自然の中での予期せぬ危機は、日本国内だってクマに襲われたり、サメに食われたりした事例はいくらでもあるので、大いにリアリティを感じさせる。

サメの脅威以外にも、サンゴやクラゲといった毒のある生物、急速に体温を奪う気象条件など、幾つもの危機が主人公に襲いかかり、いよいよ満潮を迎える時刻から始まるクライマックスは、それまでの伏線を回収しながら、手に汗握るスリリングな直接対決となる。
サブプロットが存在しない一歩道の脚本ながら、物語は極めて映像的で緻密に構成され、全く無駄がない。
ワンアイディアを巧みに生かし切った、お手本のような一本と言える。
まあ、でっかいクジラが浮いてるのに、なんでサメはあっちを食べずに執拗にナンシーを狙うのかとか、ツッコミを入れようと思えばいくらでも入れられるが、映画的なウソのつき方が上手いのである。
ライヴリーの美しさに、サメも惑わされたということで(笑
ほぼ一人芝居ゆえ、物語を和ませるカモメが良かった。
ナンシーの生きようとする意思のエクステンドという意味で、ちょっと「キャスト・アウェイ」のウィルソンを思い出した。
ところでUberってあんな秘境にも呼べるんかいな?

サメさえいなけりゃ天国の様な青い海、と言うことで「ブルー・シャンパン」をチョイス。
ブルーキュラソー2tsp、シャンパン120mlをグラスに注ぐ。
カットしたオレンジを添えて完成。
基本的には僅かな甘みと香りを加えたシャンパンなので、スッキリとした味わい。
澄んだブルーは目にも涼しい。

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