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ソーセージ・パーティー・・・・・評価額1650円
2016年11月10日 (木) | 編集 |
ソーセージが知った、世界の真実(笑

最初から最後まで下ネタ全開、アホらしくて最高。
神様(人間)に買われると「楽園に行ける」と信じているスーパーマーケットの食品たちが、真実を知るべく大冒険を繰り広げる。  
セス・ローゲンが、出演だけでなくエヴァン・ゴールドバーグと共に脚本とプロデュースを担当する、「スーパーバッド童貞ウォーズ」「ザ・インタビュー」チームによる新たな怪作だ。

似た系統の「テッド」は、ギャグが有機的に繋がって行かないので、あまり乗れなかったが、こちらは構成も巧みで10倍面白い。 
共同監督のコンラッド・ヴァーノンは、ドリームワークス系の「モンスターVSエイリアン」や「シュレック2」で知られる人だが、もう一人のグレッグ・ティアナンは、正真正銘のキッズアニメ「機関車トーマス」の中の人なのだから罪作りな映画である。
※ラストに触れています。


スーパーマーケット“ショップウェル”では、独立記念日を前にした食品たちが、自分たちはいつ買われるのかと、ワクワクしながら待っている。
人間たちに“ゲート”の外に連れ出してもらえれば、そこは楽園だと信じられているのだ。
ソーセージのフランク(セス・ローゲン)は、ホットドックバンズのブレンダ(クリスティン・ウィグ)と相思相愛。
いつかプラスチックのパッケージから出て、心置きなく彼女に挟まれることを夢見ている。
ところが、一度買われた後に返品されたハニーマスタードが「外の世界は地獄」だと言い残し、自殺してしまう。
神様への疑念がわき上がる中、フランクとブレンダはショッピングカートの“事故”によってパッケージから飛び出してしまい、広大なスーパーの荒野に置き去りに。
二人は同じように転げ落ちてしまったラバッシュ(デヴィッド・クラムホルツ)とベーグル(エドワード・ノートン)と共に、元の陳列棚目指して歩きはじめるのだが・・・



ソーセージが男の子で、ホットドックバンズが女の子って、なんて露骨な(笑
しかも良く見ると、バンズのデザインはかなり卑猥だぞ。

だがこの映画、ほとんど小学生男子並みの発想で作られた、お下品極まりない代物ではあるものの、その実かなり社会派なのだ。 

各食品をそれぞれのオリジンからエスニックグループに見立てていたり、つぶれたりサイズが小さかったりする規格外の食品を肉体的なコンプレックスに擬えたり、アメリカと世界の相当にシニカルな風刺になっている。
さらに、人間を信奉する食品たちを通し、宗教の本質に対する批評的な視点もあるのはちょっと「PK ピーケー」を思わせる。
大爆笑しながら、ギャグの元になっている現実を考えさせられる、何気に知的な下ネタ映画なのだ。

しかしこれ、人種ネタが多いのと、アメリカのスーパーに並ぶ食品の知識がないとギャグの意味が分からなかったりする部分があるので、割と人を選ぶかも知れない。 
膨大なディテールから少し紹介しておくと、ドイツ発祥のキャベツの漬物、ザワークラウトの軍団はなぜかジュース撲滅を叫んでいるのだが、これはもちろんユダヤ人(Jew)とジュースを掛けたブラックなギャグ。

アラブやイランで食される薄焼きパンのラバッシュは、成り行きでウッディ・アレンっぽいユダヤのベーグル(エドワード・ノートン上手い!)と爆笑コンビを組む。 
彼らは両方ともヒヨコマメのペーストのフムス(Hummus)が好きというセリフがあるのだけど、フムスはイスラエルとレバノンの間でどちらが発祥かという本家争いがあり、更にシリアとイランが支援し、イスラエルが弾圧するパレスチナの政党ハマス(Hamas)と英語の発音が近い。
ラバッシュが、楽園で77本のエクストラバージンオリーブオイルに浸りたいと言うのは、イスラム過激派が、ジハードで死ねば72人の処女が待つ天国に召されると信じていることへの皮肉。
レズビアンのタコスが横長なのを気にしてるのは、メキシコの女性はお尻が大きいというステロタイプだ。

また、食品たちの世界では賞味期限が即ち命の長さなのだけど、「外の世界は楽園だ」という神話を作ったのは、他の食品より遥かに長い命を持つ保存食たち。
それぞれ微妙に現実の商標とは変えてあるのだが、先住民のシャーマンっぽいマジカルなキャラクターになっているファイアウォーターは、同名の酒もあるけど、一般にバーボンなどの強い蒸留酒の総称。
MR.グリッツは米南部でポピュラーなコーンミールのおかゆで、箱に「南部の魂」って書いてある(笑
もう一人のトゥインクは、「ゾンビランド」とか「WALL・E/ウォーリー」でもネタにされていた、永遠に腐らないという都市伝説のあるお菓子のトゥインキー。
彼ら不死者は、有限の命しかない食品たちの心を救うために、偽りの神話を流布したというのだが、彼らが皆キリスト教保守派の牙城、いわゆる南部バイブルベルトにルーツ持つ食品なのは、明らかに狙っている。
神話に疑念を募らせ真実を知ろうとするフランクと、神を疑ってはいけないというブレンダの宗教観が、世界一の科学立国でありながら、一方で進化論を否定したりする、分断されたアメリカの現実を反映していて面白い。

そして真実を知ったフランクたちによる、“神殺しの儀式”を経て、食品たちは遂に独立記念日に独立を勝ち取るという流れなのだが、アメリカ人にとっては誰でも知っている食品を擬人化することで、世界観に入りやすいだけでなく、自分たちの社会の多分に自虐的な鏡像となる仕掛け。

冒頭で食品たちが歌う、神様を讃えるディズニー・ミュージカル調の歌があるのだけど、何気に音楽がアラン・メンケン本人だったり、一流の人たちが思いっきり遊び倒した大怪作は、細かい所までしっかりと考えられた優れた風刺映画でもあるのだ。
ホモもヘテロも、キリストもイスラムも、みんなで乱交ラブすればピースになるよって、子供には絶対見せられないクライマックスも、各方面にケンカ売ってる。 

ついこの前「ザ・インタビュー」でキム・ジョンウンに報復されたばっかなのに、セス・ローゲンたちもソニー・ピクチャーズも全然懲りないな(笑
懐かしの「スター・ゲート」のパロディで虚構と現実の境界を越えるラストも、ちょっと「LEGO ムービー」的ではあるが、上手い落とし方。

いや・・・もしかして続編あるのかも(;´・ω・)・・・?

今回は南部の魂が詰まったファイアウォーター、「ワイルドターキー」の13年をチョイス。
1855年創業のオースチン・ニコルズ社は、元々野性の七面鳥狩りに訪れるハンターたちが顧客だったことから、この名を付けたという。
同社は元々蒸留所を持たず、購入した原酒をブレンドしていたのだが、1971年にバーボン・ウィスキーの聖地、ケンタッキーの伝統ある旧リピー蒸留所を買収して以来、一貫して自社生産している。
13年ものは深いコクと繊細な甘み、独特のスパイシーな後味が特徴。
庶民の酒なのでCPも高い。

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