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2016年11月28日 (月) | 編集 |
ポケモンGO・ザ・ムービー?
「ハリー・ポッター」シリーズと世界観を共有する、新シリーズの第一弾。
世界中に生息する魔法動物について書かれた、ホグワーツ魔法学校の教科書「幻の動物とその生息地」の著者、魔法動物学者のニュート・スキャマンダーを主人公とした物語だ。
この本は実際に出版されているが、映画は本を執筆する前の冒険を描く物語で、直接の原作ではない。
舞台は現代のイギリスから、一気に時代をさかのぼり1920年代のニューヨークへ。
スキャマンダー先生は、ひょんなことから魔法動物の入ったトランクを、人間のおっさんのトランクと取り違え、超常の力を持つ動物たちが大都会に放たれてしまう。
J・K・ローリングが初のオリジナル脚本を書き下ろし、監督は「ハリー・ポッター」シリーズの“クローザー”として手腕は証明済みのデヴィッド・イェーツ。
大人から子供まで楽しめる見応えたっぷりの娯楽大作であり、続編への大きな期待を抱かせるに十分な仕上がりだ。
1926年のニューヨーク。
魔法動物学者のニュート・スキャマンダー(エディ・レッドメイン)は、絶滅寸前の魔法動物を研究し、保護する仕事をしている。
彼は保護したサンダーバードを故郷のアリゾナで解放するために、アメリカ大陸にやって来たのだ。
ところがちょっとしたアクシデントで、魔法動物が入ったトランクを人間のトランクと取り違えてしまう。
アメリカ合衆国魔法議会(MACUSA)のティナ・ゴールドスタイン(キャスリン・ウオーターストン)と共に、持ち主のジェイコブ・コワルスキー(ダン・フォグラー)の居場所を突き止めた時には、既に何匹もの魔法動物が逃げ出してしまっていた。
おりしも、ニューヨークでは謎の魔法現象による事故が多発していて、魔法排斥を訴える人間との緊張が高まっていた。
MACUSAの闇祓い、パーシバル・グレイブズ(コリン・ファレル)は、事件を魔法動物によるものと考え、スキャマンダーの逮捕を命じる。
ティナの妹のクイニー(アリソン・スドル)の気転で脱出したニュートらは、逃げた魔法度物を捕まえつつ、事件の真相を探り始めるのだが・・・・
予告編の時から思っていたけど、こりゃまるでポケモンGOが実写になったような話だ。
魔法動物を捕まえるというコンセプトもそうなのだけど、キャラクターのビジュアルも似ている。
植物の苗の様なボウトラックルはマダツボミを思わせるし、光るモノが大好きなニフラーはちっちゃな黒いコダック、抑圧された魔法使いの負のエネルギーが作り出す魔法現象、オブスキュラスは超強力なゴースだ。
キャラクターは、そのままちょっとカリカチュアしてポケモン世界に置いても違和感ゼロ。
ドラえもんのポケット状態のスキャマンダー先生のトランクの中は、魅惑的な魔法動物たちが暮らす動物園の様で、是非ともテーマパークのアトラクションにして欲しい。
映画の前半は、逃がしてしまった魔法動物たちを追うポケGO編、後半はそこに魔法界の危機が加わり、複合的に盛り上がるという構図。
本作は「ハリー・ポッター」と同じ世界観の別の時代で展開するが、物語の構造は大きく異なる。
宿命を背負った少年ハリーを主人公とした「ハリー・ポッター」シリーズは、基本的に子供たちの成長ストーリーだ。
純真無垢な子供時代から始まる物語は、やがてヴォルデモートによる闇に包まれ、彼らは未来を取り戻すための熾烈な戦いを経て大人の魔法使いとなってゆく。
だから登場人物たちは常に新たな葛藤に直面し、一作毎に変化するのである
しかし新シリーズの主人公、ニュート・スキャマンダーは初めから完成された大人であって、本作でも特に大きな葛藤は抱えていないし、物語を通して変化もしない。
彼の役回りは、どちらかというと狂言回し。
旅をしながらその土地の人々に新風をもたらし、葛藤を解消する契機となる存在で、「男は辛いよ」の寅さんや、「水戸黄門」の黄門様に近いのだ。
ここで、本作の舞台が第一次世界大戦と世界恐慌の狭間、狂騒の20年代のアメリカであることが生きてくる。
元々「ハリー・ポッター」は、反差別というテーマを内包している。
先日も舞台版のハーマイオニー役が、アフリカ系の俳優に決定したことが話題になったが、彼女は小説の中でもマグル(人間)出身として差別されていた。
「ハリー・ポッター」の裏テーマだった差別と不寛容とそれに対抗する力を描くのならば、なるほど現代のイギリスよりも、20年代のアメリカの方がずっと象徴化しやすく、異邦人であるスキャマンダー先生の視点で描けば尚更である。
アメリカでは、「魔法使いと人間との恋愛や結婚が禁止されている」という台詞が出てくるが、これはもちろん当時のアメリカの一部州で施行されていたジム・クロウ法を反映したもの。
魔女狩りを復活させようとする狂信的なキリスト教原理主義の結社が、魔法能力を持つ者を抑圧していたり、MACUSAのグレイブスがスキャマンダー先生とティナをすぐ死刑にしようとするのは、未だキリスト教の超保守派が力を持ち、死刑制度が残るアメリカへの皮肉だろう。
グレイブスがオブスキュラスを作る能力を持つ者を探すのも、恐怖によって人間との対立を煽り、戦争を起こすためだ。
一方で、スキャマンダー先生やティナだけでなく、“ノー・マジ(人間)”のジェイコブが思わぬ大活躍を見せ、クイニーとのロマンスで上記の魔法界版のジム・クロウ法に風穴を開けることを予感させるのは、本作のスタンスを象徴する。
狂騒の20年代には、文学では失われた世代が台頭、ジャズやアール・デコなど多くの新しい文化が花開き、放送メディアやモータリゼーションといったテクノロジー革命によって、古い既成概念が破壊されていった。
この時代に女性の社会進出が進み、しかし依然として壁があることも、ティナとクイニーの姉妹のMACUSAでの立ち位置によって表現されている。
議長が“マダム・プレジデント”なのは、もしかすると幻のヒラリー大統領へのローリングからのエールだったのかもしれない。
出自や性別もバラバラの、スキャマンダー先生と仲間たちの冒険は、アメリカ魔法界の厚い壁にも亀裂を入れ、狂騒の風を招き入れた。
振り返って90年後の現在、現実世界ではブレグジットやトランプの当選といった逆風が吹きまくっているが、少なくともフィクションの世界では順風の方がまだまだ優勢の様だ。
シリーズは5部作らしいけど、どこかで「ハリー・ポッター」シリーズとの接点も出てくるのか楽しみ。
エズラ・ミラーと、最後にサプライズ登場したあの人には、また暴れてほしいのだけど。
今回はマンハッタンが舞台ということで、ウォッカベースのカクテル「ビッグ・アップル」をチョイス。
氷で満たしたタンブラーに、ウォッカ45ml、アップル・ジュース適量を加え、軽くステアする。
カットしたリンゴを飾って完成。
クセがなく、スッキリとした味わいで、それゆえにグイグイいけてしまう危険なカクテルだ。
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「ハリー・ポッター」シリーズと世界観を共有する、新シリーズの第一弾。
世界中に生息する魔法動物について書かれた、ホグワーツ魔法学校の教科書「幻の動物とその生息地」の著者、魔法動物学者のニュート・スキャマンダーを主人公とした物語だ。
この本は実際に出版されているが、映画は本を執筆する前の冒険を描く物語で、直接の原作ではない。
舞台は現代のイギリスから、一気に時代をさかのぼり1920年代のニューヨークへ。
スキャマンダー先生は、ひょんなことから魔法動物の入ったトランクを、人間のおっさんのトランクと取り違え、超常の力を持つ動物たちが大都会に放たれてしまう。
J・K・ローリングが初のオリジナル脚本を書き下ろし、監督は「ハリー・ポッター」シリーズの“クローザー”として手腕は証明済みのデヴィッド・イェーツ。
大人から子供まで楽しめる見応えたっぷりの娯楽大作であり、続編への大きな期待を抱かせるに十分な仕上がりだ。
1926年のニューヨーク。
魔法動物学者のニュート・スキャマンダー(エディ・レッドメイン)は、絶滅寸前の魔法動物を研究し、保護する仕事をしている。
彼は保護したサンダーバードを故郷のアリゾナで解放するために、アメリカ大陸にやって来たのだ。
ところがちょっとしたアクシデントで、魔法動物が入ったトランクを人間のトランクと取り違えてしまう。
アメリカ合衆国魔法議会(MACUSA)のティナ・ゴールドスタイン(キャスリン・ウオーターストン)と共に、持ち主のジェイコブ・コワルスキー(ダン・フォグラー)の居場所を突き止めた時には、既に何匹もの魔法動物が逃げ出してしまっていた。
おりしも、ニューヨークでは謎の魔法現象による事故が多発していて、魔法排斥を訴える人間との緊張が高まっていた。
MACUSAの闇祓い、パーシバル・グレイブズ(コリン・ファレル)は、事件を魔法動物によるものと考え、スキャマンダーの逮捕を命じる。
ティナの妹のクイニー(アリソン・スドル)の気転で脱出したニュートらは、逃げた魔法度物を捕まえつつ、事件の真相を探り始めるのだが・・・・
予告編の時から思っていたけど、こりゃまるでポケモンGOが実写になったような話だ。
魔法動物を捕まえるというコンセプトもそうなのだけど、キャラクターのビジュアルも似ている。
植物の苗の様なボウトラックルはマダツボミを思わせるし、光るモノが大好きなニフラーはちっちゃな黒いコダック、抑圧された魔法使いの負のエネルギーが作り出す魔法現象、オブスキュラスは超強力なゴースだ。
キャラクターは、そのままちょっとカリカチュアしてポケモン世界に置いても違和感ゼロ。
ドラえもんのポケット状態のスキャマンダー先生のトランクの中は、魅惑的な魔法動物たちが暮らす動物園の様で、是非ともテーマパークのアトラクションにして欲しい。
映画の前半は、逃がしてしまった魔法動物たちを追うポケGO編、後半はそこに魔法界の危機が加わり、複合的に盛り上がるという構図。
本作は「ハリー・ポッター」と同じ世界観の別の時代で展開するが、物語の構造は大きく異なる。
宿命を背負った少年ハリーを主人公とした「ハリー・ポッター」シリーズは、基本的に子供たちの成長ストーリーだ。
純真無垢な子供時代から始まる物語は、やがてヴォルデモートによる闇に包まれ、彼らは未来を取り戻すための熾烈な戦いを経て大人の魔法使いとなってゆく。
だから登場人物たちは常に新たな葛藤に直面し、一作毎に変化するのである
しかし新シリーズの主人公、ニュート・スキャマンダーは初めから完成された大人であって、本作でも特に大きな葛藤は抱えていないし、物語を通して変化もしない。
彼の役回りは、どちらかというと狂言回し。
旅をしながらその土地の人々に新風をもたらし、葛藤を解消する契機となる存在で、「男は辛いよ」の寅さんや、「水戸黄門」の黄門様に近いのだ。
ここで、本作の舞台が第一次世界大戦と世界恐慌の狭間、狂騒の20年代のアメリカであることが生きてくる。
元々「ハリー・ポッター」は、反差別というテーマを内包している。
先日も舞台版のハーマイオニー役が、アフリカ系の俳優に決定したことが話題になったが、彼女は小説の中でもマグル(人間)出身として差別されていた。
「ハリー・ポッター」の裏テーマだった差別と不寛容とそれに対抗する力を描くのならば、なるほど現代のイギリスよりも、20年代のアメリカの方がずっと象徴化しやすく、異邦人であるスキャマンダー先生の視点で描けば尚更である。
アメリカでは、「魔法使いと人間との恋愛や結婚が禁止されている」という台詞が出てくるが、これはもちろん当時のアメリカの一部州で施行されていたジム・クロウ法を反映したもの。
魔女狩りを復活させようとする狂信的なキリスト教原理主義の結社が、魔法能力を持つ者を抑圧していたり、MACUSAのグレイブスがスキャマンダー先生とティナをすぐ死刑にしようとするのは、未だキリスト教の超保守派が力を持ち、死刑制度が残るアメリカへの皮肉だろう。
グレイブスがオブスキュラスを作る能力を持つ者を探すのも、恐怖によって人間との対立を煽り、戦争を起こすためだ。
一方で、スキャマンダー先生やティナだけでなく、“ノー・マジ(人間)”のジェイコブが思わぬ大活躍を見せ、クイニーとのロマンスで上記の魔法界版のジム・クロウ法に風穴を開けることを予感させるのは、本作のスタンスを象徴する。
狂騒の20年代には、文学では失われた世代が台頭、ジャズやアール・デコなど多くの新しい文化が花開き、放送メディアやモータリゼーションといったテクノロジー革命によって、古い既成概念が破壊されていった。
この時代に女性の社会進出が進み、しかし依然として壁があることも、ティナとクイニーの姉妹のMACUSAでの立ち位置によって表現されている。
議長が“マダム・プレジデント”なのは、もしかすると幻のヒラリー大統領へのローリングからのエールだったのかもしれない。
出自や性別もバラバラの、スキャマンダー先生と仲間たちの冒険は、アメリカ魔法界の厚い壁にも亀裂を入れ、狂騒の風を招き入れた。
振り返って90年後の現在、現実世界ではブレグジットやトランプの当選といった逆風が吹きまくっているが、少なくともフィクションの世界では順風の方がまだまだ優勢の様だ。
シリーズは5部作らしいけど、どこかで「ハリー・ポッター」シリーズとの接点も出てくるのか楽しみ。
エズラ・ミラーと、最後にサプライズ登場したあの人には、また暴れてほしいのだけど。
今回はマンハッタンが舞台ということで、ウォッカベースのカクテル「ビッグ・アップル」をチョイス。
氷で満たしたタンブラーに、ウォッカ45ml、アップル・ジュース適量を加え、軽くステアする。
カットしたリンゴを飾って完成。
クセがなく、スッキリとした味わいで、それゆえにグイグイいけてしまう危険なカクテルだ。

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