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ショートレビュー「14の夜・・・・・評価額1600円」
2016年12月28日 (水) | 編集 |
そこに、おっぱいがある限り。

80年代中坊あるあるに爆笑。
昨年、「百円の恋」の脚本でセンセーションを巻き起こした足立紳の長編監督デビュー作は、14歳の田舎の中学生、タカシの夏休みの24時間を描いた青春映画。
作者自身が73年の生まれなので、87年が舞台の本作は彼自身のリアルなのだろう。
この映画で面白いのは、タカシに超カッコ悪い父さんがいること。
もう中年なのにマザコンで、一次審査すら通らない小説の賞に投稿し続け、交通事故を起こして勤務先から謹慎を申し付けられ、暇なものだから息子のエロビデオを拝借して真昼間からお楽しみ。
むっちゃ情けないダメ父さんと、そんな彼を侮蔑するタカシのコントラストがいい。
父さんを嫌いつつ、主にエロくてダサいところに、血の繋がりを感じちゃう。
この年齢の頃ってまだ世界が狭くて、どうしても自分の未来を身の周りの大人を透かして見るから、限りなく情けない父さんを筆頭に、めんどくさい家族の面々をウザがる一方で、「オレの将来ももしかして・・・」と思ってしまうのだ。

家族を通して見える漠然としたアイデンティティの不安を、街のビデオ屋でサイン会をやるという噂の、AV女優のおっぱいを揉みたいという物凄く本能的な欲望と結びつけたのが上手い。
14歳の男の子の世界では、どのくらいホンモノのおっぱいに近いポジションにいるかが、勉強よりもスポーツよりも重大な関心事。
だから自分では遠目に眺めることしか出来ない女の子に、物怖じしせず接する不良たちは、恐怖の対象であると同時に憧れなのである。
性への興味と妄想は、そのまま学園ヒエラルキーの中の今の立ち位置の確認と、まだ見ぬ将来への仄かな指針となる。
家の揉め事に嫌気がさして、ビデオ屋に向かってからのタカシの一夜の冒険は、少々濃すぎる青春のビジョンクエスト
不良の暴力の洗礼を受け、友だちの秘密を知り、幼なじみのおっぱいを揉もうと暴走族と闘う。
そして彼の獲得する"ビジョン"、ビデオ屋の女店員に妄想を炸裂させるシーンの、物凄く幸せそうな表情は演技賞物だった(笑

真夏の一夜の刺激的な体験を通して、タカシはちょっとだけ成長する。
もっとも、14歳は本格的な思春期への入り口だから、物語の行き着くところは彼の抱える葛藤の解消じゃなくて、悶々の正体を見つけたりという程度。
これからタカシは幾つもの壁にぶち当たりながら、いつかカッコ悪い父さんを超えて、大人になってゆくのだろう。
しかし、河原や駅のトイレに捨ててあるエロ本を探した、アナログな時代のおっぱいへの渇望は、ネットで世界中のエロにアクセスできる現在の十代にはピンと来ないかも知れないな。
まあバーチャルはともかく、リアルに関してはいつの世も同じか。

ちょっと気になったのはレンタルビデオの値段で、87年はもう過当競争の時代で旧作は300円位じゃなかったか?
田舎は競争が少なくて事情が違ったのだろうか。
あとこれはこの映画に限らない限らないけど、特定の時代を舞台とした作品は「車」を写し込むことにもっと気を使って欲しい。
車は日常接する物だし、デザイン性が高く存在感が大きい。
遠景ならともかく、明らかに21世紀の車がデカデカと映り込むと、一気に現実に引き戻されてしまうし、せっかく他を考証して作っていても水の泡。
こんなのは撮り方の工夫でだいぶ誤魔化せるはずなので、無頓着な作品が多いのは理解に苦しむ。

今回は87年繋がりで、この年の初春に発売され爆発的な大ヒットとなり、日本のみならず世界のビールシーンに大きな影響を与えた「アサヒ スーパードライ」をチョイス。
従来のビールの特徴であった苦味とコクを抑え、淡麗でキレのある味わいを目指したところ、高温多湿の日本の夏にピッタリのビールが出来上がった。
今ではすっかりお馴染みの老舗ブランドだが、初めて出た時は驚きだったの味だったのだ。
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