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2017年08月04日 (金) | 編集 |
こんな世界は、間違っているー!
人間と人間を捕食する"喰種(グール)"という二つの種族が住む、もう一つの東京を描くSFホラー。
石田スイの原作漫画は、途中までしか読んでいなかったのだけど、映画は丁度既読箇所までで終わっていた。
人と人外、世界を共有しながらも敵対する「寄生獣」、もっと遡れば「デビルマン」バリエーションの一作だが、本作の特徴は主にあちら側の視点で描いていることだ。
窪田正孝演じる主人公のカネキは、内気で平凡な大学生だったが、ある時偶然にもグールの臓器を移植されたことから、肉体が変化し、グールと化してしまう。
「寄生獣」や「デビルマン」でも、主人公は二つの種族の中間の存在だが、基本的には人間の側にいて、愛する者たちを守ろうとしていた。
しかし、本作のカネキはそれが出来ないのである。
グールの肉体は、人間の肉(とコーヒー)以外の食べ物を受け付けない。
否応無しに自分がもう人間でないことを思い知らされたカネキは、"仲間"としてグールたちに助けを求めざるを得ないのだ。
楠野一郎の脚色は、突然平穏な日常が終わりを告げ、未知の世界へ足を踏み入れるカネキを軸に、丁寧にプロットを構成している。
似た設定の「亜人」では、なぜ人間が亜人を駆り立てるのか理解できなかったが、こっちは「寄生獣」同様に人間が被食者なのだから分かりやすい。
グールは人間を捕食する一方で、野に放たれた猛獣として、狩られる者たちでもある。
主人公をグールの社会にどっぷりと浸からせたことにより、この種の物語としては例外的に、人間と敵対する種族の方が人間的に描かれ、観客もカネキと同様にグールの仲間たちに感情移入しつつ、喰われる人間としてのジレンマを感じるという、クロスした視点を持つのが本作の最大のポイントだ。
根源的に対立する二つの種族の狭間で、最初はオドオドして何もできなかったカネキが、やがてお互いにとって「間違った世界を正す」決意を固めるまでの成長物語として良く出来てる。
グールごとに個体差がある、赫子と呼ばれる武器のビジュアルも素晴らしい。
体術と組み合わせてのバトルシーンは、なかなかに迫力があり、画的な作り込みも相当なハイレベルだ。
ある意味、漫画から想像できるイメージを超えた部分もあると思う。
ただ、一応完結してはいるが、おそらくは続編ありきの作品ゆえに、全体のテーマが確定して終わりという作りになっていて、単体の作品としては、やや物語としての盛り上がりに欠く。
この点は、親殺しというドラマチックなクライマックスを用意した、「寄生獣」 前編がいかに見事だったか良く分かる。
もっとも、アレは完全に完結した話の、二部作が決まっていたから可能だった力技。
その点こちらは、一応一本でも完結の形を取らなきゃならなかったので、諸々の制約という不利がある。
それでも十分アベレージ以上なので、続編が作られることに期待したい。
少なくとも、一見一本で完結しそうに宣伝しておいて、実は続編ありきで途中でブチっと終わってる詐欺的商法の作品より、遥かに誠実な良作なのは間違いない。
主演の窪田正孝以下、俳優陣は皆好演しているが、中でも一番良かったのは、ヒロインのトーカを演じる清水富美加だ。
本人的にはお気に召さなかった様だが、ぶっちゃけこれがキャリアベストだと思う。
続編が作られても、出てもらえなさそうなのは勿体無い。
あと全ての発端となるグール、大食らいのリゼを蒼井優が演じているのだけど、彼女の演技が凄すぎてムッチャこわい。
あんなのに夜中出会ったら、確実におしっこ漏らすぞ。
今回は、東京のダークな夜の物語なので、よなよなエールのクラフトビール「東京ブラック」をチョイス。
英国流の伝統製法で作られた、本格的なポータースタイルの黒ビール。
適度なホップの苦味、強烈なモルト風味、そしてフルーティさがバランスした非常にコクのあるフルボディ。
飲み応えがありすぎて、ジメジメした夏の夜にはちょっと暑苦しいが、涼しくなってきたらオススメだ。
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人間と人間を捕食する"喰種(グール)"という二つの種族が住む、もう一つの東京を描くSFホラー。
石田スイの原作漫画は、途中までしか読んでいなかったのだけど、映画は丁度既読箇所までで終わっていた。
人と人外、世界を共有しながらも敵対する「寄生獣」、もっと遡れば「デビルマン」バリエーションの一作だが、本作の特徴は主にあちら側の視点で描いていることだ。
窪田正孝演じる主人公のカネキは、内気で平凡な大学生だったが、ある時偶然にもグールの臓器を移植されたことから、肉体が変化し、グールと化してしまう。
「寄生獣」や「デビルマン」でも、主人公は二つの種族の中間の存在だが、基本的には人間の側にいて、愛する者たちを守ろうとしていた。
しかし、本作のカネキはそれが出来ないのである。
グールの肉体は、人間の肉(とコーヒー)以外の食べ物を受け付けない。
否応無しに自分がもう人間でないことを思い知らされたカネキは、"仲間"としてグールたちに助けを求めざるを得ないのだ。
楠野一郎の脚色は、突然平穏な日常が終わりを告げ、未知の世界へ足を踏み入れるカネキを軸に、丁寧にプロットを構成している。
似た設定の「亜人」では、なぜ人間が亜人を駆り立てるのか理解できなかったが、こっちは「寄生獣」同様に人間が被食者なのだから分かりやすい。
グールは人間を捕食する一方で、野に放たれた猛獣として、狩られる者たちでもある。
主人公をグールの社会にどっぷりと浸からせたことにより、この種の物語としては例外的に、人間と敵対する種族の方が人間的に描かれ、観客もカネキと同様にグールの仲間たちに感情移入しつつ、喰われる人間としてのジレンマを感じるという、クロスした視点を持つのが本作の最大のポイントだ。
根源的に対立する二つの種族の狭間で、最初はオドオドして何もできなかったカネキが、やがてお互いにとって「間違った世界を正す」決意を固めるまでの成長物語として良く出来てる。
グールごとに個体差がある、赫子と呼ばれる武器のビジュアルも素晴らしい。
体術と組み合わせてのバトルシーンは、なかなかに迫力があり、画的な作り込みも相当なハイレベルだ。
ある意味、漫画から想像できるイメージを超えた部分もあると思う。
ただ、一応完結してはいるが、おそらくは続編ありきの作品ゆえに、全体のテーマが確定して終わりという作りになっていて、単体の作品としては、やや物語としての盛り上がりに欠く。
この点は、親殺しというドラマチックなクライマックスを用意した、「寄生獣」 前編がいかに見事だったか良く分かる。
もっとも、アレは完全に完結した話の、二部作が決まっていたから可能だった力技。
その点こちらは、一応一本でも完結の形を取らなきゃならなかったので、諸々の制約という不利がある。
それでも十分アベレージ以上なので、続編が作られることに期待したい。
少なくとも、一見一本で完結しそうに宣伝しておいて、実は続編ありきで途中でブチっと終わってる詐欺的商法の作品より、遥かに誠実な良作なのは間違いない。
主演の窪田正孝以下、俳優陣は皆好演しているが、中でも一番良かったのは、ヒロインのトーカを演じる清水富美加だ。
本人的にはお気に召さなかった様だが、ぶっちゃけこれがキャリアベストだと思う。
続編が作られても、出てもらえなさそうなのは勿体無い。
あと全ての発端となるグール、大食らいのリゼを蒼井優が演じているのだけど、彼女の演技が凄すぎてムッチャこわい。
あんなのに夜中出会ったら、確実におしっこ漏らすぞ。
今回は、東京のダークな夜の物語なので、よなよなエールのクラフトビール「東京ブラック」をチョイス。
英国流の伝統製法で作られた、本格的なポータースタイルの黒ビール。
適度なホップの苦味、強烈なモルト風味、そしてフルーティさがバランスした非常にコクのあるフルボディ。
飲み応えがありすぎて、ジメジメした夏の夜にはちょっと暑苦しいが、涼しくなってきたらオススメだ。

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