2017年11月06日 (月) | 編集 |
史上最大の姉弟喧嘩。
神々の世界の覇権を巡る、ソー+ロキVS死の女神ヘラの姉弟対決は、シリーズベストと言ってよい面白さ。
原題の「ラグナログ」とは、北欧神話における神々と巨人、魔物の最終戦争のこと。
その結果、神々も巨人も世界と共に滅びる「神々の黄昏」という豪快なオチへと繋がって行く。
今回は、地球で隠遁生活を送っていた主神オーディンの死と共に、その強すぎる野望ゆえに封印されていたオーディンの長女ヘラが解放される。
ケイト・ブランシェットがトナカイみたいな角を生やして、楽しそうに演じているヘラは、手始めに破壊不可能なはずのソーのムジョルニアを粉砕し、邪魔な弟たちを辺境の惑星サカールへと吹き飛ばす。
映画の大半はこのサカールで展開し、ジェフ・ゴールドブラムの変な独裁者によって、囚われの身になったソー、例によって言葉巧みに取り入って客人として迎えられているロキが、いかにしてこの星から脱出し、ヘラが着々と支配を進めるアスガルドへ帰還するかが物語の骨子となり、いわばオーディンソン兄弟のズッコケ宇宙脱出記だ。
サカールにはなぜかハルクも流れ着いていて、独裁者主催の格闘大会のチャンピオンになっていたりする。
地球が重要な舞台となっていた前二作とは雰囲気が大きく異なる宇宙SFで、サカールのやたらとカラフルでチープなビジュアルデザイン、以前よりもコメディ色の強い軽妙なノリも含めて、「マイティ・ソー」シリーズの三本目というよりも、まるで「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」の姉妹篇の様だ。
サイカ・ワイティティ監督自ら演じる、ソーの仲間となる宇宙人のコーグなどのサブキャラクターは、どちらの作品に出ていても全く違和感がない。
世界観の一致は、“ガーディアンズ”と“アベンジャーズ”のクロスオーバーへの布石とも思えるが、まあこのスタイルの作品が今一番アメリカでウケるということだろう。
「ドクター・ストレンジ」のオマケ繋がりの魔術師先生は、本当にゲスト出演という感じだったが、色々こじらせちゃってるハルクは上手く物語の流れに組み込まれ、マーベルらしくチームもの的な作り。
ソー、ロキ、ハルク、そしてテッサ・トンプソン演じるミッシェル・ロドリゲス風女戦士ヴァルキリーで結成された、アベンジャーズならぬ“リベンジャーズ”のメンバーが、仲良くいがみ合うところまでも“ガーディアンズ”っぽい。
物語の終盤で、ようやくサカールを脱出した四人が、ヘラと死者の軍団に立ち向かうクライマックスは、それまでのギャグ中心の小芝居とのコントラストが際立つ、まさに“ラグナログ”に相応しいスペクタクルな大バトルだ。
レッド・ツェッペリンの「移民の歌」が鳴り響く中、キャラクターごとに工夫を凝らしたいくつもの見せ場が平行に進み、スーパーヒーロー映画として大いに盛り上がる。
本作は派手なアクションやギャグだけでなく、オーディンの庇護を失ったソーが、気楽なプリンス家業からアスガルドの民のために、真の王となる成長物語としてもなかなか良く出来ていて、娯楽映画としてとてもバランスがいい。
米国ではシリーズ最高の出足だったようだが、そりゃこれはヒットするだろう。
何気にカール・アーバン演じる裏切り者のスカージが、凄く美味しい役。
まさか“デス”と“トロイ”に胸アツになるとは思わなかった(笑
今回は、北欧スウェーデンの代表的ウォッカ「アブソルート」をチョイス。
これからの季節はちょっと躊躇するが、私は冷凍庫でキンキンに冷やし、半シャーベット状のパーシャルショットにして飲むのが好み。
チェイサーはこれまた冷えたビールで。
雷神ソーなら何杯でもいけそう。
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神々の世界の覇権を巡る、ソー+ロキVS死の女神ヘラの姉弟対決は、シリーズベストと言ってよい面白さ。
原題の「ラグナログ」とは、北欧神話における神々と巨人、魔物の最終戦争のこと。
その結果、神々も巨人も世界と共に滅びる「神々の黄昏」という豪快なオチへと繋がって行く。
今回は、地球で隠遁生活を送っていた主神オーディンの死と共に、その強すぎる野望ゆえに封印されていたオーディンの長女ヘラが解放される。
ケイト・ブランシェットがトナカイみたいな角を生やして、楽しそうに演じているヘラは、手始めに破壊不可能なはずのソーのムジョルニアを粉砕し、邪魔な弟たちを辺境の惑星サカールへと吹き飛ばす。
映画の大半はこのサカールで展開し、ジェフ・ゴールドブラムの変な独裁者によって、囚われの身になったソー、例によって言葉巧みに取り入って客人として迎えられているロキが、いかにしてこの星から脱出し、ヘラが着々と支配を進めるアスガルドへ帰還するかが物語の骨子となり、いわばオーディンソン兄弟のズッコケ宇宙脱出記だ。
サカールにはなぜかハルクも流れ着いていて、独裁者主催の格闘大会のチャンピオンになっていたりする。
地球が重要な舞台となっていた前二作とは雰囲気が大きく異なる宇宙SFで、サカールのやたらとカラフルでチープなビジュアルデザイン、以前よりもコメディ色の強い軽妙なノリも含めて、「マイティ・ソー」シリーズの三本目というよりも、まるで「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」の姉妹篇の様だ。
サイカ・ワイティティ監督自ら演じる、ソーの仲間となる宇宙人のコーグなどのサブキャラクターは、どちらの作品に出ていても全く違和感がない。
世界観の一致は、“ガーディアンズ”と“アベンジャーズ”のクロスオーバーへの布石とも思えるが、まあこのスタイルの作品が今一番アメリカでウケるということだろう。
「ドクター・ストレンジ」のオマケ繋がりの魔術師先生は、本当にゲスト出演という感じだったが、色々こじらせちゃってるハルクは上手く物語の流れに組み込まれ、マーベルらしくチームもの的な作り。
ソー、ロキ、ハルク、そしてテッサ・トンプソン演じるミッシェル・ロドリゲス風女戦士ヴァルキリーで結成された、アベンジャーズならぬ“リベンジャーズ”のメンバーが、仲良くいがみ合うところまでも“ガーディアンズ”っぽい。
物語の終盤で、ようやくサカールを脱出した四人が、ヘラと死者の軍団に立ち向かうクライマックスは、それまでのギャグ中心の小芝居とのコントラストが際立つ、まさに“ラグナログ”に相応しいスペクタクルな大バトルだ。
レッド・ツェッペリンの「移民の歌」が鳴り響く中、キャラクターごとに工夫を凝らしたいくつもの見せ場が平行に進み、スーパーヒーロー映画として大いに盛り上がる。
本作は派手なアクションやギャグだけでなく、オーディンの庇護を失ったソーが、気楽なプリンス家業からアスガルドの民のために、真の王となる成長物語としてもなかなか良く出来ていて、娯楽映画としてとてもバランスがいい。
米国ではシリーズ最高の出足だったようだが、そりゃこれはヒットするだろう。
何気にカール・アーバン演じる裏切り者のスカージが、凄く美味しい役。
まさか“デス”と“トロイ”に胸アツになるとは思わなかった(笑
今回は、北欧スウェーデンの代表的ウォッカ「アブソルート」をチョイス。
これからの季節はちょっと躊躇するが、私は冷凍庫でキンキンに冷やし、半シャーベット状のパーシャルショットにして飲むのが好み。
チェイサーはこれまた冷えたビールで。
雷神ソーなら何杯でもいけそう。

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