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2017年11月15日 (水) | 編集 |
そのレシピに、何が託されたのか。
なかなかに良く出来た娯楽映画だ。
二宮和也が好演する主人公の佐々木満は、一度食べた味を決して忘れず、どんな料理でも再現してしまう“麒麟の舌”と呼ばれる絶対味覚の持ち主。
嘗て経営していた店の借金を返すため、富裕層のために高額なギャラで思い出の味を再現する、料理版ブラックジャックみたいな主人公が、天皇の料理番が作り70年前の満州で行方不明となった究極のレシピ、その名も“大日本帝国食彩全席”を探す、というのがプロットの骨子。
料理映画でありながら、探偵ものとしても楽しめるジャンルレスムービーだ。
腕は抜群だが心に問題を抱えた傲慢な天才料理人・満が、西島秀俊演じる歴史の闇に消えたもう一人の天才・山形直太郎と彼のレシピの行方を追ううちに、料理を大陸侵略の道具として使おうとする関東軍と、戦争の時代に抗おうとした人々の想いが浮かび上がってくる。
日本人、漢人、満州人、朝鮮人、蒙古人の“五族協和”をスローガンに掲げる新しい国、満州国に天皇を迎えるため、直太郎は様々な民族の食文化を融合させた究極のレシピを作ろうとするが、その実彼を雇った関東軍は、建前にしか過ぎない五族協和ではなく、自分たちによる満州支配を進めるために、レシピを利用したある陰謀を巡らせてゆく。
直太郎もまた満と同じく絶対味覚の持ち主で、料理を極めることを全てに優先し、周りの人間を信じない。
そんな男が、数年に及ぶ全112品目のレシピ作りを通して少しずつ変わってゆき、料理と人間への愛に生きたことを、彼を知る人々との出会いによって満が追体験してゆくのである。
原作の田中経一は90年代に一世を風靡し、世界的な大ヒット作となった料理バラエティ「料理の鉄人」を手掛けた演出家。
料理を格闘技に見立てたあの番組を思わせる部分もあるが、やはりキャラクター相関も含め本作に強い影響を与えているのは、“究極のメニュー”を探してウン十年の「美味しんぼ」だと思う。
やはり頑なな拗らせキャラクターだった主人公の山岡士郎が、料理の持つ物語とそこに込められた人の想いを学ぶことで、深みのある人間となっていったように、当初非共感キャラクターである満もまた、レシピの行方を探す旅を通し、そもそも料理とは何かという根本に立ち戻ることで、殻を破り大きく成長してゆく。
滝田洋二郎の演出は、キャラクターの感情の機微を丁寧に見せ、料理人の所作などの描写も魅力的。
全編に渡って登場する、数々の豪華料理のシズル感はなかなかのものだ。
プロットは全体的に非常にロジカルに構成されており、違和感のある部分はきっちり伏線として回収される。
ただ、おそらくは原作由来だと思うが、林民夫による脚本はまるでコース料理の様に、ピタッ、ピタッとパズルのピースがハマってゆき、あまりに綺麗にまとまり過ぎて、ちょい出来過ぎに感じてしまう所もある。
これは30年代を描く過去の物語が、関東軍の陰謀によって、レシピを探す満を描く現在の物語も、別の見えざる手によって導かれており、本来の主人公たち、特に満の主体性が希薄なことも影響していると思う。
はじめから結論ありきなのが全体を縛っているのだが、この構造こそ本作の核心なので、悩ましいところ。
物語のあり方として好みは別れるだろうが、端正な娯楽映画として十分な見応え。
継承されるスピリットを具現化した、エンドクレジットの工夫も素敵だ。
あれは撮影後にスタッフが美味しくいただいたのだろうか。
出番は短いものの、山形直太郎の妻を演じる宮崎あおいが、凛としたキャラクターで強い印象を残す。
やっぱりこの人上手いわ。
今回は中国の酒宴に欠かせない高級白酒「貴州茅台酒(キシュウマオタイ酒)」をチョイス。 300年以上の歴史を持ち、本作にもチラッと登場する日中国交回復の式典でも振舞われた、中国を代表する蒸留酒だ。
酒を買うとついてくる小さなグラスで一気にグイッと飲むのが一般的。
独特の香りと濃厚なコクがある非常に強い酒だが、この飲み方だと意外とどんどんいけてしまう。
量を飲んでも悪い良いし難いのも嬉しい。
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なかなかに良く出来た娯楽映画だ。
二宮和也が好演する主人公の佐々木満は、一度食べた味を決して忘れず、どんな料理でも再現してしまう“麒麟の舌”と呼ばれる絶対味覚の持ち主。
嘗て経営していた店の借金を返すため、富裕層のために高額なギャラで思い出の味を再現する、料理版ブラックジャックみたいな主人公が、天皇の料理番が作り70年前の満州で行方不明となった究極のレシピ、その名も“大日本帝国食彩全席”を探す、というのがプロットの骨子。
料理映画でありながら、探偵ものとしても楽しめるジャンルレスムービーだ。
腕は抜群だが心に問題を抱えた傲慢な天才料理人・満が、西島秀俊演じる歴史の闇に消えたもう一人の天才・山形直太郎と彼のレシピの行方を追ううちに、料理を大陸侵略の道具として使おうとする関東軍と、戦争の時代に抗おうとした人々の想いが浮かび上がってくる。
日本人、漢人、満州人、朝鮮人、蒙古人の“五族協和”をスローガンに掲げる新しい国、満州国に天皇を迎えるため、直太郎は様々な民族の食文化を融合させた究極のレシピを作ろうとするが、その実彼を雇った関東軍は、建前にしか過ぎない五族協和ではなく、自分たちによる満州支配を進めるために、レシピを利用したある陰謀を巡らせてゆく。
直太郎もまた満と同じく絶対味覚の持ち主で、料理を極めることを全てに優先し、周りの人間を信じない。
そんな男が、数年に及ぶ全112品目のレシピ作りを通して少しずつ変わってゆき、料理と人間への愛に生きたことを、彼を知る人々との出会いによって満が追体験してゆくのである。
原作の田中経一は90年代に一世を風靡し、世界的な大ヒット作となった料理バラエティ「料理の鉄人」を手掛けた演出家。
料理を格闘技に見立てたあの番組を思わせる部分もあるが、やはりキャラクター相関も含め本作に強い影響を与えているのは、“究極のメニュー”を探してウン十年の「美味しんぼ」だと思う。
やはり頑なな拗らせキャラクターだった主人公の山岡士郎が、料理の持つ物語とそこに込められた人の想いを学ぶことで、深みのある人間となっていったように、当初非共感キャラクターである満もまた、レシピの行方を探す旅を通し、そもそも料理とは何かという根本に立ち戻ることで、殻を破り大きく成長してゆく。
滝田洋二郎の演出は、キャラクターの感情の機微を丁寧に見せ、料理人の所作などの描写も魅力的。
全編に渡って登場する、数々の豪華料理のシズル感はなかなかのものだ。
プロットは全体的に非常にロジカルに構成されており、違和感のある部分はきっちり伏線として回収される。
ただ、おそらくは原作由来だと思うが、林民夫による脚本はまるでコース料理の様に、ピタッ、ピタッとパズルのピースがハマってゆき、あまりに綺麗にまとまり過ぎて、ちょい出来過ぎに感じてしまう所もある。
これは30年代を描く過去の物語が、関東軍の陰謀によって、レシピを探す満を描く現在の物語も、別の見えざる手によって導かれており、本来の主人公たち、特に満の主体性が希薄なことも影響していると思う。
はじめから結論ありきなのが全体を縛っているのだが、この構造こそ本作の核心なので、悩ましいところ。
物語のあり方として好みは別れるだろうが、端正な娯楽映画として十分な見応え。
継承されるスピリットを具現化した、エンドクレジットの工夫も素敵だ。
あれは撮影後にスタッフが美味しくいただいたのだろうか。
出番は短いものの、山形直太郎の妻を演じる宮崎あおいが、凛としたキャラクターで強い印象を残す。
やっぱりこの人上手いわ。
今回は中国の酒宴に欠かせない高級白酒「貴州茅台酒(キシュウマオタイ酒)」をチョイス。 300年以上の歴史を持ち、本作にもチラッと登場する日中国交回復の式典でも振舞われた、中国を代表する蒸留酒だ。
酒を買うとついてくる小さなグラスで一気にグイッと飲むのが一般的。
独特の香りと濃厚なコクがある非常に強い酒だが、この飲み方だと意外とどんどんいけてしまう。
量を飲んでも悪い良いし難いのも嬉しい。

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