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2017年11月20日 (月) | 編集 |
それでも、人生は続く。
"AV女優"をモチーフにした、オムニバス的な人間ドラマ。
原作は紗倉まなの同名短編小説集で、元々四話だったものを、一話を除いて三話で再構成。
それぞれの物語の主人公は、夫との関係に悩みAVに出演する主婦・美穂、親バレした現役のAV女優・綾乃、嘗てAV女優だった母親に反発する女子高生・あやこ。
世代の違う三人の女性たちと、彼女らを取り巻く人々の物語は、肌触りも生々しくリアリティたっぷりだ。
三つの独立した物語が、キャラクターのエモーション、あるいはアクションのシンクロで細かく切り替わってゆくスタイルは、橋口亮輔監督の「恋人たち」にちょっと近い。
孤独を抱えた三人の主人公と、AVとの関わりにはそれぞれに異なる理由がある。
子どもを作ろうとしない夫との夫婦関係に悩み、閉塞した日常に閉じ込められた美穂は、現状から抜け出す“救い”としてAVを選ぶ。
鉄のアソコを持つ女を自認する綾乃には、そこは自らの才覚でのし上がれる“居場所”だ。
自由奔放な元AV女優の母親に振り回されるあやこにとっては、AVは自らに課された運命的な“呪縛”といえるだろう。
誰もがある日突然AVに出るわけではない。
本作にはそこに至るまでの物語、至った後の物語、そしてそのことが及ぼす影響に関する物語が、私たちの日常とのしっかりとした地続き感を持って語られていて、血の通ったキャラクターたちの人生の葛藤がある。
人前で裸になり、セックスを見せてそれを売ると言う仕事内容は確かに特殊かも知れないが、この映画はAV女優という生き方を、肯定も否定もしない。
世の中の多くの事象と同じく、特殊な中にも普通があり、日常の中にも非日常が、良いことがあれば悪いこともある。
私たちの社会はなにかにつけて白黒つけたがり、“あちら”と“こちら”の二元論で物事を語ろうとするが、実際にはほとんどの人がどちらでもないグレーの存在であり、生きることの喜びと悲しみを抱え、揺れ動きながら細やかな幸せを探している。
ふんばって毎日を生きて、そしていつか今よりも良い明日へ。
だからこそ三人の人生が僅かに交錯し、まだ多くの迷いを残したまま、少しだけ前へと進む物語は、私たち観客の心にも生の実感をもって染み渡るのだ。
女優たちの体を張った演技は素晴らしく、裸体が葛藤を物語る。
瀬々敬久監督は「(この映画に)金は無いが、自由はあった」と仰ってたが、邦画で遠慮のないセックスシーンがキチンと意味を持って演出されていたのは、最近では本作と「あゝ、荒野」くらい。
悩める美穂の心情を繊細に演じたファーストロールの山口彩乃が、彼女のキャスティングを知ってエステを予約したという、アンパンマンこと佐々木心音は特に強い印象を残す。
AVビギナーである美穂や、AVとは間接的な関係であるあやこと違って、現役としてガッツリ心を決めた綾乃の、ちょっと危うさを感じる不器用な生き方には思わず感情移入。
これが映画初出演となるあやこ役の山田愛奈も、青春の痛みを感じさせて良い。
映画オリジナルだというラストは、物語に余白を感じさせ、三人のその後に想像が広がる。
彼女たちのこれからの人生を想い、実りある未来を願う。
そんな風に思える本作は、とても幸せな映画である。
今回は、愛に関する物語でもあるので、「ピュアラブ」をチョイス。
ジン30ml、フランボワーズ・リキュール15ml、ライムジュース15mlをシェイクし、氷を入れたグラスに注ぐ。
適量のジンジャーエールを加えてステアし、スライスしたライムを添えて完成。
バーテンダーの上田和男さんが、1980年に日本バーテンダー協会のカクテルコンペティション用に考案し、優勝した作品。
美しいオレンジ色のカクテルは、爽やかだけどちょっと酸っぱい恋の味だ。
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"AV女優"をモチーフにした、オムニバス的な人間ドラマ。
原作は紗倉まなの同名短編小説集で、元々四話だったものを、一話を除いて三話で再構成。
それぞれの物語の主人公は、夫との関係に悩みAVに出演する主婦・美穂、親バレした現役のAV女優・綾乃、嘗てAV女優だった母親に反発する女子高生・あやこ。
世代の違う三人の女性たちと、彼女らを取り巻く人々の物語は、肌触りも生々しくリアリティたっぷりだ。
三つの独立した物語が、キャラクターのエモーション、あるいはアクションのシンクロで細かく切り替わってゆくスタイルは、橋口亮輔監督の「恋人たち」にちょっと近い。
孤独を抱えた三人の主人公と、AVとの関わりにはそれぞれに異なる理由がある。
子どもを作ろうとしない夫との夫婦関係に悩み、閉塞した日常に閉じ込められた美穂は、現状から抜け出す“救い”としてAVを選ぶ。
鉄のアソコを持つ女を自認する綾乃には、そこは自らの才覚でのし上がれる“居場所”だ。
自由奔放な元AV女優の母親に振り回されるあやこにとっては、AVは自らに課された運命的な“呪縛”といえるだろう。
誰もがある日突然AVに出るわけではない。
本作にはそこに至るまでの物語、至った後の物語、そしてそのことが及ぼす影響に関する物語が、私たちの日常とのしっかりとした地続き感を持って語られていて、血の通ったキャラクターたちの人生の葛藤がある。
人前で裸になり、セックスを見せてそれを売ると言う仕事内容は確かに特殊かも知れないが、この映画はAV女優という生き方を、肯定も否定もしない。
世の中の多くの事象と同じく、特殊な中にも普通があり、日常の中にも非日常が、良いことがあれば悪いこともある。
私たちの社会はなにかにつけて白黒つけたがり、“あちら”と“こちら”の二元論で物事を語ろうとするが、実際にはほとんどの人がどちらでもないグレーの存在であり、生きることの喜びと悲しみを抱え、揺れ動きながら細やかな幸せを探している。
ふんばって毎日を生きて、そしていつか今よりも良い明日へ。
だからこそ三人の人生が僅かに交錯し、まだ多くの迷いを残したまま、少しだけ前へと進む物語は、私たち観客の心にも生の実感をもって染み渡るのだ。
女優たちの体を張った演技は素晴らしく、裸体が葛藤を物語る。
瀬々敬久監督は「(この映画に)金は無いが、自由はあった」と仰ってたが、邦画で遠慮のないセックスシーンがキチンと意味を持って演出されていたのは、最近では本作と「あゝ、荒野」くらい。
悩める美穂の心情を繊細に演じたファーストロールの山口彩乃が、彼女のキャスティングを知ってエステを予約したという、アンパンマンこと佐々木心音は特に強い印象を残す。
AVビギナーである美穂や、AVとは間接的な関係であるあやこと違って、現役としてガッツリ心を決めた綾乃の、ちょっと危うさを感じる不器用な生き方には思わず感情移入。
これが映画初出演となるあやこ役の山田愛奈も、青春の痛みを感じさせて良い。
映画オリジナルだというラストは、物語に余白を感じさせ、三人のその後に想像が広がる。
彼女たちのこれからの人生を想い、実りある未来を願う。
そんな風に思える本作は、とても幸せな映画である。
今回は、愛に関する物語でもあるので、「ピュアラブ」をチョイス。
ジン30ml、フランボワーズ・リキュール15ml、ライムジュース15mlをシェイクし、氷を入れたグラスに注ぐ。
適量のジンジャーエールを加えてステアし、スライスしたライムを添えて完成。
バーテンダーの上田和男さんが、1980年に日本バーテンダー協会のカクテルコンペティション用に考案し、優勝した作品。
美しいオレンジ色のカクテルは、爽やかだけどちょっと酸っぱい恋の味だ。

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