2018年07月06日 (金) | 編集 |
モノゴトは“ウラ”ほど面白い。
映画の専門学校「ENBUゼミナール」のプロジェクトとして作られた作品で、監督・脚本の上田慎一郎はこれが劇場用長編デビュー作いう以外、全く情報を入れずに観たが、今年最高のアイディア賞だ。
映画が始まってしばらくはB級、いやC級然としたテイスト。
自主映画の撮影隊が廃墟でゾンビ映画を撮っていると、なぜか本物のゾンビが出現しサバイバルに・・・という平凡な出だし。
ワンショット撮影は頑張っているが、ホラーじゃないけど同じ手で最近「アイスと雨音」という大力作があったしな・・・それに比べれば、こっちは相当素人臭いし、なんだか変な間や意味のない芝居がたくさんで、ぶっちゃけあんま面白くない・・・。
そんなことを思っているうちに、映画はわずか37分で唐突に幕を閉じてしまうのである。
※ここからは1度観てから読むことをオススメします。
「???これで終わり??」
と戸惑っていると、映画はここから再び幕を開けると、想像の斜め上どころか、異次元の壁を突き破って暴走する。
「最後まで席を立つな。この映画は二度はじまる」は、本作のキャッチコピー。
実は今まで観てきたのは、生放送の一発撮りホラードラマ(という設定)で、二度目に始まるのはそのビハインド・ザ・シーン。
普通のドラマならいざ知らず、様々なギミックを必要とするホラーを、ノーカットの生放送で制作するという無茶振りを任されたのが、普段妥協ばっかりしている再現ドラマの監督。
ここに元女優の妻や、父とは対照的に妥協知らずでトラブルメーカーの娘ADも絡み、怒涛のメイキング・ドラマが始まるのである。
生放送という特異性ゆえに、計算尽くの妥協などできず、どんなトラブルが起こっても、今そこにあるものでなんとかするしかない。
否が応でも本気にならざるを得ない状況が、現場の人間全員を変えてゆく。
ストーリーを楽しむ言うよりも、構造の仕掛けに驚かされる映画だが、周到に設定された人物描写が、この作品の面白さを単なる一発ネタのサプライズを超えたものにしている。
前半と後半で、ガラッと作りが変わる映画は他にもある。
だが本作はそのどれとも違う唯一無二、マジでこんなの観たこと無い。
最初に観るときには、絶対に情報を入れない方がいいが、一度観てしまうと今度はディテールが楽しい。
前半のドラマで引っかかった不自然な芝居や間の違和感の“ナゼ”を、後半明かしてゆく仕掛けがものすごく凝っていて、二度三度観ても面白い。
実際平日も満席が続く劇場では、リピーター客がとても多いという。
今年は「レディ・プレイヤー1」や「ブリグズビー・ベア」など、作り手にとっての虚構と現実をモチーフとした映画が目立つが、モノ作りの情熱と狂気にフィーチャーした本作もその一つ。
創作を生業にしている人は必ずこの作品に嫉妬し、強い刺激を受けるだろうし、作り手も観客も溢れんばかりの映画愛に、大いに笑って涙するだろう。
しかし、ゾンビ映画って本当に汎用性が高い。
ロメロ映画的な社会性の象徴としても、「桐島」のように青春の熱情の具現化としても、本作みたいに創造の葛藤のメタファーとしても使えるのだから、そりゃ世界中のフィルム・メーカーがゾンビ映画を作り続けるわけだ。
次は誰が、どんな新しいゾンビ映画を作り出すのだろうか。
今回は、そのまんま「ゾンビ」をチョイス。
ホワイトラム30ml、ゴールドラム30ml、ダークラム30ml、アプリコットブランデー15ml、オレンジジュース 20ml、パイナップルジュース 20ml、レモンジュース 10ml、グレナデンシロップ 10mlをシェイクして、このカクテルが名前の元になった氷を入れたゾンビグラス、別名コリンズグラスに注ぐ。
複数のラムをチャンポンしているのは酔いを深めるためで、もともとは5種類ものラムを混ぜていたという。
非常に強いのでいつの間にか酩酊し、ゾンビ化する恐ろしいカクテルだ。
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映画の専門学校「ENBUゼミナール」のプロジェクトとして作られた作品で、監督・脚本の上田慎一郎はこれが劇場用長編デビュー作いう以外、全く情報を入れずに観たが、今年最高のアイディア賞だ。
映画が始まってしばらくはB級、いやC級然としたテイスト。
自主映画の撮影隊が廃墟でゾンビ映画を撮っていると、なぜか本物のゾンビが出現しサバイバルに・・・という平凡な出だし。
ワンショット撮影は頑張っているが、ホラーじゃないけど同じ手で最近「アイスと雨音」という大力作があったしな・・・それに比べれば、こっちは相当素人臭いし、なんだか変な間や意味のない芝居がたくさんで、ぶっちゃけあんま面白くない・・・。
そんなことを思っているうちに、映画はわずか37分で唐突に幕を閉じてしまうのである。
※ここからは1度観てから読むことをオススメします。
「???これで終わり??」
と戸惑っていると、映画はここから再び幕を開けると、想像の斜め上どころか、異次元の壁を突き破って暴走する。
「最後まで席を立つな。この映画は二度はじまる」は、本作のキャッチコピー。
実は今まで観てきたのは、生放送の一発撮りホラードラマ(という設定)で、二度目に始まるのはそのビハインド・ザ・シーン。
普通のドラマならいざ知らず、様々なギミックを必要とするホラーを、ノーカットの生放送で制作するという無茶振りを任されたのが、普段妥協ばっかりしている再現ドラマの監督。
ここに元女優の妻や、父とは対照的に妥協知らずでトラブルメーカーの娘ADも絡み、怒涛のメイキング・ドラマが始まるのである。
生放送という特異性ゆえに、計算尽くの妥協などできず、どんなトラブルが起こっても、今そこにあるものでなんとかするしかない。
否が応でも本気にならざるを得ない状況が、現場の人間全員を変えてゆく。
ストーリーを楽しむ言うよりも、構造の仕掛けに驚かされる映画だが、周到に設定された人物描写が、この作品の面白さを単なる一発ネタのサプライズを超えたものにしている。
前半と後半で、ガラッと作りが変わる映画は他にもある。
だが本作はそのどれとも違う唯一無二、マジでこんなの観たこと無い。
最初に観るときには、絶対に情報を入れない方がいいが、一度観てしまうと今度はディテールが楽しい。
前半のドラマで引っかかった不自然な芝居や間の違和感の“ナゼ”を、後半明かしてゆく仕掛けがものすごく凝っていて、二度三度観ても面白い。
実際平日も満席が続く劇場では、リピーター客がとても多いという。
今年は「レディ・プレイヤー1」や「ブリグズビー・ベア」など、作り手にとっての虚構と現実をモチーフとした映画が目立つが、モノ作りの情熱と狂気にフィーチャーした本作もその一つ。
創作を生業にしている人は必ずこの作品に嫉妬し、強い刺激を受けるだろうし、作り手も観客も溢れんばかりの映画愛に、大いに笑って涙するだろう。
しかし、ゾンビ映画って本当に汎用性が高い。
ロメロ映画的な社会性の象徴としても、「桐島」のように青春の熱情の具現化としても、本作みたいに創造の葛藤のメタファーとしても使えるのだから、そりゃ世界中のフィルム・メーカーがゾンビ映画を作り続けるわけだ。
次は誰が、どんな新しいゾンビ映画を作り出すのだろうか。
今回は、そのまんま「ゾンビ」をチョイス。
ホワイトラム30ml、ゴールドラム30ml、ダークラム30ml、アプリコットブランデー15ml、オレンジジュース 20ml、パイナップルジュース 20ml、レモンジュース 10ml、グレナデンシロップ 10mlをシェイクして、このカクテルが名前の元になった氷を入れたゾンビグラス、別名コリンズグラスに注ぐ。
複数のラムをチャンポンしているのは酔いを深めるためで、もともとは5種類ものラムを混ぜていたという。
非常に強いのでいつの間にか酩酊し、ゾンビ化する恐ろしいカクテルだ。

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