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ショートレビュー「V.I.P. 修羅の獣たち・・・・・評価額1650円」
2018年07月11日 (水) | 編集 |
怪物と戦う者は、自分も怪物に成らねばならぬ。

猟奇殺人ものと言えば韓国映画、韓国映画といえば猟奇殺人ものというくらい、かの国ではおなじみのジャンル映画だが、これはその中でも異彩を放つ。
日常のルーティンのように女を誘拐し、快楽のために徹底的にいたぶって殺す。
場合によっては女の家族まで皆殺し。
恐るべき嗜虐性を秘めたシリアルキラーは、なんと北朝鮮から韓国へと亡命して来たV.I.P.なのである。
これはまさに、現代韓国でしか作り得ない作品だ。

北朝鮮の秘密資金の情報を握り、自分が“守られるべき存在”であることを知っている人間のクズ、キム・グァンイルを巡り、キム・ミョンミンが熱演する暴力刑事チェ・イド、チャン・ドンゴン演じる国家情報院のパク・ジェヒョク、韓国内部の混乱に乗じて漁夫の利を狙うCIA、更にはパク・ヒスン演じる北の工作員リ・デボムが四つ巴の争奪戦を繰り広げる。

警察はその威信にかけても犯人を検挙したいが、亡命させたのが殺人鬼だったという失態が明るみにでるのを防ぎたい国情院は、警察よりも先にグァンイルを確保し、CIAに身柄を渡して幕引きにしたい。
一方、デボムはグァンイルを捕え、北に連れ戻すために、イドに共闘を持ちかける。

映画は、「プロローグ」「容疑者」「攻防」「北から来たV.I.P.」「エピローグ」の五章構成。
2013年の香港から始まる物語は、続く「容疑者」で北朝鮮時代のグァンイルの鬼畜っぷりを容赦なく描写した上で、彼を巡る争奪戦に移行する。
観客心理としては、グァンイルには殺人犯として法の裁きを受けさせるか、登場人物の誰かにぶっ殺してもらいたい。

しかし、彼の握る情報ゆえに、理不尽に守られて身柄をたらい回しされるだけ。
登場人物たちの苦悩が観客の憤りの心理と一体化し、もどかしさに苛立ちを深めてゆくドラマの組み立ては、「殺人の追憶」から「殺人の告白」に連なる系譜を思わせる。

警察がグァンイルの身柄を抑えたと思ったら、国情院がCIAを介入させて奪還し、今度はデボムの助けを借りて警察が巻き返す。
グァンイルを巡る物語は二転三転して全く先を読ませず、終始スリリング展開する。

死の匂いをまとった男臭い情念のドラマの濃密さは、さすが「新しき世界」で「インファナル・アフェア」+「ゴッドファーザー」とも言うべきノワールの傑作を作り上げたパク・フンジョンだ。

最凶のお坊ちゃま殺人鬼を怪演するイ・ジョンソク、久々登場のチャン・ドンゴンを始め、キャストは善玉悪玉入り乱れ、全員が強烈にキャラ立ちしている。


サスペンス・スリラーとして一級品だが、更に特筆すべきは朝鮮半島ならではの時事性が、物語に巧みに織り込まれていること。

2017年の作品なのに、物語の起点となる“現在”が2013年に設定されているのはなぜか。
そもそも北朝鮮では特権階級で、何人殺そうが罪に問われないはずのグァンイルが、わざわざ亡命したのはどうしてなのか。
時系列の秘密が明らかになる終盤のある描写は、絶望のあまり鳥肌がたった。
このあたりの事情は観客が知っていることを前提として作られているので、ここ十年ばかりの北朝鮮金氏王朝の権力闘争史を予習しておくのが吉。
ダイナミックに動く朝鮮半島の現代史という社会性を背景に、権力の都合に翻弄される男たちの姿は、一歩引いて見るともの哀しい。

いかにもこの作家らしい、壮絶なる滅びの映像詩。
トラウマになるくらいの残酷描写はかなりの流血耐性が必要だが、韓国映画の底力を感じさせる秀作だ。

今回は、悪魔のような殺人鬼の話だから、ベルギー生まれの“悪魔のビール”「デュベル」をチョイス。

完成した時は第一次世界大戦の戦勝を記念して「ビクトリー・エール」と名付けられていたのだが、試飲会で飲んだ一人が「このビールはまさに悪魔だ」と言ったことから、悪魔を意味する「Duvel」に銘柄が変更されたとか。
名前は恐ろし気だが、泡立ち良く、スムーズなのど越しが特徴の美味しいビールだ。

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