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ショートレビュー「ジュラシック・ワールド/炎の王国・・・・・評価額1500円」
2018年07月29日 (日) | 編集 |
王国が、燃え尽きる。

2015年に14年ぶりにリブートされた、「ジュラシック・ワールド」に続く新三部作の第二作
映画史に革命をもたらした「ジュラシック・パーク」が、いわばオーランドにあるオリジナル・ディズニーランドだとすれば、前作はタイトル通りにフロリダのディズニー・ワールドだった。
第1作をベンチマークして、構成要素をトレースしながら、できるだけ派手に拡大改良したバージョンと言っていい。
その試みは、半分成功して半分失敗していたと思う。
現在の映像テクノロジーで蘇った恐竜の島は、人間・恐竜共に多様化したキャラクターと見せ場のつるべ打ちによって、夏休みのお祭り映画としてまことに相応しいものになっていた。
一方で監督・脚本を任されたコリン・トレボロウの手腕は、スティーヴン・スピルバーグ&マイケル・クライトンのコンビと比べてしまうとやはり数段落ちると言わざるを得ず。
色々な新機軸は良いとしても、いきなり現場責任者が職場放棄したり、プロットに荒っぽさが目立ち、マップの使い方が下手で、位置関係が全然描けていないものもサスペンスをスポイル。
売り物の恐竜の描写も、大きくパワフルにはなったものの、シリーズものの既視感を超えることは出来なかった。

今回、監督はトロボロウからJ・A・バヨナにバトンタッチしているが、トレボロウは三部作を通して脚本を担当しているのでテイスト的にはそれほど変わらない、というかディテールが荒っぽい欠点もそのままだ。
前作は第1作のリメイク的リブートだったが、今回は律儀に第2作「ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク」の焼き直しをやってきた。
噴火する島からの恐竜救出ミッションは、スリリングだが前半で早々に終わり、後半はパークの生みの親であるジョン・ハモンドの親友で、協力者だったベンジャミン・ロックウッドの秘密基地みたいな大邸宅を舞台としたアニマルパニック編。
前半と後半が全く異なるジャンルとなるのだが、バヨナの演出は悪くない。
島を脱出する船から、噴煙に包まれ消えてゆくブラキオサウルスの最期を見届ける悲痛な描写は本作の白眉だし、後半のロックウッドの孫娘を軸にしたサスペンスは、「永遠のこどもたち」や「怪物はささやく」など、ジュブナイルを得意とするバヨナの面目躍如。
全体に、アメリカでの酷評ほどには悪くなく、むしろテリングの下手さが目立った前作より、無邪気なB級感覚全開で楽しかった。

もっとも、物語にはやはり相当に無理がある。
ロックウッドの部下が恐竜を売りさばこうとするのは、現実の希少動物の密売などを比喩してるんだろうけど、さすがに恐竜は目立ちすぎてバレるだろう。
一作目から登場のマッドサイエンティスト、ウー博士の“生物兵器”インドミナス・ラプトル計画に至っては、いくらなんでも荒唐無稽すぎる上に、元々のコンセプトから離れすぎではないか。
前作のインドミナス・レックスもそうだったけれど、本作のボスキャラであるインドミナス・ラプトルも、純粋な恐竜じゃないという点で、もはやエイリアンでも怪物でも何に置き換えてもプロットは成立してしまう。
だから、もうこれはガワを似せているだけで、恐竜時代への冒険にワクワクしっぱなしだったオリジナルとは似て非なるものなのだ。
25年前「ジュラシック・パーク」を初日に米国の映画館で観た時、サム・ニールとローラ・ダーンが始めて恐竜を見るシーンで、劇場が「オー!」という歓声に包まれたのを昨日のことのように覚えている。
あの時は、まさに登場人物の驚きが完全に観客とシンクロしてたが、CGが当たり前の表現になった現在で、あの感覚を再び味わいたいというのは無い物ねだりだろうけど。

ジェフ・ゴールドブラム演じるマルコム博士の言う通り、これはテクノロジーというか、人間の欲望の暴走が“パーク”のレベルから“ワールド”に拡大する話。
その意味では、稀代のストーリーテラー、マイケル・クライトンの作り上げたテーマを引き継いではいるのだが、彼の作った世界観から出られないのがシリーズの宿命で限界か。
リブート版「猿の惑星」シリーズくらい振り切れば面白いのだけど、今回の恐竜たちが逃げ延びたとしても、たったあれだけでは最小存続可能個体数に遠く届かないので、再絶滅は確実。
隠し球的な裏設定がない限り、「恐竜の惑星」にはなりそうもない。
まあシチュエーションの自由度という意味では、次はなんでもアリになった訳で、「三部作の最後は一体どう収拾つけるのか?」という興味は尽きないけど。
エンドクレジット後の映像は、恐竜SFの元祖であるコナン・ドイルの「ロスト・ワールド」へのオマージュなのは明らかだが、世界のミニチュアともいうべき“あの街”に降り立ったのはなんだか意味深だな。

今回は火山の噴火から始まる話なので「ボルケーノ」をチョイス。
冷やしたラズベリー・リキュール25ml、ブルー・キュラソー25ml、シャンパン適量をフルート型シャンパングラスに注ぎ、オレンジピールを飾って完成。
ラズベリーの爽やかな香り、深海を思わせるダークブルーが美しい。
フルーティーで適度な甘みがあり、とても飲みやすいカクテルだ。

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