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2018年10月06日 (土) | 編集 |
恋とセックスと美味いご飯。
小泉今日子演じる文筆家・餅月敦子(トン子)が営むレトロな古書店を中心に、直接的あるいは間接的に関わりを持つことになる、小学生から五十路までの10人の女たちの日常を描く群像劇。
筒井ともみの同名小説を本人が作品企画兼任で脚色し、「手紙」の生野慈朗が監督を務める。
登場人物は、トン子の親友で店の従業員の若い男を“食べちゃう”、肉食系小料理屋店主の鴨舌美冬(鈴木京香)、惰性で付き合っているイマカレとの関係に悩む白子多実子(前田敦子)、ユースケ・サンタマリア演じる出張料理人と、恋人でもなく友人でもない不思議な関係になる小麦田圭子(沢尻エリカ)。
料理下手過ぎて結婚が破綻してしまい、トン子の元へと転がり込む豆乃・リサ・マチルダはシャーロット・ケイト・フォックスが好演。
本津あかり(広瀬アリス)は付き合った男に、必ずお手軽なひき肉料理を食べさせ、別れた夫の子を産もうとしている茄子田珠美(山田優)のバーに入り浸る。
そして、ひょんなことからトン子の“友だち”となるのが、近所に住む小学生の桃井由香羅(宇田琴音)と米坂ミドリ(鈴木優菜)で、ミドリの母が別れた夫への未練を断ち切れない米坂ツヤコ(壇蜜)。
食材の名を持つ10人(本津あかりだけ違うのは何でだろう?)それぞれに独自の考えがあり、行動にも説得力もあるので、キャラクターとして全員が面白い。
小学生の二人は別として、8人の大人の女たちの食=生=性=愛の連環は、同じ女でも全く違った情景となって描かれている。
豊富な人生経験に裏打ちされた、作家の多角的な人間観察眼が際立つユニークな作品だ。
何しろ10人分のエピソードが描かれているので、明確な三幕構造は持たない、というか持たせられない。
作者の分身であるトン子が映画のホストになって、それぞれのキャラクターの人生の1シーンを垣間見るようなテイストだ。
唯一シャーロット・ケイト・フォックスのエピソードは、「原因・葛藤・結果」がハッキリとした分かりやすい作りになっている。
料理が出来ないコンプレックスを抱えた彼女が、映画のホストにして狂言回しのトン子の所に下宿しながら美冬の店で働いて成長し、自立するまでの物語は「美味しんぼ」あたりにありそうな話で、残りのエピソードをつなぎとめる軸として機能する仕組み。
群像劇でこのまとまりの良さは、やっぱりベテランの作り手の円熟した味わい。
女たちを描く作品なので、彼女たちの糧となっちゃう男たちは完全にサブなのだけど、こちらもそれぞれが役割を持ってしっかり造形されているのはさすが。
彼らのキャラクターがステロタイプ気味なのは、おそらくは狙いなのだろう。
ユースケの変な言葉責めとか、地味に気持ち悪くて可笑しい。
緩い共感と共に、ゆったりと彼女たちの人間模様を楽しむ作品で、観ているうちにやっぱり腹が減る。
男たちを食べて、命を生み育てる女たちが、最後にそろって卵かけご飯を食べるのは象徴的。
人生に何が起こったとしても、美味いご飯は絶対の正義なのだ。
今回は、東京の地酒「屋守 純米 荒走り」をチョイス。 「金婚」で知られる東村山市久米川町の豊島屋酒造の四代目が、「東京の旨い酒を全国に発信したい」と15年ほど前に立ち上げた銘柄。
「荒走り」は、日本酒の最初の搾り部分を瓶詰めしたもの。
軽快だが、いわゆる端麗辛口系とは異なり、米の香りと仄かな甘味、豊潤な旨味が特徴。
鈴木京香のお店で、秋の味覚と共に楽しみたい一本だ。
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小泉今日子演じる文筆家・餅月敦子(トン子)が営むレトロな古書店を中心に、直接的あるいは間接的に関わりを持つことになる、小学生から五十路までの10人の女たちの日常を描く群像劇。
筒井ともみの同名小説を本人が作品企画兼任で脚色し、「手紙」の生野慈朗が監督を務める。
登場人物は、トン子の親友で店の従業員の若い男を“食べちゃう”、肉食系小料理屋店主の鴨舌美冬(鈴木京香)、惰性で付き合っているイマカレとの関係に悩む白子多実子(前田敦子)、ユースケ・サンタマリア演じる出張料理人と、恋人でもなく友人でもない不思議な関係になる小麦田圭子(沢尻エリカ)。
料理下手過ぎて結婚が破綻してしまい、トン子の元へと転がり込む豆乃・リサ・マチルダはシャーロット・ケイト・フォックスが好演。
本津あかり(広瀬アリス)は付き合った男に、必ずお手軽なひき肉料理を食べさせ、別れた夫の子を産もうとしている茄子田珠美(山田優)のバーに入り浸る。
そして、ひょんなことからトン子の“友だち”となるのが、近所に住む小学生の桃井由香羅(宇田琴音)と米坂ミドリ(鈴木優菜)で、ミドリの母が別れた夫への未練を断ち切れない米坂ツヤコ(壇蜜)。
食材の名を持つ10人(本津あかりだけ違うのは何でだろう?)それぞれに独自の考えがあり、行動にも説得力もあるので、キャラクターとして全員が面白い。
小学生の二人は別として、8人の大人の女たちの食=生=性=愛の連環は、同じ女でも全く違った情景となって描かれている。
豊富な人生経験に裏打ちされた、作家の多角的な人間観察眼が際立つユニークな作品だ。
何しろ10人分のエピソードが描かれているので、明確な三幕構造は持たない、というか持たせられない。
作者の分身であるトン子が映画のホストになって、それぞれのキャラクターの人生の1シーンを垣間見るようなテイストだ。
唯一シャーロット・ケイト・フォックスのエピソードは、「原因・葛藤・結果」がハッキリとした分かりやすい作りになっている。
料理が出来ないコンプレックスを抱えた彼女が、映画のホストにして狂言回しのトン子の所に下宿しながら美冬の店で働いて成長し、自立するまでの物語は「美味しんぼ」あたりにありそうな話で、残りのエピソードをつなぎとめる軸として機能する仕組み。
群像劇でこのまとまりの良さは、やっぱりベテランの作り手の円熟した味わい。
女たちを描く作品なので、彼女たちの糧となっちゃう男たちは完全にサブなのだけど、こちらもそれぞれが役割を持ってしっかり造形されているのはさすが。
彼らのキャラクターがステロタイプ気味なのは、おそらくは狙いなのだろう。
ユースケの変な言葉責めとか、地味に気持ち悪くて可笑しい。
緩い共感と共に、ゆったりと彼女たちの人間模様を楽しむ作品で、観ているうちにやっぱり腹が減る。
男たちを食べて、命を生み育てる女たちが、最後にそろって卵かけご飯を食べるのは象徴的。
人生に何が起こったとしても、美味いご飯は絶対の正義なのだ。
今回は、東京の地酒「屋守 純米 荒走り」をチョイス。 「金婚」で知られる東村山市久米川町の豊島屋酒造の四代目が、「東京の旨い酒を全国に発信したい」と15年ほど前に立ち上げた銘柄。
「荒走り」は、日本酒の最初の搾り部分を瓶詰めしたもの。
軽快だが、いわゆる端麗辛口系とは異なり、米の香りと仄かな甘味、豊潤な旨味が特徴。
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