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2019年03月17日 (日) | 編集 |
最強のクローザー登場。
2008年から始まった、マーベル・コミックのヒーローたちが勢ぞろいする壮大なプロジェクト、「マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)」の第21作目。
MCU作品としては初の女性ヒーローの単独主演作であるのと同時に、今までの全作品の前日譚であり、同時にアイアンマンからキャプテン・アメリカに至る初期のメンバーで結成された「アベンジャーズ」シリーズの一応の完結編「アベンジャーズ/エンドゲーム」の前哨戦ともなる、極めて重要な作品である。
舞台となるのは、MCUが始まる10年以上前の1990年代半ば。
懐かしのブロックバスターの屋根をぶち破り、空から降ってきた“ヴァース”と呼ばれる記憶を失った戦士による宇宙スケールの自分探しの旅は、若きニック・フューリーを巻き込んで、後のMCU作品への道筋をつけてゆく。
オスカー女優の貫禄たっぷり、ブリー・ラーソンがムッチャカッコいい。
本当の自分を見つけることは、信じていた世界が変わっていくこと。
彼女はその試練を受け入れ、MCU最初のスーパーヒーローとして覚醒してゆくのである。
※核心部分に触れています。
クリー帝国の特殊部隊“スターフォース”に所属するヴァース(ブリー・ラーソン)は、毎夜奇妙な夢を見る。
夢の中の彼女は、全く違った惑星で、違った人生を生きているのだ。
ある時ヴァースは、敵対するスクラル人からクリーのスパイを救出する作戦に参加するも罠に嵌り、捕虜として捉えられる。
スクラル人の指揮官タロス(ベン・メンデルスゾーン)は、彼女の夢から情報を引き出し、地球へと向かうが、逃亡したヴァースにより宇宙船は破壊されてしまう。
1995年のロサンゼルスへと落下したヴァースは、S.H.I.E.L.D.のエージェントのニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン)に出会い、夢で見ていたこの星が自分の故郷で、本当の名前はキャロル・ダンヴァースだと知る。
そして、彼女の記憶に秘められたあるテクノロジーの隠し場所を巡り、スクラルとクリー、二つの種族の戦争に地球が巻き込まれることになる・・・
まさかのネコ映画だった。
いやポスターにはさりげなくネコが描かれてたし、予告編にも出てきたけど、あんな重要な役割だったとは。
便利なキャラだし、もしかすると今後グースちゃんの再登場あるぞ(笑
何はともあれ、一ヶ月後に迫った「アベンジャーズ/エンドゲーム」への期待を盛り上げる前哨戦として、内容的にもテーマ的にも最良の作品になっていたのではないか。
まずは冒頭、故スタン・リーに対するリスペクトがほとばしる、マーベル・スタジオのロゴ・アニメーションが胸アツ過ぎて涙。
ギリギリで入場した人は、絶対ここで前横切るなよ!
記憶を失ったヴァースの夢の中で、フラッシュバックする記憶の断片から始まり、やがて全体像が見えてきて、夢の中の女性がキーとなるのはちょっと「アリータ:バトル・エンジェル」を思わせる。
この構造が「自分は何者か?」というヴァース改めキャロル・ダンヴァースのアイデンティティの追求につながり、彼女の能力が目覚めてゆくと共に、「はたしてヒーローとは何か」というテーマへと展開してゆく。
望むと望まざるとに関わらず、大きな力を持ってしまった者は、常に何が正しくて、何をすべきなのかと葛藤し、自分の信じる最良の道を選ばなければならない。
「正しいこと=正義」とは相対的なもので、答えはいくつもある。
誰かにとっての「正義」は他の誰かにとっては「悪」になり得るし、ある状況下において「正しいこと」が常にそうだとは限らない。
「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」で、アベンジャーズが二つに割れた様に、ヒーローたちは自分のしていることが本当に正しいのか、常に葛藤せざるを得ないのだ。
これこそ11年に渡るMCUの歴史の中で積み重ねてきた、一番大切なテーマ。
また正しくあろうとする限りにおいて、人種も性別も関係なく、誰でもヒーローになれるということも、MCUが少しずつ、しかし着実に発信してきた価値観だ。
MCUの系統ではないが、同じマーベルの「スパイダーマン:スパイダーバース」でも、6人のスパイダーマンによって体現されていた要素が、本作では前面に出る。
MCUの最初期にあたるフェイズ1、「アイアンマン」から「アベンジャーズ」までの6作品の主人公は全て白人男性だった。
女性はブラックウィドウ、黒人はニック・フューリーと「アイアンマン2」のウォーマシンが登場するが、基本は脇の存在。
「アイアンマン3」から始まるフェイズ2では、「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」でファルコンが、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」では個性的なヒーローチームが誕生。
そして2016年の「シビル・ウォー」で幕を開けたフェイズ3において、MCUの多様性は一気に大爆発する。
「マイティ・ソー バトルロイヤル」では最強のヴィランとしてケイト・ブランシェットが怪演するヘラと、ソーと共闘するタフな女戦士のヴァルキリーが登場。
ここまで、徐々にマイノリティのキャタクターを馴染ませてきた成果は、MCU作品として初のアカデミー作品賞候補となった「ブラックパンサー」に結実する。
アフロアメリカン闘争史を内包するこの作品で、アフリカ出身のヒーローは、女性たちとチームを組み、「正義」の持つ多面的な意味について苦悩する。
「ブラックパンサー」とライバルDCエクステンデッド・ユニバースの「ワンダーウーマン」の爆発的大ヒットは、もはやヒーロー映画において、「白人男性が世界を救う」と言った従来のステロタイプが意味を失ったことを示しており、フェイズ3最終作となる「エンドゲーム」の直前に、本作が組み込まれたのは必然と言える。
もちろん、映画だけでなく、本来男性だったキャプテン・マーベルをリブートと共に女性化するなど、コミックサイドでも着々と変化の布石を打ってきたことも大きいと思う。
テーマ的な部分はこのように、シリーズ集大成へ向けて非常に象徴的で分かりやすく、よく出来ているのだが、物語的に本作の一番の面白さは、前日譚ならではの後のMCUへの物語のリンクと、「エンドゲーム」へのヒントだ。
キャラクターや種族関係、アイテムまで、欠けていたピースがピタリとパズルにハマってゆくカタルシスは、シリーズを欠かさずに追ってきた忠実なファンへのご褒美。
MCU初の女性監督となったアンナ・ボーデンと相方ライアン・フレックのコンビは、もともとドラマ畑の人だけに、しっかりとキャラクターを掘り下げ、物語の展開と共にキャロルの感情の変化を紡いで説得力十分。
アクション演出にはやや不慣れな感が残るが、スペクタクルな見せ場の連続にはお腹いっぱい。
その能力を100%覚醒させ、キャプテン・マーベルとなったキャロル姐さんの強さたるや、コズミックキューブ由来の力で手からビームを出し、空どころか宇宙を飛び、ほとんどスーパーマン級で、さすがのサノスも苦戦しそうだ。
デジタル技術によって若返ったフューリーやコールソンも良いのだけど、ネコのグースとタロスの中の人ベン・メンデルスゾーンが一番美味しいところをさらってゆく。
しかしフューリーが隻眼になった理由がアレとは(笑
まあネコ好きにはありがちっちゃあありがちだけど、以前の作品でもっともらしいこと言ってなかったっけ?
ところで、本作にはロマンス要素は全くないのだが、最近のディズニー・プリンセス映画の「一見イケメンの優男は、実は中身クソ野郎の法則」が、こちらにも見られるのは興味深い。
あの痛快な一撃には爆笑したわ。
今回は空から降ってきた主人公の話なので、「スカイ・ダイビング」をチョイス。
ホワイト・ラム30ml、ブルー・キュラソー20ml、ライム・ジュース10mlをシェイクし、グラスに注ぐ。
1967年のカクテルコンペティションで1位になった作品で、大阪の渡辺義之氏の作。
その名の通り澄み切った青空を思わせる美しいカクテルで、甘味と酸味が絶妙にバランスする。
目と舌で楽しめる名作カクテルだ。
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2008年から始まった、マーベル・コミックのヒーローたちが勢ぞろいする壮大なプロジェクト、「マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)」の第21作目。
MCU作品としては初の女性ヒーローの単独主演作であるのと同時に、今までの全作品の前日譚であり、同時にアイアンマンからキャプテン・アメリカに至る初期のメンバーで結成された「アベンジャーズ」シリーズの一応の完結編「アベンジャーズ/エンドゲーム」の前哨戦ともなる、極めて重要な作品である。
舞台となるのは、MCUが始まる10年以上前の1990年代半ば。
懐かしのブロックバスターの屋根をぶち破り、空から降ってきた“ヴァース”と呼ばれる記憶を失った戦士による宇宙スケールの自分探しの旅は、若きニック・フューリーを巻き込んで、後のMCU作品への道筋をつけてゆく。
オスカー女優の貫禄たっぷり、ブリー・ラーソンがムッチャカッコいい。
本当の自分を見つけることは、信じていた世界が変わっていくこと。
彼女はその試練を受け入れ、MCU最初のスーパーヒーローとして覚醒してゆくのである。
※核心部分に触れています。
クリー帝国の特殊部隊“スターフォース”に所属するヴァース(ブリー・ラーソン)は、毎夜奇妙な夢を見る。
夢の中の彼女は、全く違った惑星で、違った人生を生きているのだ。
ある時ヴァースは、敵対するスクラル人からクリーのスパイを救出する作戦に参加するも罠に嵌り、捕虜として捉えられる。
スクラル人の指揮官タロス(ベン・メンデルスゾーン)は、彼女の夢から情報を引き出し、地球へと向かうが、逃亡したヴァースにより宇宙船は破壊されてしまう。
1995年のロサンゼルスへと落下したヴァースは、S.H.I.E.L.D.のエージェントのニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン)に出会い、夢で見ていたこの星が自分の故郷で、本当の名前はキャロル・ダンヴァースだと知る。
そして、彼女の記憶に秘められたあるテクノロジーの隠し場所を巡り、スクラルとクリー、二つの種族の戦争に地球が巻き込まれることになる・・・
まさかのネコ映画だった。
いやポスターにはさりげなくネコが描かれてたし、予告編にも出てきたけど、あんな重要な役割だったとは。
便利なキャラだし、もしかすると今後グースちゃんの再登場あるぞ(笑
何はともあれ、一ヶ月後に迫った「アベンジャーズ/エンドゲーム」への期待を盛り上げる前哨戦として、内容的にもテーマ的にも最良の作品になっていたのではないか。
まずは冒頭、故スタン・リーに対するリスペクトがほとばしる、マーベル・スタジオのロゴ・アニメーションが胸アツ過ぎて涙。
ギリギリで入場した人は、絶対ここで前横切るなよ!
記憶を失ったヴァースの夢の中で、フラッシュバックする記憶の断片から始まり、やがて全体像が見えてきて、夢の中の女性がキーとなるのはちょっと「アリータ:バトル・エンジェル」を思わせる。
この構造が「自分は何者か?」というヴァース改めキャロル・ダンヴァースのアイデンティティの追求につながり、彼女の能力が目覚めてゆくと共に、「はたしてヒーローとは何か」というテーマへと展開してゆく。
望むと望まざるとに関わらず、大きな力を持ってしまった者は、常に何が正しくて、何をすべきなのかと葛藤し、自分の信じる最良の道を選ばなければならない。
「正しいこと=正義」とは相対的なもので、答えはいくつもある。
誰かにとっての「正義」は他の誰かにとっては「悪」になり得るし、ある状況下において「正しいこと」が常にそうだとは限らない。
「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」で、アベンジャーズが二つに割れた様に、ヒーローたちは自分のしていることが本当に正しいのか、常に葛藤せざるを得ないのだ。
これこそ11年に渡るMCUの歴史の中で積み重ねてきた、一番大切なテーマ。
また正しくあろうとする限りにおいて、人種も性別も関係なく、誰でもヒーローになれるということも、MCUが少しずつ、しかし着実に発信してきた価値観だ。
MCUの系統ではないが、同じマーベルの「スパイダーマン:スパイダーバース」でも、6人のスパイダーマンによって体現されていた要素が、本作では前面に出る。
MCUの最初期にあたるフェイズ1、「アイアンマン」から「アベンジャーズ」までの6作品の主人公は全て白人男性だった。
女性はブラックウィドウ、黒人はニック・フューリーと「アイアンマン2」のウォーマシンが登場するが、基本は脇の存在。
「アイアンマン3」から始まるフェイズ2では、「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」でファルコンが、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」では個性的なヒーローチームが誕生。
そして2016年の「シビル・ウォー」で幕を開けたフェイズ3において、MCUの多様性は一気に大爆発する。
「マイティ・ソー バトルロイヤル」では最強のヴィランとしてケイト・ブランシェットが怪演するヘラと、ソーと共闘するタフな女戦士のヴァルキリーが登場。
ここまで、徐々にマイノリティのキャタクターを馴染ませてきた成果は、MCU作品として初のアカデミー作品賞候補となった「ブラックパンサー」に結実する。
アフロアメリカン闘争史を内包するこの作品で、アフリカ出身のヒーローは、女性たちとチームを組み、「正義」の持つ多面的な意味について苦悩する。
「ブラックパンサー」とライバルDCエクステンデッド・ユニバースの「ワンダーウーマン」の爆発的大ヒットは、もはやヒーロー映画において、「白人男性が世界を救う」と言った従来のステロタイプが意味を失ったことを示しており、フェイズ3最終作となる「エンドゲーム」の直前に、本作が組み込まれたのは必然と言える。
もちろん、映画だけでなく、本来男性だったキャプテン・マーベルをリブートと共に女性化するなど、コミックサイドでも着々と変化の布石を打ってきたことも大きいと思う。
テーマ的な部分はこのように、シリーズ集大成へ向けて非常に象徴的で分かりやすく、よく出来ているのだが、物語的に本作の一番の面白さは、前日譚ならではの後のMCUへの物語のリンクと、「エンドゲーム」へのヒントだ。
キャラクターや種族関係、アイテムまで、欠けていたピースがピタリとパズルにハマってゆくカタルシスは、シリーズを欠かさずに追ってきた忠実なファンへのご褒美。
MCU初の女性監督となったアンナ・ボーデンと相方ライアン・フレックのコンビは、もともとドラマ畑の人だけに、しっかりとキャラクターを掘り下げ、物語の展開と共にキャロルの感情の変化を紡いで説得力十分。
アクション演出にはやや不慣れな感が残るが、スペクタクルな見せ場の連続にはお腹いっぱい。
その能力を100%覚醒させ、キャプテン・マーベルとなったキャロル姐さんの強さたるや、コズミックキューブ由来の力で手からビームを出し、空どころか宇宙を飛び、ほとんどスーパーマン級で、さすがのサノスも苦戦しそうだ。
デジタル技術によって若返ったフューリーやコールソンも良いのだけど、ネコのグースとタロスの中の人ベン・メンデルスゾーンが一番美味しいところをさらってゆく。
しかしフューリーが隻眼になった理由がアレとは(笑
まあネコ好きにはありがちっちゃあありがちだけど、以前の作品でもっともらしいこと言ってなかったっけ?
ところで、本作にはロマンス要素は全くないのだが、最近のディズニー・プリンセス映画の「一見イケメンの優男は、実は中身クソ野郎の法則」が、こちらにも見られるのは興味深い。
あの痛快な一撃には爆笑したわ。
今回は空から降ってきた主人公の話なので、「スカイ・ダイビング」をチョイス。
ホワイト・ラム30ml、ブルー・キュラソー20ml、ライム・ジュース10mlをシェイクし、グラスに注ぐ。
1967年のカクテルコンペティションで1位になった作品で、大阪の渡辺義之氏の作。
その名の通り澄み切った青空を思わせる美しいカクテルで、甘味と酸味が絶妙にバランスする。
目と舌で楽しめる名作カクテルだ。

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