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バンブルビー・・・・・評価額1650円
2019年03月25日 (月) | 編集 |
宇宙から来た、秘密の友だち。

記憶を失ったトランスフォーマーと、最愛の父を亡くした孤独な少女の、出会いと別れの物語。
マイケル・ベイ監督により、2007年からの10年間で5作が作られた「トランスフォーマー」シリーズ最新作。
しかし本作は続き物ではなく、金属生命体オートボッツとディセプティコンの戦争に地球が巻き込まれる以前、1980年代を舞台とした前日譚だ。
最初に地球にやって来るのは、オートボッツ軍団の三枚目、バンブルビーだが、ディセプティコンとの戦いで声と記憶を失ってしまう。
ひょんなことから彼と巡り合い、種族を超えた“友だち”となってゆく少女チャーリーに、若き演技派ヘイリー・スタインフェルド。
メガホンを受け継いだのは、世界最高峰のストップモーション・アニメーション・スタジオ、ライカのアニメーター兼CEOであり、「KUBO/クボ 二本の弦の秘密」の監督として知られるトラヴィス・ナイトで、本作が実写デビュー作となった。
いい意味でシンプルな優しい物語なので、間口が低くて広く年少の観客や一見さんでも十分楽しめる。

1987年の夏、サンフランシスコ近郊のブライトン・フォールズ。
高校生のチャーリー(ヘイリー・スタインフェルド)は、最愛の父を亡くし、形見であるC1型シボレー・コルベットのレストアを自分で完成させようと悪戦苦闘中。
ある日、整備工場でパーツを探していた彼女は、放置されたボロボロの黄色のビートルを見つけ、当面の足にしようとするのだが、ガレージの中でビートルは突然ロボットの姿にトランスフォーム。
驚くチャーリーの前で怯えた仕草をするロボットは、自分の記憶をすっかり無くしていた。
呻り声が蜂の羽音に似ていたことから、ロボットに「バンブルビー(マルハナバチ)」と名をつけたチャーリーは、彼を周囲から匿うことにする。
だが、バンブルビーの発した僅かな信号を、敵対するディセプティコンが感知。
彼らはオートボッツの司令官オプティマスプライムの居場所を探すために、部下のバンブルビーを追っていたのだ。
何も知らないチャーリーとバンブルビーに危機が迫っていた・・・


一連のマイケル・ベイ作品は、最初の三部作はまずまず楽しめたものの、その後の二本はぶっちゃけ出涸らしみたいな話で、マンネリ化が激しかった。
最後の「トランスフォーマー/最後の騎士王」ではアーサー王伝説まで引っ張り出して来たが、話が無駄に複雑化しただけで、やっていることは変わらず。
観てから2年しか経っていないのに、もう殆ど内容を覚えていない。
賞味期限切れのシリーズを、大胆にリニューアルしたのが本作なのだが、ここまでテイストを変えてくるとは思わなかった。
世界観とキャラクターは受け継いでいるが、これはもう全くの別物と言っていい。

日本発のロボット玩具に、アメリカのハズブロ社が新たに設定を加え「トランスフォーマー」として売り出したのが1984年。
同年にはマーベルからコミック化、TVアニメーション版も作られ、86年にはその劇場版も作られた。
本作の舞台となる1987年は、現在に続く大ヒット玩具となった「トランスフォーマー」の第一次ブームの時代であり、原点なのである。

そして1973年生まれのトラヴィス・ナイト監督にとって、1987年はまさに感受性MAXの「厨二」の時だ。
この時代の映画といえば、本作のエグゼクティブ・プロデューサーにも名を連ねる、スティーブン・スピルバーグの全盛期。
サバーブに暮らす心に傷を負った少年少女たちが、異世界からやって来た“友だち”との冒険によって成長するのは、もろに由緒正しいスピルバーグ映画のスタイル
エンドクレジットでチャーリーとバンブルビーの指先が触れ合うのは「E.T.」オマージュだし、「未知との遭遇」「グーニーズ」「グレムリン」など、数多の作品のイメージが頭を過る。
また、ちょっと甘酸っぱい青春映画の側面も持つ本作は、この時代に大人気だったブラット ・パック映画の名手、ジョン・ヒューズの「ブレックファスト・クラブ」へのリスペクトも熱い。
そう言えばこの映画は「パワー・レンジャー」や「スパイダーマン:ホーム・カミング」でもオマージュを捧げられていたが、スクールカーストでジョッグとクイーン・ビーの対極にいると思われるナードなSF系監督たちには、特に思い入れの強い作品なのかも。
チャーリーの相方で「僕はナードじゃない。ナードじゃない」と自分で言い聞かせるメモは、作り手の自己投影キャラクターだろう。

バンブルビーと言えば、声を持たず、ラジオの音声で意思を伝えるキャラクターだが、今回はなぜそうなったのかの秘密も明かされ、ラジオとカセットから流れる80’sの名曲も聞きどころ。
チャーリーはモータヘッドのTシャツを着てるロック少女だし、ザ・スミスの「Bigmouth Strikes Again」から始まって、ティアーズ・フォー・フィアーズの「Everybody Wants To Rule The World 」や「ブレックファスト・クラブ」の主題歌でもあるシンプル・マイズの「Don't You (Forget About Me)」などのヒット曲の数々が時代色たっぷりに映画を彩る。
当時のアニメーション映画版の挿入歌、「The Touch」をうまい所で使う遊び心も楽しい。
バンブルビーが、チャーリー推薦の楽曲のカセットを、気に入らないとばかりに吹っ飛ばすのには大笑いした。
これはナイトの思い出の詰まったオモチャ箱、愛すべき作家映画であり、あの頃のノスタルジー満載なんだから、おじさん嬉しくなっちゃうよ。

ちなみに劇中でチャーリーがバイトしている遊園地は、サンフランシスコから1時間半ほど南にあるサンタ・クルーズ・ビーチ・ボードウォーク
ここは今でも当時と変わらないレトロなムードを保っているので、ベイエリアに旅行した際はちょっと足を延ばすのに良いスポットだ。

本作でナイトが見せた非凡さは、やはり本職がアニメーターならではの非人間キャラクターの巧みな表現
例によってバンブルビーは声を出せず、チャーリーにラジオを修理してもらうまで、いつものザッピングによる表現もできない。
しかし、クルクルと変わる表情変化や、まるで人間の子供や犬を思わせる繊細な演技によって、感情の機微が伝わってきて非常に愛らしい。
ちょっとデカすぎるけど、車にもなって便利だし、ペットに欲しくなる。
マイケル・ベイ版の「トランスフォーマー」が目指したのが“クールでカッコイイ”だったのに対し、こちらは“可愛くてカッコイイ”になっていて、その分より感情移入を誘う。
主人公が少女であることでも分かるように、基本“男の子のもの”であったキャラクターの訴求力を高め、間口をグッと広げようとしているのは明らかだ。
チャーリーとバンブルビー、両者の友情と成長に的を絞ったプロットも、このシリーズにおいては新しい試みとして成功していると思う。
両者の関係は「E.T.」的でもあり、人間と機械(兵器)の関係性にはブラッド・バード監督の「アイアン・ジャイアント」を思わせる部分もある。
もちろん「トランスフォーマー」のシリーズでもあるので、対ディセプティコンとの激しい戦闘が見せ場になるのは変わらないが、アクション演出もベイほどにはワチャワチャしてない、オーソドックスなスタイルなので、何がどうなってるのかちゃんと見えるのも動体視力が衰えた身にはホッとする。

一方で、チャーリー以外の脇のキャラクター造形が揃ってステロタイプだったり、物語を展開させる役割の軍人や科学者の感情変化の理由が単純過ぎるのもある意味アニメーション的で、実写作品だとご都合主義になりがちな部分。
しかし本作の場合は、その辺りの緩い部分も味わいとばかりに、80年代調のテイストに吸収されているので、作品世界に違和感はほとんど無い。
これは、回を重ねる毎にスケールが巨大化、プロットが複雑化したことで、感情移入を妨げていたベイ版の虚飾を取り払い、あえてダウンサイジングした、少女とロボットによるノスタルジックでエモーショナルなSFアドベンチャー。
等身大のドラマは、過去の「トランスフォーマー」シリーズにはいい加減食傷気味の人や、ライカのアニメーション映画のファンに強くおススメできる秀作に仕上がっている。
本作は単体できちんと完結しているが、2007年に始まったベイ版の一作目の間には20年の間があるから、「X-MEN」方式でここからまた過去を舞台としたシリーズが始まるんだろうか。

今回は、バンブルビーが犬のように可愛いので、ラベルに犬が入った「ラグニタス IPA」をチョイス。
サンフランシスコ近郊で、カリフォルニアワインの産地として知られるソノマ地区でスタートし、近年急成長しているクラフトビール。
IPAの強いホップ感、喉ごし爽やかながらしっかりしたコクがある。
同社のラインナップ特有の、フルーティな香りが華やかだ。
ちなみラグニタスはラベルの通り愛犬家御用達の銘柄として知られ、醸造所にはたくさんの犬たちが飼われているそうな。

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