2019年06月10日 (月) | 編集 |
大好きだから、一緒が辛い。
解散を決めた人気女性ギターデュオ「ハルレオ」のハルとレオ、二人のローディー兼マネージャーでステージでは他の楽器を使ってサポートもするシマ。
3人の最後のツアーの日々を描く、青春音楽ロードムービーだ。
作詞作曲を手がけるハル役に門脇麦、奔放なレオ役に小松菜奈、二人に振り回されながらも、なとかハンドルしようとするシマには成田凌。
この映画の成功の半分は、このクッキリとキャラ立ちするキャスティングの勝利と言って良い。
全国7つの都市を巡るライブシーン以外は、ほとんどこの3人の仲良くいがみ合う掛け合いと、ランダムに挟まれる、今に至るハルレオの過去のエピソード。
音楽経験の無かったレオを、職場で知り合ったハルが誘い、やがてインディーズの人気デュオに。
忙しくなってきたので、ローディーを募集したら、なんでも出来ちゃうシマが現れてマネージャーに。
成田凌がいつダークサイドに豹変するのかとドキドキしたけど、基本今回はいい人。
彼自身も元ミュージシャンで、バンドがダメになって解散してしまった過去があり、ハルレオの二人には自分と同じ轍は踏んで欲しくないと思っている。
この3人、いろんな意味でお互いに好き過ぎて、相手のことを考え過ぎて、気を遣い過ぎて、逆にだんだんと苦しくなっちゃってるんだな。
嫌い合っているのではない。
大好きだからこそ、一緒にいるのが辛い。
全国を回る車の旅路が、今まで辿ってきた3人の旅路を呼び起こし、それぞれが自分の内面と向き合い、本当の気持ちに気付いてゆく物語。
キャラクター造形が非常に繊細に作り込まれていて、奇妙な三角関係に説得力あり。
この手の男女3人組の話は、色恋沙汰が葛藤の発端になっているパターンが多いが、本作の場合ちょっと捻ってある。
シマはハルのことが好き。
だけどハルはレズビアンであることが示唆される。
レオはあちこちフラフラしているのだが、基本シマのことが好き。
バンド内恋愛禁止を不文律にしていることもあって、このすれ違う恋心がなんとも言えないモヤモヤを作り出し、3人の葛藤をより深めている。
ラブストーリーではないのだけど、ここには明らかに、人を愛することで生まれる苦しさが描かれているのだ。
表題曲「さよならくちびる」を秦基博、「誰にだって訳がある」「たちまち嵐」をあいみょんが手がけ、さすがのクオリティ。
ライブシーンは十分に聞かせ、音楽映画としても見応えあり。
シマじゃないけど、最後の函館の解散ライブは「とても感動的」だったよ(笑
基本的にはハルレオ+シマが出ずっぱりなのだが、函館で待っているファンの女の子カップルとか、メインプロット以外のディテールの描写も丁寧。
「さよならくちびる」の歌詞を聴くと、彼女たちがなぜあれほど感動していたのかが分かる。
物語性と音楽性とがピタリと合い、塩田明彦作品では「月光の囁き」以来、一番好きな作品になった。
今回はハルレオの3人のような三つの材料で作る「テキーラ・サンライズ」をチョイス。
氷を入れたグラスに、テキーラ45ml、オレンジ・ジュース90mlを注ぎ、軽くステア。
グラスの底に沈むよう、グレナデン・シロップ2tspを静かに注ぎ入れる。
名前の通り、燃えるようなオレンジのカラーが鮮烈で、テキーラの独特な風味が、オレンジの酸味と甘味、グレナデンの甘味と混じり合い、絶妙なハーモニーを奏でる。
ミック・ジャガーの愛飲酒としても有名で、イーグルスの同盟楽曲もあるという、音楽にはゆかりの深い一杯だ。
そう言えばロバート・タウン監督、メル・ギブソン監督の同名映画もあったな。
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解散を決めた人気女性ギターデュオ「ハルレオ」のハルとレオ、二人のローディー兼マネージャーでステージでは他の楽器を使ってサポートもするシマ。
3人の最後のツアーの日々を描く、青春音楽ロードムービーだ。
作詞作曲を手がけるハル役に門脇麦、奔放なレオ役に小松菜奈、二人に振り回されながらも、なとかハンドルしようとするシマには成田凌。
この映画の成功の半分は、このクッキリとキャラ立ちするキャスティングの勝利と言って良い。
全国7つの都市を巡るライブシーン以外は、ほとんどこの3人の仲良くいがみ合う掛け合いと、ランダムに挟まれる、今に至るハルレオの過去のエピソード。
音楽経験の無かったレオを、職場で知り合ったハルが誘い、やがてインディーズの人気デュオに。
忙しくなってきたので、ローディーを募集したら、なんでも出来ちゃうシマが現れてマネージャーに。
成田凌がいつダークサイドに豹変するのかとドキドキしたけど、基本今回はいい人。
彼自身も元ミュージシャンで、バンドがダメになって解散してしまった過去があり、ハルレオの二人には自分と同じ轍は踏んで欲しくないと思っている。
この3人、いろんな意味でお互いに好き過ぎて、相手のことを考え過ぎて、気を遣い過ぎて、逆にだんだんと苦しくなっちゃってるんだな。
嫌い合っているのではない。
大好きだからこそ、一緒にいるのが辛い。
全国を回る車の旅路が、今まで辿ってきた3人の旅路を呼び起こし、それぞれが自分の内面と向き合い、本当の気持ちに気付いてゆく物語。
キャラクター造形が非常に繊細に作り込まれていて、奇妙な三角関係に説得力あり。
この手の男女3人組の話は、色恋沙汰が葛藤の発端になっているパターンが多いが、本作の場合ちょっと捻ってある。
シマはハルのことが好き。
だけどハルはレズビアンであることが示唆される。
レオはあちこちフラフラしているのだが、基本シマのことが好き。
バンド内恋愛禁止を不文律にしていることもあって、このすれ違う恋心がなんとも言えないモヤモヤを作り出し、3人の葛藤をより深めている。
ラブストーリーではないのだけど、ここには明らかに、人を愛することで生まれる苦しさが描かれているのだ。
表題曲「さよならくちびる」を秦基博、「誰にだって訳がある」「たちまち嵐」をあいみょんが手がけ、さすがのクオリティ。
ライブシーンは十分に聞かせ、音楽映画としても見応えあり。
シマじゃないけど、最後の函館の解散ライブは「とても感動的」だったよ(笑
基本的にはハルレオ+シマが出ずっぱりなのだが、函館で待っているファンの女の子カップルとか、メインプロット以外のディテールの描写も丁寧。
「さよならくちびる」の歌詞を聴くと、彼女たちがなぜあれほど感動していたのかが分かる。
物語性と音楽性とがピタリと合い、塩田明彦作品では「月光の囁き」以来、一番好きな作品になった。
今回はハルレオの3人のような三つの材料で作る「テキーラ・サンライズ」をチョイス。
氷を入れたグラスに、テキーラ45ml、オレンジ・ジュース90mlを注ぎ、軽くステア。
グラスの底に沈むよう、グレナデン・シロップ2tspを静かに注ぎ入れる。
名前の通り、燃えるようなオレンジのカラーが鮮烈で、テキーラの独特な風味が、オレンジの酸味と甘味、グレナデンの甘味と混じり合い、絶妙なハーモニーを奏でる。
ミック・ジャガーの愛飲酒としても有名で、イーグルスの同盟楽曲もあるという、音楽にはゆかりの深い一杯だ。
そう言えばロバート・タウン監督、メル・ギブソン監督の同名映画もあったな。

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