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スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム・・・・・評価額1750円
2019年06月29日 (土) | 編集 |
青春だよ、スパイディ!第二章。

「アベンジャーズ/エンドゲーム」で、指パッチンからの生還を果たしたピーター・パーカーの次なる冒険。
宇宙と世界を救う壮大な叙事詩だった「エンドゲーム」とは異なり、“親愛なる隣人”の物語はグッと小さく、パーソナルに。
MJへの恋心を募らせ、夏休みのヨーロッパ旅行で告白を目論むピーターと、何とかして彼に弱体化したアベンジャーズの中心メンバー、ヒーローとしての自覚を持たせようとするニック・フューリーのせめぎ合い。
そこへ多次元宇宙の別の地球から来たという、ジェイク・ギレンホール演じるミステリオと、謎の怪物エレメンタルズの脅威が絡み合う。
脚本のクリス・マッケナ、エリック・ソマーズ、監督のジョン・ワッツは前作「スパイダーマン:ホーム・カミング」からの続投。
軽妙な青春アクションコメディは、ゲップが出そうな重厚さだった「エンドゲーム」から、未知なるMCUフェイズ4への橋渡し役として、素晴らしい仕上がりだ。
※核心部分に触れています。

アベンジャーズの活躍によって、5年前に消えた人々が蘇り、世界は再び動き出した。
ピーター・パーカー(トム・ホランド)も、スパイダーマンとしての活動を再開するが、世間の「トニー・スタークの後継者」という期待にはプレッシャーを感じている。
ニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン)からの電話をシカトしたピーターは、MJ(ゼンデイヤ)やネッド(ジェイコブ・バタロン)と共に、学校のサイエンスツアーで2週間のヨーロッパ旅行へと出かける。
この旅行中にMJに告白することを決意したピーターだったが、ベネチアで巨大な水の怪物に襲われ、人々から「ミステリオ」と呼ばれる謎のヒーローに救われる。
その男、クエンティン・ベック(ジェイク・ギレンホール)は、多次元宇宙(マルチバース)から来た存在で、彼らの「アース833」を滅ぼしたエレメンタルズと呼ばれる怪物たちを追って、ピーターたちの住む「アース616」にやって来たと告げる。
戸惑うピーターに、フューリーはスタークの遺品として「E.D.I.T.H.」という、スタークの全ての遺産にアクセスできる人工知能端末の眼鏡を手渡し、彼の後継者として覚悟を決めろと迫る。
しかし、どうしてもMJに告白したいピーターは、ミステリオとの共闘の申し出を断り、旅行に戻るのだが・・・


端的に言って最高。
新キャラクターのミステリオの扱いがキモだが、やっぱりジェイク・ギレンホールがただのヒーローを演じる訳もなく、設定は割とコミック版に忠実。
つまり物語的には、予測できていたものが全てで、意外な要素は殆ど無い。
にもかかわらず、この未見性の高さはどうだ!
本作は「エンドゲーム」の直後で、いわば世界が“アベンジャーズ ・ロス”に陥っているのがポイントだ。
トニー・スタークとナターシャ・ロマノフは、サノスとの戦いの犠牲となり、スティーブ・ロジャースは本来の自分の居場所だった過去へ、リボウスキ化したソーは、ガーディアンズと共に宇宙へと去った。
映画の世界が抱いている喪失感は、そのまま12年間MCUを追い続けて、「エンドゲーム」を観終わったファンの感覚と同じなのだ。
中でも一番ロスしてるのが、トニーの愛弟子のピーターで、ファンからするとこれほど感情移入しやすいキャラクターもいないだろう。

正体を知らない世間からは、“次代のトニー・スターク”として期待されてるけど、16歳の高校生にはまだ荷が重すぎるし、ぶっちゃけ世界を救うよりMJにコクる方が重要なお年頃。
等身大のティーンの普遍的な葛藤は、とても分かりやすい。
青春コメディとしても小ネタの連続でクスクスが止まらず、ディテールの設定と描写で意外性を巧みに導き出す。
まさかハッピーをメイおばさんとの絡みで生かすとか、想像もしなかったよ。
そういえば「エンドゲーム」の時に、「指パッチンで消えた人々が、5年前のままの姿で突然現れるのは、それはそれで大混乱を招きそう」と書いたが、ディズニー/マーベルの中の人たちも同じことを思っていたのが分かった(笑

そして何より「フェイクニュース」の時代に、フェイクを作り出すミステリオを引っ張り出してきた時局センスに脱帽だ。
コミックのミステリオは、スパイダーマンに嫉妬して、彼を陥れて自分がヒーローになろうとするセコイ映画のVFXマンだったが、本作ではトニー・スタークに冷遇され、恨みを募らせた元スターク・インダストリーの社員設定。
トニーはあの性格だから、敵も作りやすい。
仕事にダメ出しされて恨みを抱いた社員たちがグループを作り、それぞれの特技を持ち寄って怪物騒動をでっち上げ、アベンジャーズのいない世界で、アイアンマンに替わるパチモンのヒーローになることで、トニーに復讐しようとする。
善玉も悪玉も、既に亡き人であるトニーに心を支配されているのが面白いが、VFXどころか超テクノロジーを駆使して、ウルトラリアルなフェイクを作り出すミステリオとそのチームに、ピーターはもちろん、フューリーですらもすっかり騙されてしまう。
何かを切実に求めている時、人は一番騙されやすくなるという寓話としても秀逸だ。

ミステリオの作り出す、変幻自在のフェイクの世界を生かした、アクションシークエンスも見応えたっぷり。
水の都ベニスでは、水のエレメントの怪物ハイドロンを登場させ、中世錬金術の聖地だったプラハでは、最強の火のエレメントのヘルファイアが出て来たり、しっかりと地域特性を出して、観光映画としても成立させている遊び心がいい。
特筆すべきは、ジョン・ワッツのアクション演出が、格段に上手くなっていること。
前作では、カットを短く割り過ぎて、何が起こっているのかが分かり難い部分が多々あったが、今回は緩急のつけ方も巧みで、全てがちゃんと見える。
ダイナミックなスパイダースウィングも復活し、観客がアメコミ活劇に期待するビジュアルを、しっかりと見せてくれるのだ。

確かに、「アベンジャーズ」系の重厚長大な作品と比べると、グッと砕けてライトな本作は、人によっては物足りなさを感じるかもしれない。
しかし、これはあくまでも発展途上の若者、ピーター・パーカーの青春ストーリーであり、彼はサム・ライミ版やマーク・ウェブ版のピーターと比べても、ずっと幼いのだ。
MCU作品としては珍しく、本作には他のヒーローが全く登場しないのも、これが成長を描く物語ゆえだろう。
一度はトニーの後継者に相応しいと確信したミステリオに裏切られ、もはやスーパーパワーを持つのは自分だけの状況に追い込まれたピーターは、大切な人たちを守るため、たった一人で考え、決断しなければならない。
そしてそれは、来たるMCUフェイズ4に向けて、真のヒーローとしてのスパイダーマンの覚醒の物語となる。
彼の後見人の役割となるハッピーを演じるのが、12年前のMCU第1作「アイアンマン」の監督だったジョン・ファヴローなのも感慨深い。
あるのか?まさかの「ハッピーおじさん」的展開は?(笑

例によってエンドクレジット中と終わりに二つオマケがあるが、最後の最後まで「フェイクであること」を前面に出して来たのも面白い。
エンドクレジット後の、“あのキャラクター”の再登場も期待を煽るが、それ以上に興味を惹かれたのが、クレジット中のミステリオがフェイクニュースでスパイダーマンに濡れ衣を着せるシーンだ。
ここで、デイリー・ビューグルのJ・ジョナ・ジェイムソン役で、サム・ライミ版三部作で同役を演じたJ・K・シモンズがカメオ出演しているじゃないか!
ミステリオの言うマルチバースはフェイクだった訳だが、アニメーション版の「スパイダーマン:スパイダーバース」でマルチバースが描かれている以上、実写版でも可能性はアリだろう。
12年ぶりのシモンズの再登場は、噂されるトム・ホランド、トビー・マグワイア、アンドリュー・ガーフィールドが揃い踏みする、実写版「スパイダーバース」への布石なのだろうか。
フェイズ4からの、新生MCUが待ちきれない!

今回はスパイダーマンがミステリオに一刺しされちゃう話なので、「痛撃」あるいは「皮肉屋」の意味を持つカクテル「スティンガー」をチョイス。
ブランデー45ml、ペパーミント・ホワイト15mlをシェイクしてグラスに注ぐ。
ブランデーの銘柄次第で味が大きく変わるが、濃厚なブランデーとスッキリとしたペパーミント・ホワイトのコンビネーションは刺激的。
ベースをブランデーからウォッカに変えると、前作に合わせた「ホワイト・スパイダー」となり、アブサンを2dash加えることで「スティンガー・ロイヤル」へと変化する。

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