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2019年07月14日 (日) | 編集 |
私は誰だ?なぜ生まれてきたのか?
記念すべきポケモン映画第一作「ミュウツーの逆襲」の21年ぶりのリメイク。
表現手法は手描きから3DCGに変わったが、監督、脚本はオリジナルと同じ湯山邦彦と首藤剛志だから、内容は非常に忠実。
というか、台詞からカメラワークに至るまでほとんど同じだ。
「名探偵ピカチュウ」のモフモフバージョンも良かったけど、こちらのCG化されたポケモン世界は、ゲームで見慣れたビジュアルに近く、全く違和感無し。
オトナ世代には懐かしく、ファーストジェネレーションのポケモンを知らない、今の子供世代には新鮮だろう。
幻のポケモン、ミューの遺伝子から作られた最強の人工ポケモン、ミュウツーのアイデンティティの葛藤は今見ても普遍的。
この部分は変える必要はないし、基本オリジナルの作者による新世代の観客に向けたセルフカバーなので、本作の作りで良いと思う。
とは言え、全くのカーボンコピーという訳ではない。
オリジナルの「ミュウツーの逆襲」には、75分の最初の「劇場公開版」と、日本ではTV放送された85分の「完全版」が存在する。
日本映画初の全米No.1の快挙を成し遂げた「Pokémon: The First Movie - Mewtwo Strikes Back」は完全版で、こちらではミュウツーの生みの親であるマッドサイエンティストのフジ博士が、なぜミューのコピーを作ろうとしたのか、その動機部分が語られている。
彼は事故で死んだ愛娘のアイから、意識のコピー「アイツー」を作り、ポケモンの遺伝子研究を通して、いつの日か肉体をも蘇られせようとしているのだ。
生まれたばかりのミュウツーは、テレパシーによってアイツーの意識体と出会い、彼女の“死”を目の当たりにすることで、コピーの悲しみを知る。
ところが、本作ではアイツーとのエピソードがばっさりカットされている。
完全版というからには、こちらがオフィシャルなオリジナルと思っていたので、これはちょっと驚いた。
確かにフジ博士の動機そのものは、完全版でも中途半端に放りっぱなしだったので、カットするのは理解できる。
しかしアイツーとの出会いと別れが、ミュウツーに自分がコピーであることを実感させ、「私は誰だ?なぜ生まれてきたのか?」とアイデンティティの葛藤を深めさせたのは確かだ。
アイツーの存在が無くなったことで、ミュウツーの動機は逆に弱くなってしまった。
「EVOLUTION」を名乗るのだから、なんとか博士の過去と絡めず、アイツーを生かす新しいアイディアがあっても良かったのではないだろうか。
冒頭部分以降、プロットは殆どオリジナルと変わらないが、アクションを中心に重要ポイントをじっくり描くことで、全体としてブラッシュアップを果たしている。
アイツーとのエピソードが無くなったのに、トータルの上映時間では98分と伸びているのも、見せ場の描写が大幅に増えているからだ。
物理的制約から解き放たれたCG化の恩恵もあり、リザードンの空中戦なんて迫力倍増。
オリジナルとコピーのポケモンたちがど付き合う、クライマックスの悲壮さも、CGキャラクターならではの実在感によって増幅している。
ここだけでも、意味のあるリメイクになっていたんじゃないだろうか。
しかし、オリジナルでも思ったが、本作で一番の名シーンは、ニャースが自分のコピーと出会うところだろう。
他のポケモンたちが戦っているのに、ニャースとニャースのコピーだけは、お互いの爪が痛そうだと、戦おうとはしない。
そして嵐に隠れて見えない月を想って、「今夜の月は丸いだろうニャー」と風流に語り合うのだ。
一度生まれてしまえば、それはもうコピーもオリジナルもない。
ひとつの生物として、ただ生きている。
強さイコール本物だと思い込もうとする、ミュウツーの葛藤の先にあるものが、真逆のキャラクターであるニャースによって示されるのが、本作の面白いところだ。
今回は最強のポケモンの話なので、世界最強の96度というアルコール度数を持つスピリタス・ウォッカを使ったカクテル、「ゴー・トゥー・ヘヴン」をチョイス。
スピリタスとラッテ・リ・ソッチラという超高アルコー度の酒を30mlずつミックスした、名前通りに昇天しちゃう一杯だ。
作り方は二種類の酒をソフトにシェイクして、カクテルグラスに注ぐだけ。
ちなみにこの酒はガンガンに燃えるので、タバコなどの火気には十分注意すること。
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記念すべきポケモン映画第一作「ミュウツーの逆襲」の21年ぶりのリメイク。
表現手法は手描きから3DCGに変わったが、監督、脚本はオリジナルと同じ湯山邦彦と首藤剛志だから、内容は非常に忠実。
というか、台詞からカメラワークに至るまでほとんど同じだ。
「名探偵ピカチュウ」のモフモフバージョンも良かったけど、こちらのCG化されたポケモン世界は、ゲームで見慣れたビジュアルに近く、全く違和感無し。
オトナ世代には懐かしく、ファーストジェネレーションのポケモンを知らない、今の子供世代には新鮮だろう。
幻のポケモン、ミューの遺伝子から作られた最強の人工ポケモン、ミュウツーのアイデンティティの葛藤は今見ても普遍的。
この部分は変える必要はないし、基本オリジナルの作者による新世代の観客に向けたセルフカバーなので、本作の作りで良いと思う。
とは言え、全くのカーボンコピーという訳ではない。
オリジナルの「ミュウツーの逆襲」には、75分の最初の「劇場公開版」と、日本ではTV放送された85分の「完全版」が存在する。
日本映画初の全米No.1の快挙を成し遂げた「Pokémon: The First Movie - Mewtwo Strikes Back」は完全版で、こちらではミュウツーの生みの親であるマッドサイエンティストのフジ博士が、なぜミューのコピーを作ろうとしたのか、その動機部分が語られている。
彼は事故で死んだ愛娘のアイから、意識のコピー「アイツー」を作り、ポケモンの遺伝子研究を通して、いつの日か肉体をも蘇られせようとしているのだ。
生まれたばかりのミュウツーは、テレパシーによってアイツーの意識体と出会い、彼女の“死”を目の当たりにすることで、コピーの悲しみを知る。
ところが、本作ではアイツーとのエピソードがばっさりカットされている。
完全版というからには、こちらがオフィシャルなオリジナルと思っていたので、これはちょっと驚いた。
確かにフジ博士の動機そのものは、完全版でも中途半端に放りっぱなしだったので、カットするのは理解できる。
しかしアイツーとの出会いと別れが、ミュウツーに自分がコピーであることを実感させ、「私は誰だ?なぜ生まれてきたのか?」とアイデンティティの葛藤を深めさせたのは確かだ。
アイツーの存在が無くなったことで、ミュウツーの動機は逆に弱くなってしまった。
「EVOLUTION」を名乗るのだから、なんとか博士の過去と絡めず、アイツーを生かす新しいアイディアがあっても良かったのではないだろうか。
冒頭部分以降、プロットは殆どオリジナルと変わらないが、アクションを中心に重要ポイントをじっくり描くことで、全体としてブラッシュアップを果たしている。
アイツーとのエピソードが無くなったのに、トータルの上映時間では98分と伸びているのも、見せ場の描写が大幅に増えているからだ。
物理的制約から解き放たれたCG化の恩恵もあり、リザードンの空中戦なんて迫力倍増。
オリジナルとコピーのポケモンたちがど付き合う、クライマックスの悲壮さも、CGキャラクターならではの実在感によって増幅している。
ここだけでも、意味のあるリメイクになっていたんじゃないだろうか。
しかし、オリジナルでも思ったが、本作で一番の名シーンは、ニャースが自分のコピーと出会うところだろう。
他のポケモンたちが戦っているのに、ニャースとニャースのコピーだけは、お互いの爪が痛そうだと、戦おうとはしない。
そして嵐に隠れて見えない月を想って、「今夜の月は丸いだろうニャー」と風流に語り合うのだ。
一度生まれてしまえば、それはもうコピーもオリジナルもない。
ひとつの生物として、ただ生きている。
強さイコール本物だと思い込もうとする、ミュウツーの葛藤の先にあるものが、真逆のキャラクターであるニャースによって示されるのが、本作の面白いところだ。
今回は最強のポケモンの話なので、世界最強の96度というアルコール度数を持つスピリタス・ウォッカを使ったカクテル、「ゴー・トゥー・ヘヴン」をチョイス。
スピリタスとラッテ・リ・ソッチラという超高アルコー度の酒を30mlずつミックスした、名前通りに昇天しちゃう一杯だ。
作り方は二種類の酒をソフトにシェイクして、カクテルグラスに注ぐだけ。
ちなみにこの酒はガンガンに燃えるので、タバコなどの火気には十分注意すること。

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