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東京国際映画祭2019 まとめのショートショートレビュー
2019年11月06日 (水) | 編集 |
第32回東京国際映画祭の鑑賞作品つぶやきまとめ。
公開が決まってない作品の中では、「マローナの素晴らしき旅」が印象深い。
これは是非劇場でもう一度観たい作品だ。
いくつかの作品は今後本記事を書く予定。
以下は鑑賞順。

フォックストロット・シックス・・・・・評価額1350円
近未来のインドネシアを舞台としたSFアクション。
元海兵隊員で現職議員の主人公が、逃亡者となって戦友たちと6人の秘密のチームを作り、人々を支配する全体主義の政府と戦う。
ぶっちゃけ、設定が無駄に複雑なのに、作劇はおそろしく雑。
主人公の議員設定は全く意味が無いし、反乱組織のアジトなんて、戦闘中に高さ設定がむっちゃ変わってないか。
あのビル何階建てだよw
しかし、終盤1/3を占めるクライマックス、悪の基地への殴り込みのアクションシークエンスはさすがに魅せる。
六人それぞれ、格闘技からナイフ、ガンアクションまで個性を生かした見せ場があり、ボリューム的にもお腹いっぱい。
基本はひたすらアクションを楽しむ映画。
しかし「アクト・オブ・キリング」なんかを見ると、インドネシア政界ってこれが結構リアルなんじゃないの ^_^;

ヒックとドラゴン2・・・・・評価額1700円
今夜の「3」の前におさらい。
円盤で何度も観てるけど、この圧倒的な飛翔感はスクリーンが格別!
前作で人間とドラゴンに平和をもたらしたヒックが、今度はバイキングの長と認められるまで成長する話で、プロットはヒーローズジャーニー色が非常に強い。
友愛で平和を目指すヒックたちと、恐怖によって他者を支配しようとする敵役とのコントラストもクッキリ。
ヒックだけでなく、トゥースレスの方も同じ様に成長を遂げるので、両者の一心同体感もますます強まり、クライマックスの共闘は大いに続編として完璧に近い、こんな面白い映画が未公開なんて、やっぱり日本のマーケットはおかしいぞ。
まあ「3」の公開を決めてくれたのは嬉しいけど。
あといまだにトゥースレスの字幕がトゥースのままなんだが、まさかまた宣伝にオードリー引っ張り出してくるつもり?

ヒックとドラゴン 聖地への冒険・・・・・評価額1750円
三部作、有終の美。
「1」はひ弱な少年ヒックが、一人前のバイキングと認められるまで。
「2」では青年ヒックが、族長の資質を得るまでで、同時に相方のトゥースレスもドラゴンの王へと共に成長。
そして第3作では、彼らに恋の季節と選択の時がやって来る。
三部作それぞれが主人公の人生のステップを描き、全体で一作一幕の見事な三幕構成。
似た者同士の落ちこぼれ少年とぼっちドラゴンは、お互いに影響し合って大人になり、責任を伴う居場所を見つける。
描く内容も、一作ごとに深化を深めているのもが素晴らしい。
人間とドラゴン、全く異なる個性を持った生物が共生出来ると信じる者がいる反面、敵愾心を利用しようとする者もいる。
より良い世界にしようと戦うと、その分敵も増えてゆく。
愛する存在を本当に守りたいと思った時、取るべきチョイスは何か。
異世界ファンタジーではあるものの、寓意を含んだエピソードの数々は現実世界で実際に起こっていることをイメージさせる。
ヒックとトゥースレスの成長物語として、これ以上の物語のおとし方は無いだろう。
じんわりとした余韻の中、気持ちよく泣けた。
傑作!

ある妊婦の秘密の日記・・・・・評価額1550円
ジョディ・ロック監督の二作目。
予期せぬ妊娠をしたことで、昇進をフイにしたキャリアウーマンの主人公が、母となってゆく体と母性を感じられない心の間で葛藤する。
いやー、子供持つどころか結婚する予定も全然無いけど、これはなかなか勉強になったわ。
女子高生たちの群像劇だった、前作の「レイジー・ヘイジー・クレイジー」もそうなんだが、世界観が可愛くてポップな反面、描いてることは凄く赤裸々で生々しい。
主人公の親友たちを含めた女性サイドはもちろん、妻との関係が変わってゆく夫サイドの葛藤もある。
やっぱ出産して子供を育てるのは、二人の共同作業なのをリアリティたっぷりに実感できるので、妊活してる人は男女を問わず観た方がいいよ。
特に男は観るべきだな。
主人公と母親との過去のわだかまりなど、彼女が出産に夢を持てない背景も丁寧に設定されていて、見応えのある佳作。

存在するもの・・・・・評価額1450円
フィリピンの三池崇史、エリック・マッティ監督のオカルトホラー。
双子の妹が死んだと連絡を受けた主人公が、実家に帰省する。
しかし何かが変。
両親は妹の死の経緯をひた隠しにし、通夜では謎めいた女性から「危険だから家にいてはいけない」と警告を受ける。
やがて、主人公の周りで様々な怪異が起こり始め、彼が妹の死の真相を探り始めると、家族の恐るべき秘密が明らかになる。
カソリック教徒の多いフィリピンだけに、基本は正統派のオカルト展開。
そこに家族の歴史、家の歴史、国の歴史までもが絡み合う構造。
主人公のお父さんが、あちこちで日本語を使う理由も、最後まで観るとなるほどなと思う。
主人公のある設定は流石にちょっと無理ある気もするが、ミスリードの連発で先を読ませない。
黒沢清の影響もあるとかで、ムーディーでなかなかよく出来た作品だった。

マローナの素晴らしき旅・・・・・評価額1650円
。゚(゚´Д`゚)゚。 こんなん絶対泣く。
一匹の犬が車に轢かれて死ぬ瞬間から、彼女の波乱万丈の犬生を回想する、リリカルなアニメーション映画。
九匹兄妹の九番目に生まれ、その犬生に何人かの飼い主にめぐり合い、無償の愛を注いでは裏切られる。
彼女は捨てられるんじゃなく、自分の存在が飼い主にとって重荷になると、自分から身を引くのが切ない。
だから、「人間社会に生きる犬の幸せは飼い主次第」という寓話性が際立つ。
「幸せとは、不幸の合間にある休息時間」とはマローナさんの悲しき名言。
主人公と飼い主以外のキャラクターや世界観は、極端にディフォルメされ、クレヨン画の様なタッチの抽象アニメーションで描かれるのだけど、これも犬目線の世界と捉えると面白い。
飼い主が全ての彼らには、その他大勢の人や街はこんな風に見えているのかも。
タイトルロールのマローナさんが、とにかく可愛い。
犬に限らず、これからペットを飼おうとしてる子供には、こういう作品を親が見せるといい。
「ウチの子を大切にしなきゃ」と思えるよ。
猫の扱いは、犬派の作者の悪意をちょっと感じるけどw

50人の宣誓・・・・・評価額1500円
イランには、殺人事件の被害者の男性血族50人が有罪を宣誓すると、被告を死刑に出来るという、にわかには信じ難い法律があるらしい。
主人公は、妹を殺したのに無罪判決を受けた夫を死刑にするため、親戚を集めてバスで裁判所に向かっている女性で、映画の大半は車中で展開するロードムービー。
しかしやたらハイテンションな親戚一同の関係は、揉め事と因縁のてんこ盛り。
しかも死刑は賠償金を受け入れて免除も出来るらしく、狭い車内は復讐か実利かで揉めに揉め始め、いつしかカオスに。
だが、混乱が頂点に達した時、映画は思いもよらない方向へ舵を切る。
法律自体は、復讐の連鎖を断ち切る目的もあるようなんだが、事実より感情を優先したもの。
映画も迷走するバスのように、事実と感情の間で揺れ動く。
結末は意外だが納得できる。
主人公がここまで追い込まれたのは、そもそも女性蔑視のベースがあるからというわけか。

ラ・ヨローナ伝説・・・・・評価額1550円
結構がっつりホラーだった。
嘗ての軍政下、先住民のジェノサイドを指揮したとして罪に問われた元将軍と、その家族の物語。
屋敷には連日デモ隊が押しかけ、籠城生活が続く中、謎めいた先住民のメイドがやって来る。
ほとんど全編が屋敷の中だけで展開する密室劇。
ブスタマンテ監督の前作「火の山のマリア」でもコンビを組んだ、マリア・メルセデス・コロイのキャラクターが思いっきり怪しいのと、ハリウッド映画にもなった虐げられ、子供を亡くした女の幽霊、ヨローナの伝説がモチーフなので、描きたいことは非常に分かりやすい。
屋敷には将軍の妻と娘と孫娘が住んでいて、それぞれ将軍に対して複雑な葛藤を抱えている。
物語が進むにしたがって、ヨローナの嘆きが感染するように、彼女らの中にある感情が覚醒してくる構造。
これは先住民だけでなく、抑圧された全ての女性の魂の叫びの物語なんだな。
中米独特の歴史や民族構成が、図らずも物語の豊かなソイルになっているのが興味深い。
監督によると、彼は“グアテマラの侮辱”を描く三部作として考えているそうで、これで二作目だからもう一本あるってことだな。
ぜひ日本に持ってきてよプリーズ。

この世界の(さらにいくつもの)片隅に(特別先行版)・・・・・評価額1800円+
なんだろう、これはやっぱり普通の映画じゃない。
「北條さん、久しぶりじゃったね~」って現実感。
リンさんとの関係が大幅に増えていることで、すずさんの葛藤がぐっと多面的になって、人間性も複雑になっている。
リンさんと周作の関係が描かれることで、哲さんが泊まりに来るエピソードをはじめ、新たな意味を持った部分も多数。
全体に、それまで異なる人生をおくってきた、新米夫婦の成長物語としての側面が強まった。
オリジナルはそのまま生かされているので、別ものという訳ではない。
今まで見えていたのがすずさんの50%の世界だとしたら、今回は限りなく100%へと広がった。
劇場版はさらに数分伸びるというので、あと一月半楽しみに待ちたい。

ばるぼら・・・・・評価額1600円
渡辺えりのムネーモシュネーが強烈過ぎて、漫画を超えてるw
稲垣吾郎の美倉洋介はあんまり異常性欲者には見えないが、漫画の美倉よりもむしろ間久部緑郎に近い、ピカレスクな貴公子イメージ。
二階堂ふみはトリッキーなばるぼらにぴったりで、キャスティングはハイスコア。
人気作家が謎のミューズと出会うという手塚漫画の中でも異色の怪作を、コンパクトにしつつ冒頭から非常に忠実に映像化。
橋本一子のジャジーな音楽も圧が強く、クリストファー・ドイルの映像もムーディー。
テリングの部分の完成度はかなり高く、漫画既読者でも納得の仕上がり。
手塚監督が言うほど咀嚼し難い話ではないと思うが、元々“ばるぼら”とは、如何様にも解釈可能なキャラクター&現象だから、個人的にはグァダニーノ版「サスペリア」位にぐっちゃぐちゃにしちゃっても良かったと思う(ホラー描写的な意味ではなく)。
まあそうすると、ますますお客さん選んじゃうしな。
これは手塚眞流の解釈として、なかなか面白かった。
手塚漫画の実写化は失敗する、というジンクスからは抜けられているんじゃないか。

ジャスト6.5・・・・・評価額1500円
イランの麻薬王と、彼を追う刑事の攻防戦。
タイトルは何のことかと思っていたら、ラストで出てくる“ある数字”だった。
ユニークなのは、序盤はモーレツ刑事の視点で物語が進むんだけど、彼らが麻薬王にたどり着くと、今度は彼の視点に入れ替わること。
終盤に裁判が始まると、今度は両者の視点が交錯する。
これおそらく、麻薬犯罪へ加担させないため、犯罪予備軍への“啓蒙”を目的に作られた映画じゃないかな。
中盤以降麻薬王の価値観や生き方をフィーチャーし、感情移入させることで、「麻薬で大儲けしても結局は後悔しか残らないよ」ってメッセージが強く残る。
これ刑事視点で描き切っちゃうと、単なる勧善懲悪で啓蒙にはならない。
イスラム原理主義のイランでも、こういう映画が作られるくらい麻薬は深刻な社会問題なんだろう。
まあ歴史的には、ペルシャは阿片の本場のひとつだし。
とは言え説教臭い映画ではない。
刑事と麻薬王のキャラクターがかなりエキセントリックで、捕まえてからの対照的な二人のぶつかり合いが結構面白かった。

ディスコ・・・・・評価額1450円
てっきりディスコダンスのクィーンが、カルト宗教にハマる映画だと思ってたけど違った。
主人公の実家はかなり怪しい俗世系カルトの信者、っていうか教会経営してる。
ダンスやってるのも、もともと教会の演出のため。
しかし、彼女はワケあって親と今一つしっくりいってない。
それで実家とは正反対の、質素なスタイルの別のカルトに惹かれてゆく。
恐ろしいのは、彼女にとって信仰がは空気のようなものなので、「信じない」という選択肢が初めから無いこと。
周りはカルト、親戚も別のカルト、新しくできた友達もまた別のカルトという、まさに悪魔の悪循環。
実家の信仰に少しずつ疑問を抱いて距離を置いたはいいのだけど、救いを求めた先は、一見まともそうだが、その実終末論を信じるキリスト教版のオウムみたいな、むっちゃヤバそうな教会だったという。
本人は戦慄のシチュエーションに全く気付いてないのが、救いなのか、ホラーなのか。
実際この環境で育ったら、スッと入っちゃうのかも知れん。

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