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ヒックとドラゴン 聖地への冒険・・・・・評価額1750円
2019年12月05日 (木) | 編集 |
一人と一頭なら、どこまでも飛べる。

ヴァイキングの少年ヒックと、ひょんなことから相棒となったドラゴンのトゥースレスの友情と成長を描く、ドリームワークス・アニメーションの大ヒット作、「ヒックとドラゴン」三部作の完結編。
前作で父ストイックの後を継ぎ、バーク島の若き族長となったヒックが、ドラゴンが増えすぎて手狭になった島を離れ、まだ見ぬ未知の世界への冒険へと旅立つ。
同時に一心同体だったトゥースレスとの関係にも変化が訪れ、一人と一頭は人生の大きな岐路に立たされるのだ。
監督・脚本は、三部作を通じてメガホンをとるディーン・デュボア。
第一作から足かけ10年、ヒックとトゥースレスの二人三脚の成長物語として、これ以上ない最高の幕引きだ。
三本すべてが傑作という、アニメーション映画史でも稀有なシリーズとなった。
※核心部分に触れています。

凶悪ドラゴンハンターのドラゴが、バーク島を襲った事件から一年。
ヒック(ジェイ・バルチェル)やアスティ(アメリカ・フェレーラ)たちドラゴンライダーは、ドラゴンハンターに捕まったドラゴンを救出する活動を続けている。
しかし、解放したドラゴンが増えすぎて島はパンク寸前。
ヒックたちにドラゴンを奪われたハンターたちも、虎視眈々と奪還の機会をうかがっている。
島の長として、皆をどんな未来へと導くか悩んだヒックは、子供のころストイック(ジェラルド・バトラー)に聞かされた、「この世界の果てに、すべてのドラゴンが生まれた聖地がある」という言葉を思い出す。
ストイックはこの伝説を信じ、ひそかに調査していたのだ。
同じころ、トゥースレスを狙うハンターのグリメル(F・マーリー・エイブラハム)は、真っ白のメスのナイトフューリーをおとりに、トゥースレスをおびき出そうと画策していた。
残されていた資料を読んだヒックは、聖地の実在を確信し、ハンターたちを出し抜き、島のすべての人間とドラゴンを、移住させる計画を実行に移す。
ところがそこへ、グリメルの放ったメスのナイトフューリーが現われて、トゥースレスは彼女に恋してしまうのだが・・・・


まさに三部作有終の美
英国の児童文学者、クレシッダ・コーウェルの同名小説を、大幅に脚色した上でCGアニメーション化した「ヒックとドラゴン」が公開されたのは2010年のこと。
マッチョな人間とドラゴンが、血で血を洗う戦いを繰り広げるヴィキングの世界で、優れたオタク脳を持つひ弱な少年ヒックが、自らが撃ち落としたドラゴンのトゥースレスとふれあい、友情を育むことで、人間とドラゴンが共生できることを証明する。
肉体至上主義のヴァイキングの社会では、単なる落ちこぼれと思われていた少年が、知性と理性によって人々の価値観を覆し、世界の在り方を変える痛快な物語だった。

その五年後を舞台とした「ヒックとドラゴン2」が、今に至るまで日本で正式に劇場公開されていないのは悲劇だが、出来栄えは第一作に勝るとも劣らない素晴らしさ。
この作品で描かれるのは、少年から逞しい青年へと成長したヒックが、行方不明だった母との再会を果たし、父の後を継いで新たなバーク島の族長と認められるまでの物語。
プロットはジョーセフ・キャンベルのヒーローズ・ジャーニー色が強く、ある種の貴種流離譚となっている。
ヒックと共に相棒のトゥースレスも成長を遂げ、悪のドラゴンハンター、ドラゴによって支配された超巨大なドラゴンの王、ワイルダービーストに挑戦し、打ち勝つことで自らもドラゴンの王の名乗りを上げる。
一心同体の一人と一頭は、二つの世界の支配者となったのだ。


それから一年後を描く完結編では、彼らに恋の季節と選択の時がやって来る。
ヒックは、長らく友だち以上恋人未満状態のアスティとの仲に、ケジメをつけるべきなのを分かっていて、周りもそれを期待している。
しかし彼は、煮え切らない関係を脱するのが怖いのだ。
そして、もはやこの世界に生き残っていないと思われていたナイトフューリーのメスが、突然トゥースレスの前に現れる。
色が白いので、アスティによって“ライトフューリー”と命名されるメスの気を引こうと、トゥースレスがヒックのアドバイス(?)を受けながら、色々パフォーマンスを繰り出すくだりは傑作。
前作で一応”大人“になったヒックとトゥースレスは、ここにきて新しい家族を作るために、もう一段の成長を迫られるのだが、もともと両者共にお一人様の時期が長かったために、恋にはかなり奥手。
どちらも行動がいちいち、おっかなびっくりなのがかわいい。

主人公コンビの成長とともに、テーマ性も一作ごとに深化を深めているのもが素晴らしい。

人間とドラゴン、全く異なる個性を持った生物が共生出来ると信じる者がいる反面、敵愾心を利用しようとする者もいる。

より良い世界にしようと戦うと、その分敵も増えてゆく。

異世界ファンタジーではあるものの、寓意を含んだエピソードの数々は現実世界で実際に起こっている争いをイメージさせる。
愛する存在を本当に守りたいと思った時、取るべきチョイスは何か。

ディーン・デュボア監督は、「まったく異なる文化を持った二人の主人公が出合い、絆を深めることでお互いを永遠に変えるのだけど、やがて別れがやってくる」というスタイルの作品がとても好きなのだそうだ。
古くはディズニーの「きつねと猟犬」や「E.T.」、「タイタニック」や「ロスト・イン・トランスレーション」など、住む世界は違っても、心は通じ合えるというメッセージを発する作品の系譜に、本作も連なる。
世界の果てにある滝の、滝つぼのさらに下に存在するドラゴンの聖地の造形が圧巻。
ちょっと「アバター」ぽくもある、光に満ちた魅惑的ファンタジー空間なのだけど、一目見て「あ、ここは人間が住める所ではないな」と思わせられるのだ。
トゥースレスにとっての約束の地は、ヒックが思い描いていた世界ではなかった。

似た者同士の落ちこぼれ少年とぼっちドラゴンは、お互いに影響し合って成長し、ついに心から愛する新しい家族という終の住処を得る。
それは同時に、これからは異なる未来を、異なる世界で生きてゆくことを意味するのだけど、それは友情の終わりを意味しない。
三部作それぞれが、一人と一頭の人生のステップを描く。
第一作では孤独なヒックとトゥースレスが新たな絆で結ばれ、第二作ではそれぞれが大人になることに葛藤し、責任を負う覚悟と共に自分の進むべき運命を受け入れる。
そして第三作では、お互いを思いやる愛によって別れを選ぶ。
全体で一作一幕、「絆」「成長」「愛」の見事な三幕構成。
神話的世界観の中で展開する、ヒックとトゥースレスの成長物語として、これ以上美しい幕の引き方は無いだろう。

彼らが体現する真実の愛と友情の余韻に、気持ちのいい涙が止まらない。
アニメーション映画史に残る、最強のコンビだ。

しかしこれ、相変わらず飛翔感の表現は宮崎駿もびっくりのとんでもないレベルだから、三部作一気にIMAXで3D上映してくれないかなあ。

ヴァイキングの酒宴では、酒は動物の角で作られた杯で供されたという。
当然テーブルに置けないので、つまりは注がれたら飲み干さねばならぬ。
今回は北欧を代表するビール、デンマークの「カールスバーグ」をチョイス。
口当たりのやわらかな辛口のピルスナーラガーは、日本でもすっかりお馴染みの味。
ホップの適度な苦味が食欲をそそる。
非常に飲みやすいので、これなら角の杯に注がれても、グイグイ飲めてしまうだろう。

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