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2020年04月10日 (金) | 編集 |
それは、受け継がれてゆく人生のループ。
新型コロナウィルスのパンデミックという映画さながらの緊急事態により、東京の映画館は全てクローズとなってしまい、映画ブログもネタがない。
まだレビューしてない作品はあるけど、せっかくなので引きこもり生活に潤いを与えてくれる配信作品をご紹介。
評価は映画館と違って料金がないので満点⭐️五つ。
Amazonプライムビデオで4月3日から配信が始まったばかりの「ザ・ループ TALES FROM THE LOOP」は、スウェーデンのアーティスト、シモン・ストーレンハーグの同名の物語付きイラスト集を原作にした異色のSFアンソロジー。
地下に“ループ”と呼ばれる巨大な研究施設がある街を舞台に、住人たちの身に起こるちょっと不思議な出来事を描いている。
全8話で構成されるシリーズは、第一話のマーク・ロマネクから始まり、第4話アンドリュー・スタントン、最終第8話ジョディ・フォスターと言った大物たちが各話の監督として参加している話題作だ。
全体を統括するショーランナーと脚本を担当したナサニエル・ハルパーンは、アーリー80’sの世界観で描かれるシリーズを貫く二つの原則を設定している。
一つは、1話完結のシリーズを通して、主人公がバトンタッチしてゆくこと。
あるエピソードの主人公は、必ず過去のエピソードで脇役として顔を出している。
もう一つは、各エピソードの主人公が、特定の“感情”に関する葛藤を抱えているということ。
例えばマーク・ロマネクが格調高く描く第一話「Loop」は、ループで働く科学者を母に持つ少女が、偶然に知り合った少年と共に突然失踪した母を探す物語だが、主人公はビジネスライクな親子関係から、母性へのわだかまりを抱いている。
第二話「Transpose」では、第一話で登場した少年の兄が主人公となり、憧れの友達に対する複雑な思春期のコンプレックスが描かれる。
そして第三話「Stasis」では、第二話の主人公が想いを寄せていた少女の、恋のトキメキが永遠に続けば良いのに、と願う乙女心といった具合。
SFとは言っても、ありがちなドラマの様に、広がり続ける世界観の謎で魅せようとはしていない。
基本は丁寧に作られた心理ドラマで、ぶっちゃけかなり地味だ。
この作品の特徴は、圧倒的にクオリティの高い映像と全編に漂う詩情。
事件を巻き起こす謎めいたアイテムは色々出てくるのだが、その正体などは一切描かれず、SF的な超常現象が主人公が密かに抱えている潜在的葛藤を顕在化する役割を負う。
シリーズを通してリリシズム溢れる佳作が続き、一歩引いて全8話を見ると第一話の主人公の少女とその息子が全体主人公となり、受け継がれてゆく人生で、生と死と時間に関する壮大なループを形作るという凝った構造。
どのエピソードも味わいがあるが、少年が“死”の意味を知るアンドリュー・スタントン監督の第四話「Echo Sphere」が一番好き。
人間の本質を突き詰めるためのSFであり、例えばドゥニ・ヴィルヌーヴの「メッセージ」とか、森見登美彦の小説を石田祐康が映画化した「ペンギン・ハイウェイ」あたりが好きな人はハマりそう。
一話完結とは言っても全体構成はきっちりと計算されているので、順番通りに観ることをオススメする。
今回は、夢うつつの世界で展開する作品ゆえカクテルの「ドリーム」をチョイス。
ブランデー40ml、オレンジ・キュラソー20ml、ぺルノ1dashを、氷と共にシェイクしてグラスに注ぐ。
ブランデーのコクのある甘味とオレンジの風味が組み合わさり、ぺルノが両方を引き立てる。
甘口の優しい味わいのカクテルだが、何気に飲む人を夢に誘うくらいに強い。
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新型コロナウィルスのパンデミックという映画さながらの緊急事態により、東京の映画館は全てクローズとなってしまい、映画ブログもネタがない。
まだレビューしてない作品はあるけど、せっかくなので引きこもり生活に潤いを与えてくれる配信作品をご紹介。
評価は映画館と違って料金がないので満点⭐️五つ。
Amazonプライムビデオで4月3日から配信が始まったばかりの「ザ・ループ TALES FROM THE LOOP」は、スウェーデンのアーティスト、シモン・ストーレンハーグの同名の物語付きイラスト集を原作にした異色のSFアンソロジー。
地下に“ループ”と呼ばれる巨大な研究施設がある街を舞台に、住人たちの身に起こるちょっと不思議な出来事を描いている。
全8話で構成されるシリーズは、第一話のマーク・ロマネクから始まり、第4話アンドリュー・スタントン、最終第8話ジョディ・フォスターと言った大物たちが各話の監督として参加している話題作だ。
全体を統括するショーランナーと脚本を担当したナサニエル・ハルパーンは、アーリー80’sの世界観で描かれるシリーズを貫く二つの原則を設定している。
一つは、1話完結のシリーズを通して、主人公がバトンタッチしてゆくこと。
あるエピソードの主人公は、必ず過去のエピソードで脇役として顔を出している。
もう一つは、各エピソードの主人公が、特定の“感情”に関する葛藤を抱えているということ。
例えばマーク・ロマネクが格調高く描く第一話「Loop」は、ループで働く科学者を母に持つ少女が、偶然に知り合った少年と共に突然失踪した母を探す物語だが、主人公はビジネスライクな親子関係から、母性へのわだかまりを抱いている。
第二話「Transpose」では、第一話で登場した少年の兄が主人公となり、憧れの友達に対する複雑な思春期のコンプレックスが描かれる。
そして第三話「Stasis」では、第二話の主人公が想いを寄せていた少女の、恋のトキメキが永遠に続けば良いのに、と願う乙女心といった具合。
SFとは言っても、ありがちなドラマの様に、広がり続ける世界観の謎で魅せようとはしていない。
基本は丁寧に作られた心理ドラマで、ぶっちゃけかなり地味だ。
この作品の特徴は、圧倒的にクオリティの高い映像と全編に漂う詩情。
事件を巻き起こす謎めいたアイテムは色々出てくるのだが、その正体などは一切描かれず、SF的な超常現象が主人公が密かに抱えている潜在的葛藤を顕在化する役割を負う。
シリーズを通してリリシズム溢れる佳作が続き、一歩引いて全8話を見ると第一話の主人公の少女とその息子が全体主人公となり、受け継がれてゆく人生で、生と死と時間に関する壮大なループを形作るという凝った構造。
どのエピソードも味わいがあるが、少年が“死”の意味を知るアンドリュー・スタントン監督の第四話「Echo Sphere」が一番好き。
人間の本質を突き詰めるためのSFであり、例えばドゥニ・ヴィルヌーヴの「メッセージ」とか、森見登美彦の小説を石田祐康が映画化した「ペンギン・ハイウェイ」あたりが好きな人はハマりそう。
一話完結とは言っても全体構成はきっちりと計算されているので、順番通りに観ることをオススメする。
今回は、夢うつつの世界で展開する作品ゆえカクテルの「ドリーム」をチョイス。
ブランデー40ml、オレンジ・キュラソー20ml、ぺルノ1dashを、氷と共にシェイクしてグラスに注ぐ。
ブランデーのコクのある甘味とオレンジの風味が組み合わさり、ぺルノが両方を引き立てる。
甘口の優しい味わいのカクテルだが、何気に飲む人を夢に誘うくらいに強い。

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