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ハニーランド 永遠の谷・・・・・評価額1750円
2020年07月02日 (木) | 編集 |
人と蜂、自然の作り出すハーモニー。

これは凄い映画だ。
長い歴史を持つ米国アカデミー賞で、史上初めて長編ドキュメンタリー賞と国際映画賞(旧・外国語映画賞)にダブルノミネートされた作品。
リューボ・ステファノとタマラ・コテフスカ両監督が生み出した、「ハニーランド 永遠の谷」の舞台となるのは、バルカン半島にある旧ユーゴスラビアの国、北マケドニアのほぼ中央部。
人里離れた山奥の谷の電気も水道もない古びた家に、自然養蜂家の中年女性ハティツェ・ムラトヴァが年老いて寝たきりとなった盲目の母親とひっそりと暮らしている。
小さな村に暮らすのは二人だけ。
自宅の庭や自然の岩棚などにある蜜蜂の巣から蜂蜜をとり、首都のスコピエに売りに行くことで生計を立てている。
彼女のポリシーは、蜂から半分だけ蜜をもらって半分は残す
これが自然の恩恵をずっと維持するための、無理のないラインなのだ。

ところがある時、ずっと空き家だった隣の家に、トレーラーを引っ張ってトルコ人の大家族が引っ越してくる。
孤独だった生活が、動物や子供たちの喧騒で突然賑やかになり、ハティツェも嬉しそう。
酪農を営む彼らは蜂蜜が良いお金になるのを知ると、見よう見まねで養蜂に挑戦をはじめる。
初めのうちは、ベテランのハティツェの助言に従って堅実にやっていたのだが、卸売業者に急かされて無謀な取引契約を結んだあたりから徐々に様子が変わってくる。
目先の金のために巣から蜂蜜を全部とってしまったら、当然蜂は飢える。
すると蜂は蜜を求めて、近くの別の巣を襲うようになり、蜂同士の殺し合いで数が減ってゆく。
さらに、牧草を増やすために谷に生えている自然の植生を燃やせば、蜂が集める蜜の元が無くなってしまう。
やがて無理な養蜂と生態系への無知は、彼らの蜂だけでなくハティツェが大切に守ってきた谷の自然に重大な影響を与えはじめる。
色んなネイチャードキュメンタリーを観てきたが、美しく調和した風景を壊すのは、いつだって人間の欲望なのだ。

本作の最大の特徴は、ドキュメンタリー映画でありながら劇映画の様な綺麗な三幕構成のストーリーがあり、非常にドラマチックなこと。
アカデミー賞では「パラサイト 半地下の家族」旋風に敗れはしたものの、長編ドキュメンタリー部門だけでなく、国際映画賞にもノミネートされたのはこの辺りが評価されたのだろう。
安易なナレーションには頼らず、時にカメラは荘厳な自然の景観を映し出し、時にハティツェの人生が刻まれた味わい深い表情を描写する。
おそらく照明などはほとんど使われておらず、光源も蝋燭などそこにあるものだけだろう。
本作のフィルムメーカーたちは、実に3年の歳月を費やし、撮影されたフッテージは400時間に及ぶと言う。
この膨大な映像のバリエーションがあってこそ、まるで劇映画のような山あり谷ありのストーリーを、紡ぎ出すことが出来たのだと思う。

時には山羊のように危険な崖を登り、少しずつ蜂蜜を採取するハティツェの生活は、一見すると都市に住む私たちとは、まるでかけ離れているようだ。
しかしスコピエに出た時に髪染めを買って、村には誰もいないのにお洒落していたり、亡き父親の考えで結婚できなかった過去を振り返ったりするシーンに、生身の女性の人生のドラマがリアリティたっぷりに浮かび上がってくる。
彼女の直面している状況は孤独で厳しいが、永遠に明けない冬はない。
一部は破壊されてしまった谷の自然も、やがて自己修復力によって、元どおりになるだろう。
国の歴史よりもずっと古くから、この土地で繰り返されてきたであろう、人間を含めた生と死のサイクルがこの映画からは見えてくる。
人間と蜂と、谷の自然を見つめることで見えてくる、命のストーリー。
驚くべき傑作である。

今回は、高知県の菊水酒造の作る蜂蜜酒のミード、「シークレット・オブ・クレオパトラ」をチョイス。
人類が飲んだ最初の酒は、木の洞などにたまった蜂蜜と雨水などが混じり合い、自然発酵して出来たものと考えられている。
ミードはあらゆるアルコール文化の源流なのだ。
銘柄はミードが古代エジプトの女王、クレオパトラの愛飲酒だっという話から。
蜂蜜が花の種類によって味が異なる様に、ミードもまた蜂蜜によって大きく味わいが違ってくるが、こちらはレンゲ蜂蜜を使用。
蜂蜜を使っているといっても甘さは控えめで、CPも高いのでデザートワイン感覚で普段使い出来る。

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