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マロナの幻想的な物語り・・・・・評価額1700円
2020年09月18日 (金) | 編集 |
犬の成分は、愛。

。゚(゚´Д`゚)゚。 こんなん絶対泣く。
一匹の犬が車に轢かれて死ぬ瞬間から、彼女の波乱万丈の犬生を回想する、リリカルなアニメーション映画。
ドキュメンタリー・アニメーションの傑作「Crulic – drumul spre dincolo」で、アヌシー国際アニメーション映画祭最高賞を受賞したルーマニア出身のアンカ・ダミアン監督が、息子のアンゲル・ダミアンによる脚本を、手描きアニメーションとデジタル技術を融合させた独創の映像で仕上げた。
昨年の東京国際映画祭では、「マローナの素晴らしき旅」のタイトルで上映され、東京アニメーションアワードフェスティバル2020で長編グランプリを受賞。
タイトルロールのマロナを仏語版ではリジー・ブロレシュ、日本語版ではのんが演じる。
犬の視点で描かれた世界にたゆたい、深い愛情に涙する。
動物と暮らしている人は、「ウチの子を大切にしなきゃ」と改めて思いを強くするだろう。

混血だけど美しく博愛主義のママと、純血種で差別主義者のパパとの間に、九匹のかわいらしい仔犬が生まれた。
最後に生まれた仔犬は、ハート型の鼻と翼のような耳を持ち“ナイン”(リジー・ブロレシュ/のん)と呼ばれていた。
ある日、ナインはパパ犬の家に譲渡されるも、パパは我が子に怖気付き飼い主も差別主義者だったために混血の彼女はすぐに捨てられてしまう。
曲芸師のマノーレ(ブルーノ・サロモネ/小野友樹)の手に渡ったナインは、新たに“アナ”という名前をつけられ、幸せな毎日を過ごせるかに見えたのだが・・・・


アンカ・ダミアンが本作を着想したのは、アフガニスタンでソ連と戦ったポーランド人写真家でアルピニスト、アダム・ヤチェク・ウィンクラーを描いた「La montagne magique」の制作で、アフガニスタンと欧州を忙しく駆けずり回っていた時のことだったという。
ある時、迷子の雌犬と出会った彼女は、しばらくの間仕事の合間を縫って彼女の里親探しに奔走していたのだが、その過程で犬を預かってくれたホストたちが、犬との関わりによって変わってゆく姿をみて、動物の持つ共感力に深い感銘を受けたという。

本作の主人公であり、最初は“ナイン”と呼ばれていた犬も、その共感力によって飼い主にたっぷりと無償の愛情を注ぐ。
劇中で何度も主人公が“女の子”であることをメンションするのも、母性=見返りを求めない愛を強調するためだろう。
最初の飼い主となった曲芸師のマノーレには、“アナ”という名をつけらる。
しばらくは幸せな日々を過ごすも、ある時変化が。
若いマノーレに大サーカスで仕事をするチャンスが訪れるのだが、巡業の多い仕事を受ければアナと暮らしてゆくことは出来なくなる。
マノーレは、キャリアアップのチャンスと、アナとの間で深刻な葛藤を抱えてしまうのだ。
本作は基本的に犬の目線で見た人間社会のカリカチュアであり、主観的な観察者である主人公と人間との考え方の違いが哲学的な名言を生む。
「人間は変化を好み、それを夢と呼ぶけど、犬にとって変化は不安」
自分の存在が、愛するマノーレの負担になったことを感じたアナは、自ら身を引く。

二番目の飼い主となる建築士のイシュトヴァンは、彼女に“サラ”という新しい名をつける。
建設現場で出会った彼に、最初は年老いた母の家に連れて行かれるも、不幸な事故に遭い、改めて彼の家に迎え入れられる。
しかし虚栄心が強く、犬嫌いのイシュトヴァンの妻と馬が合わず、幸せは長続きしない。
そして三たびのら犬となったサラは、気の強い少女ソランジュと出会い、ついに“マロナ”となるのである。
「幸せとは、不幸の合間にある休息時間」と言っていた彼女に、終の住処ができる。
犬主観ゆえに劇中での経過時間は曖昧だが、彼女がナインからサラだった時間はおそらく1、2年だろう。
彼女はその犬生の大半をマロナとして過ごし、出会った頃は幼い少女だったソランジュも、やがて大人になって、ペットに夢中な年齢ではなくなってゆく。
動物はずっと変わず家族を見守っているが、人はどんどん変わってゆくというのは、猫目線で語られる新海誠監督の短編「だれかのまなざし」を思い出した。
ソランジュの家にはマルゾフェルという先住猫がいて、最初はいがみ合っているのが、いつの間にか一緒に寝ているのが可愛い。
マルゾフェルが、定位置だった棚に飛び乗れなくなったことで時間の経過と老いを表現してたり、細かい描写からも作者が動物好きでよく観察してるのが伝わってくる。

本作はマロナの一代記としてストーリー性も極めて高いが、やはりそのテリングのスタイルが独創的だ。
今世紀に入ってから、従来のアナログ技法がデジタル技術と結びつくとこにより、短編が中心だったアートアニメーションの作家たちに長編への道が大きく開かれた。
「戦場でワルツを」のアリ・フォルマンや、「父を探して」のアレ・アブレウらと、本作のアンカ・ダミアンはアニメーション表現の変化の歴史の中で、同じ文脈上にいると言っていいだろう。
ここでもアナログの手描き素材を、デジタルで仕上げることによって、驚くべき未見性を生み出している。
極端にディフォルメされ、クレヨン画の様なタッチの抽象アニメーションは、なるほど飼い主が全ての犬たちには、その他大勢の人や街はこんな風に見えているのかも?という驚きに満ちているのだ。
基本的に人間のカタチで描かれるのは飼い主かその家族だけで、他の人間はまるで百鬼夜行の妖怪のように、不定形の謎生物として描かれている。
飼い主も、例えば曲芸師のマノーレはまるでタコのように軟体で、ソランジュの母の印象的な赤い髪はしばしば大きく伸び縮みするが、これも犬から見た飼い主の心象表現
二番目の飼い主となったイシュトヴァンと出会った建設現場が、設計図のように描かれたり、全編に渡って遊び心満載、変幻自在のアニメーション表現が楽しく、全く目が離せない。

そして波乱万丈だったマロナの犬生の終わりに、主題歌「ハピネス」の歌詞がじんわりと心に染み入る。
「幸せは ほんのちっぽけなこと とるに足らないこと ひと皿のミルク 昼寝 大きな温かい舌 骨をかくす場所・・・・」
やっぱこんなん泣くだろ。゚(゚´Д`゚)゚。
犬に限らず、これからペットを飼おうとしてる子供たちには、こういう作品を親が見せるといいと思う。

今回は、犬のラベルが可愛いソノマ産の赤ワイン、「マッドジャック ジンファンデル カリフォルニア」の2017をチョイス。
カリフォルニアワインだけど、日本市場向けの商品で日本でしか買えないという変わり種。
ジンファンデル93%に、プティ・シラーとメルロをブレンド。
程よい果実香とジンファンデル特有のスパイス風味がバランスよく、気軽なテーブルワインがコンセプトだけに、お値段もお財布に優しい。

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