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ショートレビュー「ブリング・ミー・ホーム 尋ね人・・・・・評価額1600円」
2020年09月26日 (土) | 編集 |
絶対に、救い出す。

相応に歳はとったが、相変わらず美しい。
「親切なクムジャさん」以来、14年ぶりとなるイ・ヨンエのスクリーン復帰作は、安全運転どころか相当にハードモードな意欲作だ。
彼女が演じるのは、看護師として働くジョンヨン。
6年前に7歳の息子ユンスが失踪し、夫と共に探し続けていたのだが、捜索中に起きた悲劇的な事故で夫をも失ってしまう。
憔悴しきった彼女のところへ、田舎の魚釣場でユンスに似た少年を見たという、かなり精度の高い情報がもたらされる。
しかし、捜索に向かったジョンヨンの前に、魚釣場を経営する不審な一家と、彼らと癒着する警察官までもが立ちはだかるのだ。

設定だけ見ると、中国映画の「最愛の子」に似た話だが、テイストはホラー。
韓国の田舎は、アメリカ南部に匹敵するホラーどころで、「ビー・デビル」「哭声/コクソン」といったジャンル映画はもとより、イ・チャンドン監督の「バーニング」などでも、貧しく人気の無い田舎という舞台が恐ろしい展開を作り出す。
粗野で怪しげな人々が蠢き、警察は全く頼りにならない。
この映画も主人公以外の大人の登場人物が、揃いも揃って人間のクズばかり。
どこの子か分からない子供を預かっては、奴隷として働かせている魚釣場の一家も、ユ・ジェミョンが怪演する彼らと癒着している警察官も、一切同情の余地のない利己主義者に造形されているのだが、それでいて実話かと思うくらい妙なリアリティがあるのが恐ろしい。
人口の実に50%が首都圏に住んでいるという韓国では、都市と田舎の間には、日本人が考える以上の格差と分断がありそうだ。

本作はフィクションだが、90年代に五人の少年が失踪し、11年後に遺体が発見された「カエル少年失踪事件」や、田舎の島にある塩田で、知的障害者を奴隷労働させていた「新安塩田奴隷労働事件」など、おそらくは実際に起こった幾つかの事件をモデルにプロットを構成しているのだろう。
韓国ってこんなに児童失踪件数が多いのだろうか?と思って調べてみたら、およそおよそ年間2万人が行方不明になっているという。
これは世界的には少ない方で、米国では実に40万人以上、治安の良い印象のあるドイツでも10万人が消えている。
ちなみに日本の未成年者の失踪は、年間1万7千人から1万8千人。
もちろん、これらの数字の中には犯罪とは関係ないケースも多々あるだろうが、これだけの数の子供たちが消え、多くの親が探しているのだと思うと、心が痛い。

ジョンヨンが追い詰められる終盤は、パク・チャヌクの復讐三部作を思わせる展開で、最後まで容赦無し。
普通に考えれば、学校に行ってない子供が働かされていたら、当局が動きそうだが、「新安塩田奴隷労働事件」では地元警察と業者の癒着が疑われたし、実際に似た様な例があるので説得力はある。
監督・脚本は、本作が劇場用長編映画デビュー作となるキム・スンウ。
イ・チャンドンの「シークレット・サンシャイン」などにアシスタントとして参加した後、いくつかの短編で高い評価を受けたそうで、初長編とは思えないほど完成度が高い。
本作では、真の悪、隠れた悪として、失踪者に関心を持たない社会一般が糾弾されているのが、師匠の「バーニング」と共通していて興味深い。
しかし、我が子が行方不明になった段階で悲劇なのに、人知れず奴隷にされているとか、親にとっては最悪の悪夢だろう。
双子の母となったイ・ヨンエが、この作品を復帰作に選んだ心情もよく分かる。
ラストは一部で分かりにくいという声もある様だが、ただ単に真面目にテーマを取り上げるのではなく、胃がキリキリするくらい徹底して閉塞させ、ドーンとヘビーに落とす。
これぞ、韓国社会派エンターテイメント映画!

今回は、泥まみれになって戦う母の物語なので「ダーティーマザー」をチョイス。
ブランデー40mlとカルーア・コーヒー・リキュール20mlを氷を入れたグラスに注ぎ入れ、軽くかき混ぜる。
コクのあるブランデーと、甘いコーヒーリキュールの風味が混ざり合い、芳ばしく芳醇な香りを楽しめる一杯だ。 

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