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2021年03月06日 (土) | 編集 |
自己中ヒーローの覚醒。
これは面白い!
中国の神怪小説の古典、「封神演義」の神々が現代に転生し、因縁の抗争を繰り広げるCGアニメーション映画。
本作の主人公は、少年神ナタ(哪吒)が転生した若者・雲祥。
ナタといえば「封神演義」「西遊記」などで活躍し、アニメーションキャラクターとしても懐かしの「ナーザの大暴れ」、最近では「羅小黒戦記〜ぼくが選ぶ未来」にも顔を出していた道教のスーパースター。
ただこの人、もの凄く強いけど、傲慢で自分のことしか考えないワガママなヒーローなのだ。
今回転生したナタの敵となるのは、東海龍王とその息子の三太子の生まれ変わり。
しかし両者の抗争は、元を辿ればナタが強大な魔力を持つ宝貝を付けたまま水浴びした結果、東海を揺るがし龍王の住む龍宮をぶっ壊してしまったことから始まる。
これを糺すために赴いた三太子と部下の夜叉を惨殺するという、あまりの暴虐っぷりにブチ切れた龍王の訴えにより両親の前で自害させられた。
いや、そりゃ恨み買うでしょ。
元はと言えば自分が悪いんじゃんという話だから、今回は未熟なナタ改め雲祥の成長物語。
特筆すべきはスチームパンクな世界観で、舞台となるのはまるで30〜50年代の西洋と東洋が入り混じった様なカオスの都市・東海市。
ストリートレースをしている不良少年雲祥の、アールデコ調のバイクがむっちゃカッコいい。
これおそらく“1930 Art Deco Henderson”という、有名なワンオフのカスタムバイクにインスパイアされたデザインだろう。
クラブ歌手で雲祥の幼馴染のヒロイン、カーシャはロシア系?
ロシア革命後の数十年間は中国北東部に多くの亡命者がいたと言うから、大体その時代をイメージしているのかも知れない。
ここを支配している財閥のボス・徳会長が実は東海龍王が転生した姿で、性格の悪い息子の三太子改めて三公主が雲祥と出会ったことから、再び運命が動き出す。
基本的な物語の流れは、原作と同じ。
まだナタの力が完全に覚醒してない雲祥に、まずは夜叉、次いで中ボスの三公主、ラスボスの徳会長が立ちはだかる。
雲祥は廃工場に秘密基地を作っている、猿の仮面を被った謎の男を師匠に、戦闘スキルを上げてゆくのだが、彼には過去のナタとは違う弱点がある。
神ではなく人間として生きる雲祥には守るべき人たちが沢山いて、龍王親子の攻撃の中、皆を守りながら戦わざるを得ないのだ。
自分のせいで人々が苦しむという痛みと葛藤が、雲祥と同時に彼の内なるナタを成長させてゆく。
これは力任せに好き勝手暴れ、他人に迷惑をかけていたガキっぽい神様が、その力が何のためにあるのかを理解し、真に他人に寄り添えるまでの物語なのだ。
展開はめっちゃ早いが、語りは親切で分かりやすい。
戦いになると、それぞれのキャラクターの背後に、“原神”という形で本来の姿が光で現れるのはゲームっぽいが、おかげでエフェクトアニメーションがバリバリのバトルシークエンスは相当派手。
MCUから「レディ・プレイヤー1」まで、いい意味でハリウッド映画の影響が強いのも、観やすさに繋がっている。
とりあえず本作はビギニング的作りで、シリーズ化するつもり満々。
次回は原作でお馴染みの“あの人”が出てくるみたいだが、チャラい雰囲気はやっぱヴィラン?
「封神演義」をはじめとする中国古典は、作品間のクロスオーバーもあり、いわば「◯◯ユニヴァース」の元祖。
人気キャラクターを、現在風にアレンジして復活させるアイディアは、大きな可能性を感じさせる。
本作や「羅小黒戦記」など、現代中国のエンターテイメントを日本に紹介する、チームJoyの活動は、着実に実を結びつつあるのではないか。
趙霽監督の前作、「白蛇 縁起」の正式公開決定も喜ばしい。
日本でも東映動画版「白蛇伝」や、東宝の「白夫人の妖恋」で知られる「白蛇伝説」を大胆にアレンジした中米合作映画で、本作以上に素晴らしい仕上がりだ。
日本語版も作られると言うから、楽しみに待ちたい。
今回は東海龍王が水を支配しようとする話だったので、「ドラゴン・ウォーター」をチョイス。
紹興酒60mlと適量の烏龍茶を、氷を入れたタンブラーに注ぎ、軽くステアする。
二つの中国材料を使う、ザ・チャイニーズ・カクテル。
クセがある紹興酒は、苦手な人も多いだろうが、烏龍茶で割ることで、だいぶ飲みやすくなる。
まあ、独特の薬っぽさはやっぱ残るんだけど。
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これは面白い!
中国の神怪小説の古典、「封神演義」の神々が現代に転生し、因縁の抗争を繰り広げるCGアニメーション映画。
本作の主人公は、少年神ナタ(哪吒)が転生した若者・雲祥。
ナタといえば「封神演義」「西遊記」などで活躍し、アニメーションキャラクターとしても懐かしの「ナーザの大暴れ」、最近では「羅小黒戦記〜ぼくが選ぶ未来」にも顔を出していた道教のスーパースター。
ただこの人、もの凄く強いけど、傲慢で自分のことしか考えないワガママなヒーローなのだ。
今回転生したナタの敵となるのは、東海龍王とその息子の三太子の生まれ変わり。
しかし両者の抗争は、元を辿ればナタが強大な魔力を持つ宝貝を付けたまま水浴びした結果、東海を揺るがし龍王の住む龍宮をぶっ壊してしまったことから始まる。
これを糺すために赴いた三太子と部下の夜叉を惨殺するという、あまりの暴虐っぷりにブチ切れた龍王の訴えにより両親の前で自害させられた。
いや、そりゃ恨み買うでしょ。
元はと言えば自分が悪いんじゃんという話だから、今回は未熟なナタ改め雲祥の成長物語。
特筆すべきはスチームパンクな世界観で、舞台となるのはまるで30〜50年代の西洋と東洋が入り混じった様なカオスの都市・東海市。
ストリートレースをしている不良少年雲祥の、アールデコ調のバイクがむっちゃカッコいい。
これおそらく“1930 Art Deco Henderson”という、有名なワンオフのカスタムバイクにインスパイアされたデザインだろう。
クラブ歌手で雲祥の幼馴染のヒロイン、カーシャはロシア系?
ロシア革命後の数十年間は中国北東部に多くの亡命者がいたと言うから、大体その時代をイメージしているのかも知れない。
ここを支配している財閥のボス・徳会長が実は東海龍王が転生した姿で、性格の悪い息子の三太子改めて三公主が雲祥と出会ったことから、再び運命が動き出す。
基本的な物語の流れは、原作と同じ。
まだナタの力が完全に覚醒してない雲祥に、まずは夜叉、次いで中ボスの三公主、ラスボスの徳会長が立ちはだかる。
雲祥は廃工場に秘密基地を作っている、猿の仮面を被った謎の男を師匠に、戦闘スキルを上げてゆくのだが、彼には過去のナタとは違う弱点がある。
神ではなく人間として生きる雲祥には守るべき人たちが沢山いて、龍王親子の攻撃の中、皆を守りながら戦わざるを得ないのだ。
自分のせいで人々が苦しむという痛みと葛藤が、雲祥と同時に彼の内なるナタを成長させてゆく。
これは力任せに好き勝手暴れ、他人に迷惑をかけていたガキっぽい神様が、その力が何のためにあるのかを理解し、真に他人に寄り添えるまでの物語なのだ。
展開はめっちゃ早いが、語りは親切で分かりやすい。
戦いになると、それぞれのキャラクターの背後に、“原神”という形で本来の姿が光で現れるのはゲームっぽいが、おかげでエフェクトアニメーションがバリバリのバトルシークエンスは相当派手。
MCUから「レディ・プレイヤー1」まで、いい意味でハリウッド映画の影響が強いのも、観やすさに繋がっている。
とりあえず本作はビギニング的作りで、シリーズ化するつもり満々。
次回は原作でお馴染みの“あの人”が出てくるみたいだが、チャラい雰囲気はやっぱヴィラン?
「封神演義」をはじめとする中国古典は、作品間のクロスオーバーもあり、いわば「◯◯ユニヴァース」の元祖。
人気キャラクターを、現在風にアレンジして復活させるアイディアは、大きな可能性を感じさせる。
本作や「羅小黒戦記」など、現代中国のエンターテイメントを日本に紹介する、チームJoyの活動は、着実に実を結びつつあるのではないか。
趙霽監督の前作、「白蛇 縁起」の正式公開決定も喜ばしい。
日本でも東映動画版「白蛇伝」や、東宝の「白夫人の妖恋」で知られる「白蛇伝説」を大胆にアレンジした中米合作映画で、本作以上に素晴らしい仕上がりだ。
日本語版も作られると言うから、楽しみに待ちたい。
今回は東海龍王が水を支配しようとする話だったので、「ドラゴン・ウォーター」をチョイス。
紹興酒60mlと適量の烏龍茶を、氷を入れたタンブラーに注ぎ、軽くステアする。
二つの中国材料を使う、ザ・チャイニーズ・カクテル。
クセがある紹興酒は、苦手な人も多いだろうが、烏龍茶で割ることで、だいぶ飲みやすくなる。
まあ、独特の薬っぽさはやっぱ残るんだけど。

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