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ショートレビュー「ラーヤと龍の王国・・・・・評価額1700円」
2021年03月13日 (土) | 編集 |
“信頼”があれば、世界は変わる。

ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオの、59作目の劇場用長編作品。
ディズニーマークをスクリーンで見るのも久しぶりだが、短編付きはいつ以来だろう。
人を石に変えてしまう魔物ドルーンが跋扈する、東南アジアっぽい異世界を舞台に、かつてドルーンを封じ込めた伝説の龍、シスーを探すラーヤの冒険が描かれる。
傑作「ベイマックス」のドン・ホールと、「ブラインド・スポッティング」のカルロス・ロペス・エストラーダという、アニメーション+実写の二人が共同監督。
主人公のラーヤを「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」のケリー・マリー・トラン、相方となるシスーをみんな大好きオークワフィナが演じる。

世界観の設定はちょっとややこしいが、冒頭でサクッと解説してくれる。
500年の昔、世界はクマンドラと呼ばれる人と龍が共生する平和な楽園だった。
ところがドルーンが現れ人々を襲い始めると、龍たちはその身を犠牲として聖なる力を秘めた龍の石を作る。
石を託された最後の龍であるシスーは、ドルーンを封じ自らも姿を消す。
龍がいなくなったクマンドラは、五つの国に分割されお互いいがみ合うようになる。
タイトルロールのラーヤは、五つの国のうち龍の石を守護する、ハート国のプリンセスだったのだが、友達だと信じていたファング国のナマーリに裏切られ、龍の石は5つに割れて5カ国に分散。
同時にドルーンが復活したことで、世界の大半は石化して滅びてしまい、人々はドルーンが近付けない川や海など、水のある場所のみで辛うじて生き残って生活している。

ハリウッドのアニメーションではお馴染みのドラゴンだが、本作の場合は怪物的な西洋の「竜」ではなく、東洋の水の神「龍」なのがポイント。
龍の石が割れてしまったことで、封じ込められていたドルーンの群れが復活し、ハート国はほとんど石化。
代々龍の石の守護者だった父王も石化してしまい、責任を感じたラーヤは国を元に戻すために、伝説の龍シスーと砕けた龍の石を探し求めるているのだ。
巨大なアルマジロというか、ダンゴムシみたいなペットが、ラーヤの乗り物にもなるのが面白い(名前がトゥクトゥクってw)。

これは“信頼”に関する物語で、純粋だったラーヤはナマーリに裏切られた結果、人間を信じられなくなっている。
いやラーヤだけではない。
ドルーンから身を守るために龍の石の破片を奪い合った人間たちは、お互いを不信の目でしか見られなくなってしまっているのだ。
そんな不通となった人間たちを、ようやく探し当てたたシスーが変えてゆく。
このシスー、あんまり伝説の龍っぽくなく、オークワフィナの饒舌なるマシンガントークの影響もあって印象はかなりチャラい。
シスーは人間に化けることの可能で、その時のキャラはオークワフィナ本人そっくり。
しかし彼女の行動原理は、終始一貫して「相手を信じる」ことに基づいているのである。
結果、そのことによって危機に陥ったりもするのだが、徐々に共に行動する旅の仲間も増え、ラーヤも信頼こそが不通を乗り越え、世界を一つにする唯一の手段だと少しずつ理解してゆく。

この辺りは、ドン・ホールの前作「ベイマックス」とも通じるテーマ性。
絶体絶命のクライマックスで、それまでの展開から言っても一番信用ならないある人物に、全ての信頼を預ける展開は秀逸。
これこそが、500年前に龍たちが世界を救うためにとった行動の、裏返しになるのである。
人間はお互いの関係が全てで、一人では生きていけないことを、全然説教臭くなく物語のカタルシスと映像のスペクタクルと共に描き切るのはさすが。
まあ細かい設定がちょい都合良すぎたり、猿軍団と赤ちゃん詐欺師のノイが便利すぎる(もしかして赤んぼ少女なのかw?)気はするが。
「モアナと伝説の海」「アナと雪の女王2」もアドベンチャー要素が強かったが、本作も同様。
かつてはディズニーの代名詞だった恋愛要素は見事なまでにゼロだが、とても良く出来たプリンセスの冒険譚だ。
そろそろ、「王政なんて古い!革命だ!」て叫ぶプリンセスが出てきても、おかしくなさそうだな。

併映の短編「あの頃をもう一度」は、老いた自分を受け入れられないじいちゃんが、不思議な雨によって若返り、ばあちゃんと二人で若い頃の様に踊りまくる。
だけど永遠の雨はなく、終わりは必ずやってくる。
避けられない老いに、どう向き合うのかをテーマとした佳作。

今回は、平和を求める冒険だったので、「グリーンピース」をチョイス。
“緑の豆”ではなくて“緑の平和”の方。
メロン・リキュール(ミドリ)30ml、ブルー・キュラソー20ml、パイナップル・ジュース15ml、レモン・ジュース1tsp、生クリーム15mlをシェイクしてグラスに注ぐ。
フルーティーな素材を生クリームがまとめあげ、スィートな味わいの中で酸味がよいアクセント。
翡翠を思わせる、美しいカクテルだ。

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