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2022年06月16日 (木) | 編集 |
頭文字“G”
野村周平演じるeスポーツの日本チャンピオンが、リアルなドリフト競技のチームからドライバーとしてスカウトされる。
21世紀ならではの筋立てに、“ドリキン”土屋圭市が監修に加わりリアリティを与え、「SHINOBI」の下山天監督がメガホンを取った。
主人公の大羽紘一は幼い頃からゲームだけが生きがいの、コミュ障気味の孤独なギーク。
リサイクル工場で働いているが、同僚とも関係を築けずに孤立している。
そんな彼のことを、吉川愛が演じるチームのメカニック、武藤夏美が聞きつけ実車テストを持ちかける。
彼女の父の陣内孝則はかつてのチャンピオンだが、もう何年も勝てておらず、昨シーズンの事故で怪我をして走れない。
代わりのドライバー探しにも苦労しており、チームは解散の危機にあるというワケ。
秘めたる才能を持つ孤独な男が、潰れかけたチームの救世主となり、現実の居場所を見つけるストーリーなんだが、熱血スポ根ものの王道の展開だ。
ドリフトはモータースポーツでは珍しい、日本発祥の比較的新しい競技だ。
元々ラリーやジムカーナなどで、急速に向きを帰るため、タイヤをスライドさせるテクニック。
時にはクルマが真横を向いて飛んでくる派手さが注目され、やがていかに見せるのかというパフォーマンスとなり、90年代の日本で次第に競技スポーツとして発展していった。
日本の頂点を決めるD1 GRAND PRIXは2000年に始まり、すでに20年以上の歴史を誇る。
海外でも映画「ワイルド・スピード」シリーズとの相乗効果による、日本製スポーツカーのブームと相まってブレイクし、今では世界中で様々な大会が開かれている。
もちろん、ドリフト走行自体は過去のカーアクション映画で散々描かれていて、邦画では「ドリフト」なんて公道レースの映画もあったが、競技スポーツとしてのドリフトを中心的なモチーフとした作品は、私の知る限り初めてだ。
ゲームのチャンピオンが、現実の競技でも勝てるの?という漫画チックな物語ではあるが、完全に荒唐無稽とは言い切れない。
当然、ゲームでは実車と違ってキツイGもなければ、お尻の感覚を使ってタイヤの動きを感じ取るなんてことも出来ない。
しかし、今のゲームはシミュレーターとしてかなり優れていて、F-1レーサーはゲームでコースを覚えるというし、劇中でも言及があるが実際にゲーマー出身の実車ドライバーもいる。
まあ大羽みたいに、乗っていきなり才能開花させるのは無理ゲーな気もするが、こんな奴もいるかも?というギリギリのリアリティを保っているのがポイント。
登場するキャラクターも、頑固一徹なその道のベテランに、いけすかないイケメンのライバル、紅一点の女性メカニックと徹底的に類型的だが、これはこれで良い。
予測不能なのはドリフト競技の局面だから、人間ドラマはある程度、それぞれの役割が決まった予定調和でいい。
それでも、主人公の葛藤はドリフトと同じく、どっちに転ぶか分からなくしたのは上手い。
物語の冒頭から抱えている自分の居場所の問題から、後半は生き方の選択の自由へという展開は、実に今風なものだ。
特筆すべきは、やはりビジュアル。
ドローンやアクションカメラを駆使したドリフト映像は、中継映像では不可能なヨリを実現していて、手に汗握る。
絶対これ、カメラ壊れてるよね~ってショットも複数。
その分、シチュエーションごとに画質もバラバラ。
iPhone映像を混ぜ込んだ「シン・ウルトラマン」の場合、画質の違いがちょっとした違和感につながってしまっていたが、本作の場合は不統一の荒い映像が逆に異様な迫力を生み出してる。
また普通のレースと違って、単走、もしくは1対1のタイマンであるというドリフト競技の特性が、より漫画チックな対立局面を生み出し、撮影のしやすさ(=同時に大量のクルマを走らせる必要が無い)も大きな利点。
ハリウッド映画のように潤沢な予算のない日本映画で、競技の特性を生かした上で、これだけ未見性のある映像を作り出した作り手には、拍手を贈りたい。
邦画のモータースポーツ映画で、トップクラスの仕上がりだ。
今回は、福島県のエビスサーキットが重要な舞台になるので、えびす繋がりで「エビスビール」をチョイス。
明治20年に創業した日本麦酒醸造會社をルーツに、130年以上の歴史を持つ。
当初はドイツ人の技術指導によって作られたドルトムンダースタイル、日本で唯一ビールの銘柄から命名された地名としても知られている。
ドリフト競技も、いつかエビスビールのような長い歴史を持つのだろうな。
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野村周平演じるeスポーツの日本チャンピオンが、リアルなドリフト競技のチームからドライバーとしてスカウトされる。
21世紀ならではの筋立てに、“ドリキン”土屋圭市が監修に加わりリアリティを与え、「SHINOBI」の下山天監督がメガホンを取った。
主人公の大羽紘一は幼い頃からゲームだけが生きがいの、コミュ障気味の孤独なギーク。
リサイクル工場で働いているが、同僚とも関係を築けずに孤立している。
そんな彼のことを、吉川愛が演じるチームのメカニック、武藤夏美が聞きつけ実車テストを持ちかける。
彼女の父の陣内孝則はかつてのチャンピオンだが、もう何年も勝てておらず、昨シーズンの事故で怪我をして走れない。
代わりのドライバー探しにも苦労しており、チームは解散の危機にあるというワケ。
秘めたる才能を持つ孤独な男が、潰れかけたチームの救世主となり、現実の居場所を見つけるストーリーなんだが、熱血スポ根ものの王道の展開だ。
ドリフトはモータースポーツでは珍しい、日本発祥の比較的新しい競技だ。
元々ラリーやジムカーナなどで、急速に向きを帰るため、タイヤをスライドさせるテクニック。
時にはクルマが真横を向いて飛んでくる派手さが注目され、やがていかに見せるのかというパフォーマンスとなり、90年代の日本で次第に競技スポーツとして発展していった。
日本の頂点を決めるD1 GRAND PRIXは2000年に始まり、すでに20年以上の歴史を誇る。
海外でも映画「ワイルド・スピード」シリーズとの相乗効果による、日本製スポーツカーのブームと相まってブレイクし、今では世界中で様々な大会が開かれている。
もちろん、ドリフト走行自体は過去のカーアクション映画で散々描かれていて、邦画では「ドリフト」なんて公道レースの映画もあったが、競技スポーツとしてのドリフトを中心的なモチーフとした作品は、私の知る限り初めてだ。
ゲームのチャンピオンが、現実の競技でも勝てるの?という漫画チックな物語ではあるが、完全に荒唐無稽とは言い切れない。
当然、ゲームでは実車と違ってキツイGもなければ、お尻の感覚を使ってタイヤの動きを感じ取るなんてことも出来ない。
しかし、今のゲームはシミュレーターとしてかなり優れていて、F-1レーサーはゲームでコースを覚えるというし、劇中でも言及があるが実際にゲーマー出身の実車ドライバーもいる。
まあ大羽みたいに、乗っていきなり才能開花させるのは無理ゲーな気もするが、こんな奴もいるかも?というギリギリのリアリティを保っているのがポイント。
登場するキャラクターも、頑固一徹なその道のベテランに、いけすかないイケメンのライバル、紅一点の女性メカニックと徹底的に類型的だが、これはこれで良い。
予測不能なのはドリフト競技の局面だから、人間ドラマはある程度、それぞれの役割が決まった予定調和でいい。
それでも、主人公の葛藤はドリフトと同じく、どっちに転ぶか分からなくしたのは上手い。
物語の冒頭から抱えている自分の居場所の問題から、後半は生き方の選択の自由へという展開は、実に今風なものだ。
特筆すべきは、やはりビジュアル。
ドローンやアクションカメラを駆使したドリフト映像は、中継映像では不可能なヨリを実現していて、手に汗握る。
絶対これ、カメラ壊れてるよね~ってショットも複数。
その分、シチュエーションごとに画質もバラバラ。
iPhone映像を混ぜ込んだ「シン・ウルトラマン」の場合、画質の違いがちょっとした違和感につながってしまっていたが、本作の場合は不統一の荒い映像が逆に異様な迫力を生み出してる。
また普通のレースと違って、単走、もしくは1対1のタイマンであるというドリフト競技の特性が、より漫画チックな対立局面を生み出し、撮影のしやすさ(=同時に大量のクルマを走らせる必要が無い)も大きな利点。
ハリウッド映画のように潤沢な予算のない日本映画で、競技の特性を生かした上で、これだけ未見性のある映像を作り出した作り手には、拍手を贈りたい。
邦画のモータースポーツ映画で、トップクラスの仕上がりだ。
今回は、福島県のエビスサーキットが重要な舞台になるので、えびす繋がりで「エビスビール」をチョイス。
明治20年に創業した日本麦酒醸造會社をルーツに、130年以上の歴史を持つ。
当初はドイツ人の技術指導によって作られたドルトムンダースタイル、日本で唯一ビールの銘柄から命名された地名としても知られている。
ドリフト競技も、いつかエビスビールのような長い歴史を持つのだろうな。

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