2022年09月14日 (水) | 編集 |
トンネルの先に待つものは?
ある年の夏、その中では欲しいものが何でも手に入るという、都市伝説の不思議なトンネルを見つけた高校生男女の物語。
ただし、トンネルの中では外界の数千分の一の速度でしか、時間が経過しない。
そのため、人呼んで「ウラシマトンネル」に入った者は、「今」を失ってしまうのだ。
八目迷の同名ライトノベルを、「デジモン」シリーズの完結編「デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆」の田口智久監督が映画化した作品。
前作は、高校生編の「tri.」6部作の低迷を吹き飛ばすくらい素晴らしかったが、脚本を兼務した今作もなかなかの仕上がりだ。
アニメーション制作をCLAPが担当し、トンネルを見つける塔野カオルと花城あんずを、オーディションで選ばれた鈴鹿央士と飯豊まりえが好演している。
主人公の二人には、どうしても欲しいものがある。
カオルは、妹のカレンを事故で亡くしており、その後母親が家を出て行き、酒に溺れて酔っては自分を責める父親と二人暮らし。
彼は妹の事故が自分のせいで起こったと感じており、カレンを取り戻せば、再び幸せな家族を取り戻せると信じているのだ。
一方のあんずは、売れない漫画家だった祖父に影響を受けて漫画を描いているのだが、柊生金に困っていた祖父を知る両親に、強硬に反対されている。
彼女は祖父の血を受け継いでいる自分にも才能は無いと思い込んでいて、この世に名を残せるだけの圧倒的な才能を欲しているのである。
一人は永遠に失ってしまったもの、一人は今は持っていないもの。
しかしウラシマトンネルは、あまりにも謎めいているため、二人はまず「共同戦線」を組んでトンネルのことを調べ始める。
トンネルの中と外ではどれだけ時間の流れが違うのか、中と外で連絡は取り合えるのか、一体どこまで続いているのか、はたして本当に「欲しいもの」を得られるのか。
前半の展開は、トンネルの秘密を探るミステリタッチ。
ウラシマトンネルに入ると、中の108秒で外では3日が経過する。
仮に24時間トンネルを進むと、その時点で6年半の歳月が経ってしまう。
文字通りの浦島太郎だ。
そして、一夏の共同作業の間に、共に孤独を抱えたカオルとあんずは惹かれ合うようになる。
目の前の「今」を犠牲にしてまで、手に入れる必要のあるものなど、本当にあるのか?と言う渇望と葛藤が、ピュアなラブストーリーと絡み合う。
やがてある事情から、カオルとあんずの運命は分かれて行くのである。
最初はやむなく共闘している男女が、いつの間にか運命の恋人同士となるも、異なる時間によって分かたれる展開は、「君の名は。」を思わせる。
あの映画では二人の時間は最初からずれていたが、こちらではキャラクターの意思によって、人生が枝分かれして行くのだ。
そして、過去への執着に囚われていたカオルは、トンネルが見せてくれる世界によって、心の奥底で本当に必要としているものが何かに気付くのである。
原作で描かれるウラシマトンネルは、見た目はごく普通の廃トンネルらしいが、映画では森の中の岩に開いた三角形の洞窟で、内側には光る葉をつけた紅葉の様な奇妙な並木が果てしなく続いていると言う、幻想的なビジュアルデザインを採用し、傘と向日葵の様な、映像作品ならではの視覚的な象徴性も工夫されている。
CLAPによる映像的なクオリティも高く、ジュブナイルファンタジーとして上々の仕上がりだ。
しかし13年の歳の差、ほんとに上手くいくのか?劇場で配っていた続編冊子「さよならのあと、いつもの入り口へ」では、まずまずよろしくやってたみたいだけど。
今回は、一夏の物語なので夏のカクテル「ブルー・ハワイ」をチョイス。
ブルー・キュラソー20ml、ドライ・ラム30ml、パイナップル・ジュース30ml、レモン・ジュース15mlをシェイクして、クラッシュド・アイスを入れたグラスに注ぐ。
最後にカットしたパイナップルを飾って、ストローを2本さして完成。
鮮やかなブルーは目にも楽しく、ラムの優しく甘い香りとフルーツの酸味は初恋の味。
2本のストローで、大切なあの人とシェアしたい?
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ある年の夏、その中では欲しいものが何でも手に入るという、都市伝説の不思議なトンネルを見つけた高校生男女の物語。
ただし、トンネルの中では外界の数千分の一の速度でしか、時間が経過しない。
そのため、人呼んで「ウラシマトンネル」に入った者は、「今」を失ってしまうのだ。
八目迷の同名ライトノベルを、「デジモン」シリーズの完結編「デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆」の田口智久監督が映画化した作品。
前作は、高校生編の「tri.」6部作の低迷を吹き飛ばすくらい素晴らしかったが、脚本を兼務した今作もなかなかの仕上がりだ。
アニメーション制作をCLAPが担当し、トンネルを見つける塔野カオルと花城あんずを、オーディションで選ばれた鈴鹿央士と飯豊まりえが好演している。
主人公の二人には、どうしても欲しいものがある。
カオルは、妹のカレンを事故で亡くしており、その後母親が家を出て行き、酒に溺れて酔っては自分を責める父親と二人暮らし。
彼は妹の事故が自分のせいで起こったと感じており、カレンを取り戻せば、再び幸せな家族を取り戻せると信じているのだ。
一方のあんずは、売れない漫画家だった祖父に影響を受けて漫画を描いているのだが、柊生金に困っていた祖父を知る両親に、強硬に反対されている。
彼女は祖父の血を受け継いでいる自分にも才能は無いと思い込んでいて、この世に名を残せるだけの圧倒的な才能を欲しているのである。
一人は永遠に失ってしまったもの、一人は今は持っていないもの。
しかしウラシマトンネルは、あまりにも謎めいているため、二人はまず「共同戦線」を組んでトンネルのことを調べ始める。
トンネルの中と外ではどれだけ時間の流れが違うのか、中と外で連絡は取り合えるのか、一体どこまで続いているのか、はたして本当に「欲しいもの」を得られるのか。
前半の展開は、トンネルの秘密を探るミステリタッチ。
ウラシマトンネルに入ると、中の108秒で外では3日が経過する。
仮に24時間トンネルを進むと、その時点で6年半の歳月が経ってしまう。
文字通りの浦島太郎だ。
そして、一夏の共同作業の間に、共に孤独を抱えたカオルとあんずは惹かれ合うようになる。
目の前の「今」を犠牲にしてまで、手に入れる必要のあるものなど、本当にあるのか?と言う渇望と葛藤が、ピュアなラブストーリーと絡み合う。
やがてある事情から、カオルとあんずの運命は分かれて行くのである。
最初はやむなく共闘している男女が、いつの間にか運命の恋人同士となるも、異なる時間によって分かたれる展開は、「君の名は。」を思わせる。
あの映画では二人の時間は最初からずれていたが、こちらではキャラクターの意思によって、人生が枝分かれして行くのだ。
そして、過去への執着に囚われていたカオルは、トンネルが見せてくれる世界によって、心の奥底で本当に必要としているものが何かに気付くのである。
原作で描かれるウラシマトンネルは、見た目はごく普通の廃トンネルらしいが、映画では森の中の岩に開いた三角形の洞窟で、内側には光る葉をつけた紅葉の様な奇妙な並木が果てしなく続いていると言う、幻想的なビジュアルデザインを採用し、傘と向日葵の様な、映像作品ならではの視覚的な象徴性も工夫されている。
CLAPによる映像的なクオリティも高く、ジュブナイルファンタジーとして上々の仕上がりだ。
しかし13年の歳の差、ほんとに上手くいくのか?劇場で配っていた続編冊子「さよならのあと、いつもの入り口へ」では、まずまずよろしくやってたみたいだけど。
今回は、一夏の物語なので夏のカクテル「ブルー・ハワイ」をチョイス。
ブルー・キュラソー20ml、ドライ・ラム30ml、パイナップル・ジュース30ml、レモン・ジュース15mlをシェイクして、クラッシュド・アイスを入れたグラスに注ぐ。
最後にカットしたパイナップルを飾って、ストローを2本さして完成。
鮮やかなブルーは目にも楽しく、ラムの優しく甘い香りとフルーツの酸味は初恋の味。
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