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2023年09月29日 (金) | 編集 |
カメだって青春したい。
ニューヨークの下水道に暮らす、ミューテーションした等身大カメたちの活躍を描く「ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ(TMNT)」のリブート作。
人目を避けて暮らしていたタートルズが、人間のエイプリルと友だちとなって、街を危機から救う、という基本設定は過去作と同じ。
彼らがミュータントになった経緯からやってくれるので、アニメーション版も実写版も知らなくて無問題だ。
コメディアンのセス・ローゲンがプロデュースと共同脚本を務め、監督はNetflixで話題を呼んだ「ミッチェル家とマシンの反乱」の脚本家として知られるジェフ・ロウ。
本作ではタートルズのVCに、実際のティーン俳優がキャスティングされているのが特徴で、ジャッキー・チェンやアイス・キューブといった大御所が、遊び心ある役で出演しているのも聴きどころだ。
冒頭のプロローグからテンポよく物語が展開し、映像的な未見性も高く、カメニンジャ映画史上最高傑作が爆誕した。
15年前、ニューヨークの地下に流れ出した謎の液体に触れた四匹のカメ、ミケランジェロ(ジャイモン・ブラウンJr)、ドナテロ(マイカ・アビー)、ラファエロ(ブレイディ・ヌーン)、レオナルド(ニコラス・カントゥ)は、ネズミのスプリンター師匠(ジャッキー・チェン)によって育てられティーンエイジャーになった。
ミュータントを怖がる人間の目を避け、下水道で暮らす毎を送っているが、同年代の人間の様に学校に行ったり、恋をしたり、もっと人生楽しみたいと思っている。
ある夜四人は、ひょんなことからジャーナリスト志望の高校生、エイプリル(アヨ・エビデリ)と友達になる。
彼女はニューヨークで相次いでいる、ハイテク機械を狙ったミュータントの窃盗団のことを調べていた。
もし、自分たちが窃盗団を捕まえれば、ヒーローとして人間社会に受け入れられるのではと思った四人は、エイプリルと協力してスーパーフライ(アイス・キューブ)率いる窃盗団とコンタクトすることに成功するのだが、彼らは恐ろしい計画を立てていた・・・・・
「TMNT」は、長い歴史のあるキャラクターだ。
ケヴィン・イーストマンとピーター・レアードによる、原作コミックが初出版されたのは1984年。
7、80年代のアメリカは、ブルース・リーから始まるカンフー、空手(往々にして両者は混同されていた)が若者たちのブームになっていて、同じ84年には空手少年を描いた「ベスト・キッド」も封切られている。
最初はイーストマンがウケを狙ってレアードに見せた、ヌンチャクを構えたカメのイラストだったと伝えられているが、本来はアメコミヒーローもののパロディとして考えられたキャラクターだ。
ニューヨークの地下に暮らす、ネズミの師匠によって鍛えられた四匹のカメのミュータントいう設定は、映画「アリゲーター」の元ともなった「捨てられたペットが密かに下水道で生き延びている」と言う都市伝説を取り入れたものだろう。
アメコミヒーロー、カラテ、ニンジャ、ティーンエイジのカメのミュータント、都市伝説が組み合わされ、「ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ」と言う、タイトルからして冗談のような作品が生まれた。
ところが、実際に世に出してみると、今までに無いごちゃ混ぜのキャラクターがウケてティーンに大ヒット。
87年からテレビアニメーションの放送がはじまり、1990年にはジム・ヘンソンがキャラクターを手がけた実写映画が公開され、三作が作られた。
以降、2007年のCGアニメーション版、2014年のマイケル・ベイのプロデュースによる実写リブート版など現在までに映画だけで七作が作られている人気シリーズだ。
今回の作品は2007年版に続くCGアニメーションで作られているが、フレームレートを落とした手描き調の画作りが特徴。
おそらく同様の手法で作られた「スパイダーマン:スパイダーバース」の影響が大きいのだろうが、こちらはアンダーグラウンドで燻っているティーンの物語ということで、ビビットな色彩と描き殴った様な荒々しいタッチは、ストリートのグラフィティ・アートを思わせるものだ。
「スパイダーバース」との差別化と、本作独自の世界観をうまく演出している。
本作のこだわりポイントは、キャラクターのリアリティと感情移入のしやすさで、タートルズを全員ティーンが演じてることもこの狙いに沿ったもの。
基本はまだ何者でもなく、人間のキラキラした青春に憧れているカメたち+エイプリルの成長物語だ。
スプリンターとカメたちは、昔人間に差別されたことがあり、それ以来人目のない地下道に暮らし、必要なものだけ商店に忍び込んでは「借りる」暮らしをしている。
だが、ミュータントでもティーンはティーン。
学校に行って友だちをたくさん作ったり、プロムで女の子と踊ったりという人間の生活が羨ましくてたまらない。
彼らに協力するエイプリルは、校内放送に出演した時、緊張のあまり生配信中にゲロしてしまったことがあり、それがトラウマになっている。
2014年の実写版ではミーガン・フォックスが演じていた役だが、本作ではエイプリルもタートルズもずっと普通で等身大のキャラクターなのだ。
一方で、ヴィランとなるスーパーフライのグループも、タートルズと同じルーツを持つミュータントで、同じように人間からの差別を受けている。
要は同じ境遇なのだが、一方は人間の世界に受け入れられることを望み、もう一方は人間を滅ぼすことを望んでいる。
スーパーフライ率いるグループは分かりやすいギャングスタイルで、アイス・キューブのキャラもやりすぎギリギリ。
彼だけではないが、本作のボイスキャストは、演じていてすごく楽しかったんだろうなと思う。
人間への憎悪を一身に集中させ、ゴジラ状態になったスーパーフライVSタートルズはじめとするミュータント軍団のクライマックスも大いに盛り上がる。
ぶっちゃけスケール感が違い過ぎるのと、タートルズがヒーロー活動をはじめたばかりで、かなり頼りなくて絶対勝てそうにないのも効いている。
本作は元々東洋文化に対する憧れがベースにある作品だが、今回は主人公たちが日本の漫画ファン設定なのが面白い。
ゴジラ化したスーパーフライを止めるための最終決戦も、あの「進撃の巨人」のある重要設定が元になっている。
これはここ10年ばかりの間に、アメリカで漫画・アニメが一部のマニアのものでなくなり、すっかり一般化したのをリアルに反映して興味深い。
Netflixでアニメが日本と同時に配信され、生き残っている大型書店に漫画コーナーがドーンとあるなどは、一昔前には考えられなかったことだ。
原作の誕生時点とは違った意味で、21世紀の文化のクロスオーバーを反映し、いい意味で本来のごちゃ混ぜ感を生かした快作となった。
どうやら続編もあるみたいだから、楽しみに待とう。
今回は、動物をミュータントにするクスリっぽい、緑のカクテル「グリーンハット」をチョイス。
氷を入れたタンブラーに、ドライ・ジン25ml、クレーム・ド・ミントグリーン25ml、ソーダ適量を注ぎ、軽くステアして完成。
最大の特徴は、ドライ・ジンとミントがもたらす清涼感。
残暑が異常に長い今年の秋を、多少は涼しくしてくれるだろう。
飲みやすいが、アルコール度数はそれなりに高いので、飲み過ぎには注意。
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ニューヨークの下水道に暮らす、ミューテーションした等身大カメたちの活躍を描く「ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ(TMNT)」のリブート作。
人目を避けて暮らしていたタートルズが、人間のエイプリルと友だちとなって、街を危機から救う、という基本設定は過去作と同じ。
彼らがミュータントになった経緯からやってくれるので、アニメーション版も実写版も知らなくて無問題だ。
コメディアンのセス・ローゲンがプロデュースと共同脚本を務め、監督はNetflixで話題を呼んだ「ミッチェル家とマシンの反乱」の脚本家として知られるジェフ・ロウ。
本作ではタートルズのVCに、実際のティーン俳優がキャスティングされているのが特徴で、ジャッキー・チェンやアイス・キューブといった大御所が、遊び心ある役で出演しているのも聴きどころだ。
冒頭のプロローグからテンポよく物語が展開し、映像的な未見性も高く、カメニンジャ映画史上最高傑作が爆誕した。
15年前、ニューヨークの地下に流れ出した謎の液体に触れた四匹のカメ、ミケランジェロ(ジャイモン・ブラウンJr)、ドナテロ(マイカ・アビー)、ラファエロ(ブレイディ・ヌーン)、レオナルド(ニコラス・カントゥ)は、ネズミのスプリンター師匠(ジャッキー・チェン)によって育てられティーンエイジャーになった。
ミュータントを怖がる人間の目を避け、下水道で暮らす毎を送っているが、同年代の人間の様に学校に行ったり、恋をしたり、もっと人生楽しみたいと思っている。
ある夜四人は、ひょんなことからジャーナリスト志望の高校生、エイプリル(アヨ・エビデリ)と友達になる。
彼女はニューヨークで相次いでいる、ハイテク機械を狙ったミュータントの窃盗団のことを調べていた。
もし、自分たちが窃盗団を捕まえれば、ヒーローとして人間社会に受け入れられるのではと思った四人は、エイプリルと協力してスーパーフライ(アイス・キューブ)率いる窃盗団とコンタクトすることに成功するのだが、彼らは恐ろしい計画を立てていた・・・・・
「TMNT」は、長い歴史のあるキャラクターだ。
ケヴィン・イーストマンとピーター・レアードによる、原作コミックが初出版されたのは1984年。
7、80年代のアメリカは、ブルース・リーから始まるカンフー、空手(往々にして両者は混同されていた)が若者たちのブームになっていて、同じ84年には空手少年を描いた「ベスト・キッド」も封切られている。
最初はイーストマンがウケを狙ってレアードに見せた、ヌンチャクを構えたカメのイラストだったと伝えられているが、本来はアメコミヒーローもののパロディとして考えられたキャラクターだ。
ニューヨークの地下に暮らす、ネズミの師匠によって鍛えられた四匹のカメのミュータントいう設定は、映画「アリゲーター」の元ともなった「捨てられたペットが密かに下水道で生き延びている」と言う都市伝説を取り入れたものだろう。
アメコミヒーロー、カラテ、ニンジャ、ティーンエイジのカメのミュータント、都市伝説が組み合わされ、「ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ」と言う、タイトルからして冗談のような作品が生まれた。
ところが、実際に世に出してみると、今までに無いごちゃ混ぜのキャラクターがウケてティーンに大ヒット。
87年からテレビアニメーションの放送がはじまり、1990年にはジム・ヘンソンがキャラクターを手がけた実写映画が公開され、三作が作られた。
以降、2007年のCGアニメーション版、2014年のマイケル・ベイのプロデュースによる実写リブート版など現在までに映画だけで七作が作られている人気シリーズだ。
今回の作品は2007年版に続くCGアニメーションで作られているが、フレームレートを落とした手描き調の画作りが特徴。
おそらく同様の手法で作られた「スパイダーマン:スパイダーバース」の影響が大きいのだろうが、こちらはアンダーグラウンドで燻っているティーンの物語ということで、ビビットな色彩と描き殴った様な荒々しいタッチは、ストリートのグラフィティ・アートを思わせるものだ。
「スパイダーバース」との差別化と、本作独自の世界観をうまく演出している。
本作のこだわりポイントは、キャラクターのリアリティと感情移入のしやすさで、タートルズを全員ティーンが演じてることもこの狙いに沿ったもの。
基本はまだ何者でもなく、人間のキラキラした青春に憧れているカメたち+エイプリルの成長物語だ。
スプリンターとカメたちは、昔人間に差別されたことがあり、それ以来人目のない地下道に暮らし、必要なものだけ商店に忍び込んでは「借りる」暮らしをしている。
だが、ミュータントでもティーンはティーン。
学校に行って友だちをたくさん作ったり、プロムで女の子と踊ったりという人間の生活が羨ましくてたまらない。
彼らに協力するエイプリルは、校内放送に出演した時、緊張のあまり生配信中にゲロしてしまったことがあり、それがトラウマになっている。
2014年の実写版ではミーガン・フォックスが演じていた役だが、本作ではエイプリルもタートルズもずっと普通で等身大のキャラクターなのだ。
一方で、ヴィランとなるスーパーフライのグループも、タートルズと同じルーツを持つミュータントで、同じように人間からの差別を受けている。
要は同じ境遇なのだが、一方は人間の世界に受け入れられることを望み、もう一方は人間を滅ぼすことを望んでいる。
スーパーフライ率いるグループは分かりやすいギャングスタイルで、アイス・キューブのキャラもやりすぎギリギリ。
彼だけではないが、本作のボイスキャストは、演じていてすごく楽しかったんだろうなと思う。
人間への憎悪を一身に集中させ、ゴジラ状態になったスーパーフライVSタートルズはじめとするミュータント軍団のクライマックスも大いに盛り上がる。
ぶっちゃけスケール感が違い過ぎるのと、タートルズがヒーロー活動をはじめたばかりで、かなり頼りなくて絶対勝てそうにないのも効いている。
本作は元々東洋文化に対する憧れがベースにある作品だが、今回は主人公たちが日本の漫画ファン設定なのが面白い。
ゴジラ化したスーパーフライを止めるための最終決戦も、あの「進撃の巨人」のある重要設定が元になっている。
これはここ10年ばかりの間に、アメリカで漫画・アニメが一部のマニアのものでなくなり、すっかり一般化したのをリアルに反映して興味深い。
Netflixでアニメが日本と同時に配信され、生き残っている大型書店に漫画コーナーがドーンとあるなどは、一昔前には考えられなかったことだ。
原作の誕生時点とは違った意味で、21世紀の文化のクロスオーバーを反映し、いい意味で本来のごちゃ混ぜ感を生かした快作となった。
どうやら続編もあるみたいだから、楽しみに待とう。
今回は、動物をミュータントにするクスリっぽい、緑のカクテル「グリーンハット」をチョイス。
氷を入れたタンブラーに、ドライ・ジン25ml、クレーム・ド・ミントグリーン25ml、ソーダ適量を注ぎ、軽くステアして完成。
最大の特徴は、ドライ・ジンとミントがもたらす清涼感。
残暑が異常に長い今年の秋を、多少は涼しくしてくれるだろう。
飲みやすいが、アルコール度数はそれなりに高いので、飲み過ぎには注意。

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