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ショートレビュー「愛にイナズマ・・・・・評価額1700円」
2023年11月09日 (木) | 編集 |
家族って、めんどくさいけど愛おしい。

相模原障害者施設殺傷事件をモチーフにした衝撃作、「月」が記憶に新しい石井裕也監督が、オリジナル脚本で描くファミリームービー。
初タッグとなる松岡茉優と窪田正孝という実力者を主役に迎え、ちょっと壊れつつも愛にみちた家族の姿をコミカルに綴った。
主人公の折村花子は、初の長編映画の撮影を控えている駆け出しの映画監督。
映画の内容を詰める忙しい毎日の中、ひょんなことから鼻血の染みたアベノマスクをつけた不思議な青年、舘正夫と出会い意気投合。
しかし人生上り調子だったはずが、プロデューサーと助監督の裏切りにあい、長年の夢だった「家族の映画」から自分だけ外されてしまう。
諦めきれない花子は、なぜか正夫を唯一のスタッフに、長年疎遠だった実家でホンモノの家族を撮り始める。

家族という存在が物語のベースにあるのは同じだが、絶望を描く「月」とは対になるようなビター&ハッピーな作品。
崖っぷち映画監督の松岡茉優が、なんとなく東京を彷徨う空気の読めない窪田正孝と出会い、沸々と湧き上がる怒りのパワーを、自分の家族にぶつけて自主映画を撮る。
実家に集うのは、佐藤浩市の父と、BMWを乗り回す池松壮亮のオラオラ系長男、カソリック神父をしている若葉竜也の次男という濃い面々。
時にクセの強さでゲップが出そうになる石井裕也作品の登場人物だが、ここまで全員クセの塊だとかえって見やすい。
家族以外にも、やたらと“業界の常識”を振りかざす三浦貴大の助監督なんて、この人物自身が「こんな奴いねー」的な極端なキャラなんだけど、戯画的な面白さはピカイチだ。
いやーこれは、作者の実体験入ってそうだな。
この映画観て「これ俺じゃね?」ってゾワゾワしている人いるのでは(笑

そもそも花子は、なぜ家族の映画を撮りたいのか。
一家の母親は、ずっと以前に家を出てゆきそれっきり。
父親とはずっと連絡をとっておらず、兄弟同士も疎遠。
実際の家族関係にはあまり恵まれていない花子が、家族の映画を作ろうとする訳は、幼い頃のぼんやりとした思い出にしかいない母親の、本当の気持ちを確かめたいのかも知れない。
まだ長編映画を撮ってないのに、ウイキペディアにページがあるのも、たぶん母親の目に留まればと自分で作ったから。
分解してしまった家族を認めたくなくて、フィクションの映画にすることでケリをつけようとしたのだが、図らずもホンモノの家族で半ドキュメンタリー的に映画を撮り始めたことから、くすぶっていた本音のぶつかり合うところとなる。

しかし末娘の妹キャラは、どんなに口が悪くても、親父や兄貴にとっては本音では可愛くてしょうがないのだ。
怒りにまかせて豪速球で想いを投げても、ブツクサ言いながらもそれを受け止めてくれるのは家族だから。
母親の気持ちが分からなかったとしても、彼女はずっと家族に見守られてきたのである。
怒って笑って泣いて、採取的には大いなる愛に着地する。
アフターコロナの時代感も上手く生かされ、怒りをモチベーションにする者、達観するもの、変えようとする者、包み込む者、それぞれの立場から家族という存在が立体的に浮かび上がる。
なかなかに味わい深い、「家族の映画」である。

本作はどこが舞台なのか定かでないのだが、益岡徹が経営している美味しそうな海鮮料理の店が出てくるので、海の幸にぴったりの日本酒「酔鯨 純米大吟醸 山田錦」をチョイス。
銘柄は自ら「鯨海酔侯」と名乗った幕末の土佐藩主、山内豊信に因んだもの。
フルーティな吟醸香も爽やかで、すっきりした味わいは、脂の乗ったお刺身などと楽しみたい。

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