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2017年05月01日 (月) | 編集 |
誰のために、闘うのか。
中国武術・詠春拳葉問派宗師、葉問(イップ・マン)の活躍を描くシリーズ第三弾。
監督のウィルソン・イップ、脚本のエドモンド・ウォン、音楽の川井憲次ら主なスタッフは続投。
1930年代、日本軍占領下の仏山から始まった物語は、前作で終戦直後の香港に移り、今回は10年後の1959年。
イギリス領香港では、マイク・タイソン演じる悪徳外国人が、警察上層部とも結託し街を牛耳り、チンピラを使って小学校の地上げ買収を画策。
放火や誘拐をもいとわない彼らに対して、イップ一門が立ち上がる。
このいかにも勧善懲悪なストーリーが、いつの間にか詠春拳の継承を巡る同門対決に展開するのだが、この作品のバックボーンとなっているのは、イップと妻ウィンシンの夫婦愛の物語なのだ。
これにより、プライドがぶつかり合う男たちの物語がグッと深みを増し、シリーズ最高傑作と言って良い出来栄えとなった。
近年では「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」や「トリプルⅩ:再起動」などのハリウッド映画でも大活躍だが、ドニー・イェンが一番輝くのはやっぱりこの役。
ウォン・カーウァイの「グランド・マスター」で、トニー・レオンが演じた寡黙なイップ・マンも魅力的だったが、ドニーのクールだけど愛嬌のあるキャラクターは、良い意味で昔ながらの香港映画の味わいがある。
今回は、第一作から四半世紀分の年齢を重ねた故か、人物や物語も含めて、色々な意味で丸くなっているのだが、そこがいい。
前二作のクライマックスは、VS日本人、VSイギリス人と戦争と占領の時代にあって、中国人としての誇りを賭けた闘いだったが、今回は違う。
マイク・タイソンとの一戦は、ド迫力だが中盤の山場にとどまり、本当のボスキャラは我こそは詠春拳の正統な後継者だと名乗る、一回り若い同門の武術家チョン・ティンチだ。
だが、彼の挑戦をイップは受けない。
実は、時を同じくして妻のウィンシンが末期癌に侵され、イップは彼女のために残された時間を使うと決めたからだ。
今まで、多くの敵を持つ夫に、人生を振り回されてきたウィンシン。
そんな妻と最後に一緒に踊りたいと、不慣れなダンスを習い、痛みに耐える彼女を、甲斐甲斐しく介護するイップの姿がなんだか可愛い。
しかし、妻のためにとチョンとの勝負を回避した夫の背中を押すのは、やはり彼女なのである。
夫に悔いを残させたまま、死ぬことは出来ない。
困難な時代に、武術家として開花したイップを支え続けたウィンシンにも、彼女なりの矜持がある。
気高く美しいリン・ホンの演技は、間違いなくキャリアベストだ。
観ているこちらも、最強の男が闘う理由、闘わない理由に思わず涙。
夫婦で本懐を遂げるために、ウィンシンの立ち会いのもと始まる、イップVSチョンのお互いに武術家として全てを出し切る功夫決戦は、質量ともに圧巻の仕上がり。
アクションシークエンスは、他にも大小テンコ盛りで、特にマイク・タイソンとの3分限定異種格闘技戦は凄い。
拳が空を切るだけでヘビー級チャンピオンのパンチの重さが伝わって来て、こりゃあイップ・マンじゃなきゃ、一発受けるだけで死ぬわと思わされる。
アクションシーンの編集も、最近ありがちな細切れではなく、きちんと技の流れを見せてくれるのも嬉しい。
功夫映画の場合、これはとても大事なことだ。
ちなみに邦題の「継承」って、ブルース・リーのことかと思っていたが、違った。
彼は出てくるのだけど、結構コミカルなアクセントという感じ。
仕草とはかちょいやり過ぎではあったけど(笑
今回は紹興酒を使ったカクテル「香港フィズ」をチョイス。
氷をいれたタンブラーに紹興酒60mlとジンジャーエール120mlを注ぎ、ステアする。
スライスレモンを飾って完成。
ソフトドリンクライクな、気軽に飲めるライトなカクテルで、中華料理との相性もいい。
紹興酒は独特な味わいから結構好みが分かれるが、カクテルベースとするとなかなか面白い酒だ。
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中国武術・詠春拳葉問派宗師、葉問(イップ・マン)の活躍を描くシリーズ第三弾。
監督のウィルソン・イップ、脚本のエドモンド・ウォン、音楽の川井憲次ら主なスタッフは続投。
1930年代、日本軍占領下の仏山から始まった物語は、前作で終戦直後の香港に移り、今回は10年後の1959年。
イギリス領香港では、マイク・タイソン演じる悪徳外国人が、警察上層部とも結託し街を牛耳り、チンピラを使って小学校の地上げ買収を画策。
放火や誘拐をもいとわない彼らに対して、イップ一門が立ち上がる。
このいかにも勧善懲悪なストーリーが、いつの間にか詠春拳の継承を巡る同門対決に展開するのだが、この作品のバックボーンとなっているのは、イップと妻ウィンシンの夫婦愛の物語なのだ。
これにより、プライドがぶつかり合う男たちの物語がグッと深みを増し、シリーズ最高傑作と言って良い出来栄えとなった。
近年では「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」や「トリプルⅩ:再起動」などのハリウッド映画でも大活躍だが、ドニー・イェンが一番輝くのはやっぱりこの役。
ウォン・カーウァイの「グランド・マスター」で、トニー・レオンが演じた寡黙なイップ・マンも魅力的だったが、ドニーのクールだけど愛嬌のあるキャラクターは、良い意味で昔ながらの香港映画の味わいがある。
今回は、第一作から四半世紀分の年齢を重ねた故か、人物や物語も含めて、色々な意味で丸くなっているのだが、そこがいい。
前二作のクライマックスは、VS日本人、VSイギリス人と戦争と占領の時代にあって、中国人としての誇りを賭けた闘いだったが、今回は違う。
マイク・タイソンとの一戦は、ド迫力だが中盤の山場にとどまり、本当のボスキャラは我こそは詠春拳の正統な後継者だと名乗る、一回り若い同門の武術家チョン・ティンチだ。
だが、彼の挑戦をイップは受けない。
実は、時を同じくして妻のウィンシンが末期癌に侵され、イップは彼女のために残された時間を使うと決めたからだ。
今まで、多くの敵を持つ夫に、人生を振り回されてきたウィンシン。
そんな妻と最後に一緒に踊りたいと、不慣れなダンスを習い、痛みに耐える彼女を、甲斐甲斐しく介護するイップの姿がなんだか可愛い。
しかし、妻のためにとチョンとの勝負を回避した夫の背中を押すのは、やはり彼女なのである。
夫に悔いを残させたまま、死ぬことは出来ない。
困難な時代に、武術家として開花したイップを支え続けたウィンシンにも、彼女なりの矜持がある。
気高く美しいリン・ホンの演技は、間違いなくキャリアベストだ。
観ているこちらも、最強の男が闘う理由、闘わない理由に思わず涙。
夫婦で本懐を遂げるために、ウィンシンの立ち会いのもと始まる、イップVSチョンのお互いに武術家として全てを出し切る功夫決戦は、質量ともに圧巻の仕上がり。
アクションシークエンスは、他にも大小テンコ盛りで、特にマイク・タイソンとの3分限定異種格闘技戦は凄い。
拳が空を切るだけでヘビー級チャンピオンのパンチの重さが伝わって来て、こりゃあイップ・マンじゃなきゃ、一発受けるだけで死ぬわと思わされる。
アクションシーンの編集も、最近ありがちな細切れではなく、きちんと技の流れを見せてくれるのも嬉しい。
功夫映画の場合、これはとても大事なことだ。
ちなみに邦題の「継承」って、ブルース・リーのことかと思っていたが、違った。
彼は出てくるのだけど、結構コミカルなアクセントという感じ。
仕草とはかちょいやり過ぎではあったけど(笑
今回は紹興酒を使ったカクテル「香港フィズ」をチョイス。
氷をいれたタンブラーに紹興酒60mlとジンジャーエール120mlを注ぎ、ステアする。
スライスレモンを飾って完成。
ソフトドリンクライクな、気軽に飲めるライトなカクテルで、中華料理との相性もいい。
紹興酒は独特な味わいから結構好みが分かれるが、カクテルベースとするとなかなか面白い酒だ。

![]() サントリー 紹興酒 曲渓 600ml 2本 |
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この記事へのコメント
こんにちは。
ノラネコさんは、物語がぐっと深みを増し、「シリーズ最高傑作」といってもいいくらいの位置づけなのですね。
私はその「物語の深み」についてが辛くて辛くて…だったのでした。
「大切なのは、そばにいる人だ。」のセリフがもう泣けて~。
ノラネコさんは、物語がぐっと深みを増し、「シリーズ最高傑作」といってもいいくらいの位置づけなのですね。
私はその「物語の深み」についてが辛くて辛くて…だったのでした。
「大切なのは、そばにいる人だ。」のセリフがもう泣けて~。
こんにちは。
私はノラネコさんのこちらの記事でこの作品公開を知り、慌てて観に行きました。
ドニー・イェンのアクションはスロー再生で観てこそ、その素晴らしさがわかると思っているので、ソフトリリースが待ち遠しいです。
チョン・ティンチ主人公のスピンオフにバウチスタが出るというので、それもすご〜く楽しみですわ。
私はノラネコさんのこちらの記事でこの作品公開を知り、慌てて観に行きました。
ドニー・イェンのアクションはスロー再生で観てこそ、その素晴らしさがわかると思っているので、ソフトリリースが待ち遠しいです。
チョン・ティンチ主人公のスピンオフにバウチスタが出るというので、それもすご〜く楽しみですわ。
>ここなつさん
確かに愛ゆえの痛みが大きな作品でした。
でもそれゆえにイップ・マンの成長が見えました。
強いだけでなく、優しい。
功夫映画で泣いたのは久しぶりです。
>ケフコタカハシさん
スピンオフあるんですね。
あのキャラクターはなかなか魅力があるので、面白いんじゃないでしょうか。
イップ・マン4はあるのかな。
確かに愛ゆえの痛みが大きな作品でした。
でもそれゆえにイップ・マンの成長が見えました。
強いだけでなく、優しい。
功夫映画で泣いたのは久しぶりです。
>ケフコタカハシさん
スピンオフあるんですね。
あのキャラクターはなかなか魅力があるので、面白いんじゃないでしょうか。
イップ・マン4はあるのかな。
> 最強の男が闘う理由、闘わない理由に思わず涙。
これが今回の肝でしたねえ。このシリーズのドニーは100%の善人で浮世離れしているのだけど、ドニー・イェンその人が浮世離れ感が強いので非常に適役だと思います。
これが今回の肝でしたねえ。このシリーズのドニーは100%の善人で浮世離れしているのだけど、ドニー・イェンその人が浮世離れ感が強いので非常に適役だと思います。
2017/05/25(木) 22:11:09 | URL | ふじき78 #rOBHfPzg[ 編集]
>ふじき78さん
前回までは彼が善の人であるがゆえに、奥さん振り回されてるとこがあったので、そのツケが回ってきた感じ。
ドニーさんの愛情表現がいちいち可愛かったです。
前回までは彼が善の人であるがゆえに、奥さん振り回されてるとこがあったので、そのツケが回ってきた感じ。
ドニーさんの愛情表現がいちいち可愛かったです。
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1959年、香港。 詠春拳の達人イップ・マンは、弟子の指導に忙しくも充実した毎日を送っていた。 ところが、裏社会に君臨する外国人不動産王フランクが街の土地を買い占め、イップ・マンの息子が通う小学校の土地までもが奪われようとしていた。 警察に訴えても、英国統治の弊害で地元警察は手出しが出来ない。 イップ・マンと弟子たちは学校を警備することに…。 武術アクション。
2017/05/04(木) 07:44:22 | 象のロケット
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◆『イップマン継承』
▲「この手が、この手がいけないんだあ!」
五つ星評価で【★★★★★不安を瞬殺する傑作】
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2017/08/02(水) 00:56:13 | ネタバレ映画館
葉問3/IP MAN 3
2016年
中国/香港
105分
アクション
劇場公開(2017/04/22)
監督:
ウィルソン・イップ
『イップ・マン 葉問』
アクション監督:
ユエン・ウーピン
出演:
ドニー・イェン:イップ・マン
マックス・チャン:チョン・ティンチ
リン・ホン:ウィンシン
パトリック・タム:サン
マイク・タイソン:フランク
カリーナ・ン:黄先生
ケント・チェン:警察官...
2017/09/06(水) 18:19:32 | 銀幕大帝α
甄子丹ドニー・イェン主演のイップ・マンシリーズ第3弾!今度の敵はマイク・タイソン、だけどラスボスかと思ったら前半の中ボスでした。
香港で詠春拳の道場を営む葉問イップ・マン(甄子丹)、息子が通う小学校が地上げ屋に狙われているため、門弟たちと無償で警固に当...
2017/10/09(月) 22:28:59 | まてぃの徒然映画+雑記
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