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2017年07月27日 (木) | 編集 |
青春は、ちょっと痛いんだ!
2015年に公開されたA-1 Pictures制作、長井龍雪監督による長編アニメーション映画「心が叫びたがってるんだ。」の実写リメイクは、思っていた以上にオリジナルに忠実な作りだ。
実写化を手がけた熊澤尚人監督は、アニメーション版のテーマ、エッセンスを残しながら、瑞々しくもちょっとビターな青春寓話を作り上げている。
オリジナルは、お喋り好きで夢見がちな小学生・成瀬順が、ホンモノだと信じていたお城の形をしたラブホテルから、見知らぬ女性と出てきた父親を目撃。
父親を王子と思い込んで、そのことを母親に話したことから、家庭崩壊を招いてしまう。
家を出てゆく父親に、「全部お前のせいじゃないか」と言われ、大きなショックを受けた彼女の前に、玉子の妖精が現れて、「お喋り」を封印される。
以降、人と喋るとお腹が痛くなり、ケータイのメッセージアプリかメモ帳でしか他人とコミュニケーションを取れなくなった順が、高校生になった時にひょんな事からイベント「地域ふれあい交流会」実行委員となり、クラスメイトと自作のミュージカルを上演することになる、というのがプロットのアウトライン。
実行委員に任命されたのは、自らのお喋りに呪われた順、音楽の才能があるが人付き合いの苦手な拓実、中学生の頃拓実と付き合っていた菜月、故障で甲子園の夢を断たれた野球部の大樹。
実は彼ら四人全員が、"言葉"に関係する葛藤を抱えており、順の本当の心を具現化したミュージカル、その名も「青春の向う脛」の制作を通して、それぞれの内面と向き合い、しばしぶつかり合い、悶々とした恋に悩み、いつしか固い友情で結ばれて、成長してゆくという展開は変わらず。
しかし実写化に当たって、表現の違いによるリアリティラインの差は上手く調整されていて、単体の作品として違和感のないものになっている。
オリジナルではキャラクターとして表現されていた玉子の妖精は、玉子型の御守りとして、順の言葉、即ち本心を封じ込める殻としての役割を継承。
時に人を傷つけ、時に人を励まし動かす、言葉の魔力はより強調されていて、それが登場人物たちの葛藤のカタチとなって、自分の言葉で想いを伝えることの大切さを強く印象付けるのである。
全体として、アニメーションという手法ならではのファンタジックな寓意性はやや薄れたが、躍動する若い役者たちの肉体が本作に生々しい独自のカラーを与えている。
なかでも特筆すべきは成瀬順を演じた芳根京子で、喋ると腹痛に襲われてぶっ倒れるという、本作の中でも一番漫画っぽく、一歩間違えるとリアリティを失ってしまう、極めて難しいキャラクターを見事に演じた。
この人の名をはじめて知ったのは、傑作「幕が上がる」の演劇部員役の時。
一見地味ながら非常に演技力の高い人で、本作は彼女あっての作品と言って良いだろう。
また、長井龍雪の作品は、本作のオリジナル、更にその前のフジテレビのノイタミナ枠で放送された名作「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」も、風光明媚な秩父地方が舞台。
自然豊かだが都会から遠過ぎない、身近な田舎の持つ半分の非日常性が魅力だ。
周囲を山に囲まれた風景は、登場人物の微妙な閉塞感など、心象を表現するのにも大きな効果を上げていたが、本作でも秩父のロケーションは踏襲され、夕焼け色を中心に構成された美しいビジュアルは、リリカルで切ない青春のムードを盛り上げる。
元々良く出来た物語だけに、脚色を最小限にしたのは正解だと思うが、改変が機能していない部分もある。
特に、映画の視点を中途半端に順から拓実に移しているのは理解に苦しむ。
オトナの事情で拓実を演じる中島健人を一番手にしたかったのかも知れないが、拓実の描写をそれほど深めている訳でもなく、物語の軸をぶらすだけにしかなっていないのは残念。
そもそもこの話、全ての出来事が順を起点としていて、クライマックスも彼女と母親のわだかまり解消がポイントになっているから、彼女以外は主人公に成り得ないのである。
端的に言って、実写版「心が叫びたがってるんだ。」は、素晴らしい仕上がりだったアニメーション版を超えていないと思うが、夏休みに相応しいなかなかに良く出来た青春映画だ。
オリジナルを知っていても、知らなくても楽しめるし、芳根京子のパフォーマンスを鑑賞するだけでも一定の満足感は得られるだろう。
今回はアニメーション版でも付け合わせた、栃木県足利市のココファーム・ワイナリーの「ここさけ」ならぬ「Coco-Rose(こころぜ)」をチョイス。
ココファームは、知的障害を持つ「こころみ学園」の子どもたちが、社会とかかわりを持てるようにと、60年前に先生と生徒たち自らが山を切り開き、開墾して作った小さなワイナリー。
ココロゼは適度な酸味と仄かな甘味、フルーティーなアロマが楽しめる、フレッシュな味わいの若々しいロゼ。
CPも高く、夏場のワインパーティなどにもオススメだ。
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2015年に公開されたA-1 Pictures制作、長井龍雪監督による長編アニメーション映画「心が叫びたがってるんだ。」の実写リメイクは、思っていた以上にオリジナルに忠実な作りだ。
実写化を手がけた熊澤尚人監督は、アニメーション版のテーマ、エッセンスを残しながら、瑞々しくもちょっとビターな青春寓話を作り上げている。
オリジナルは、お喋り好きで夢見がちな小学生・成瀬順が、ホンモノだと信じていたお城の形をしたラブホテルから、見知らぬ女性と出てきた父親を目撃。
父親を王子と思い込んで、そのことを母親に話したことから、家庭崩壊を招いてしまう。
家を出てゆく父親に、「全部お前のせいじゃないか」と言われ、大きなショックを受けた彼女の前に、玉子の妖精が現れて、「お喋り」を封印される。
以降、人と喋るとお腹が痛くなり、ケータイのメッセージアプリかメモ帳でしか他人とコミュニケーションを取れなくなった順が、高校生になった時にひょんな事からイベント「地域ふれあい交流会」実行委員となり、クラスメイトと自作のミュージカルを上演することになる、というのがプロットのアウトライン。
実行委員に任命されたのは、自らのお喋りに呪われた順、音楽の才能があるが人付き合いの苦手な拓実、中学生の頃拓実と付き合っていた菜月、故障で甲子園の夢を断たれた野球部の大樹。
実は彼ら四人全員が、"言葉"に関係する葛藤を抱えており、順の本当の心を具現化したミュージカル、その名も「青春の向う脛」の制作を通して、それぞれの内面と向き合い、しばしぶつかり合い、悶々とした恋に悩み、いつしか固い友情で結ばれて、成長してゆくという展開は変わらず。
しかし実写化に当たって、表現の違いによるリアリティラインの差は上手く調整されていて、単体の作品として違和感のないものになっている。
オリジナルではキャラクターとして表現されていた玉子の妖精は、玉子型の御守りとして、順の言葉、即ち本心を封じ込める殻としての役割を継承。
時に人を傷つけ、時に人を励まし動かす、言葉の魔力はより強調されていて、それが登場人物たちの葛藤のカタチとなって、自分の言葉で想いを伝えることの大切さを強く印象付けるのである。
全体として、アニメーションという手法ならではのファンタジックな寓意性はやや薄れたが、躍動する若い役者たちの肉体が本作に生々しい独自のカラーを与えている。
なかでも特筆すべきは成瀬順を演じた芳根京子で、喋ると腹痛に襲われてぶっ倒れるという、本作の中でも一番漫画っぽく、一歩間違えるとリアリティを失ってしまう、極めて難しいキャラクターを見事に演じた。
この人の名をはじめて知ったのは、傑作「幕が上がる」の演劇部員役の時。
一見地味ながら非常に演技力の高い人で、本作は彼女あっての作品と言って良いだろう。
また、長井龍雪の作品は、本作のオリジナル、更にその前のフジテレビのノイタミナ枠で放送された名作「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」も、風光明媚な秩父地方が舞台。
自然豊かだが都会から遠過ぎない、身近な田舎の持つ半分の非日常性が魅力だ。
周囲を山に囲まれた風景は、登場人物の微妙な閉塞感など、心象を表現するのにも大きな効果を上げていたが、本作でも秩父のロケーションは踏襲され、夕焼け色を中心に構成された美しいビジュアルは、リリカルで切ない青春のムードを盛り上げる。
元々良く出来た物語だけに、脚色を最小限にしたのは正解だと思うが、改変が機能していない部分もある。
特に、映画の視点を中途半端に順から拓実に移しているのは理解に苦しむ。
オトナの事情で拓実を演じる中島健人を一番手にしたかったのかも知れないが、拓実の描写をそれほど深めている訳でもなく、物語の軸をぶらすだけにしかなっていないのは残念。
そもそもこの話、全ての出来事が順を起点としていて、クライマックスも彼女と母親のわだかまり解消がポイントになっているから、彼女以外は主人公に成り得ないのである。
端的に言って、実写版「心が叫びたがってるんだ。」は、素晴らしい仕上がりだったアニメーション版を超えていないと思うが、夏休みに相応しいなかなかに良く出来た青春映画だ。
オリジナルを知っていても、知らなくても楽しめるし、芳根京子のパフォーマンスを鑑賞するだけでも一定の満足感は得られるだろう。
今回はアニメーション版でも付け合わせた、栃木県足利市のココファーム・ワイナリーの「ここさけ」ならぬ「Coco-Rose(こころぜ)」をチョイス。
ココファームは、知的障害を持つ「こころみ学園」の子どもたちが、社会とかかわりを持てるようにと、60年前に先生と生徒たち自らが山を切り開き、開墾して作った小さなワイナリー。
ココロゼは適度な酸味と仄かな甘味、フルーティーなアロマが楽しめる、フレッシュな味わいの若々しいロゼ。
CPも高く、夏場のワインパーティなどにもオススメだ。

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伝えないと、届かない…
詳細レビューはφ(.. )
https://plaza.rakuten.co.jp/brook0316/diary/201707220000/
実写映画「心が叫びたがってるんだ。」オリジナルサウンドトラック [ 横山克 ]価格:2700円(税込、送料無料) (2017/7/16時点)
2017/07/28(金) 05:51:50 | 日々“是”精進! ver.F
2015年に公開され、ヒットしたアニメ『心が叫びたがってるんだ。』を実写化。他人と関わることが苦手な男子高校生が、地域向けミュージカルを通して、言葉を発するのを避ける同級生の女子と心の距離を縮める。監督は『近キョリ恋愛』などの熊澤尚人。主演に『黒崎くんの言いなりになんてならない』などの中島健人、共演にNHKの連続テレビ小説「べっぴんさん」などの芳根京子、『スプリング、ハズ、カム』などの石井杏...
2017/07/28(金) 21:12:08 | パピとママ映画のblog
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2017/07/29(土) 13:43:40 | 象のロケット
映画『心が叫びたがってるんだ。』(熊澤尚人監督)は、2015年のアニメ映画の実写
2017/07/30(日) 23:30:44 | 大江戸時夫の東京温度
そんなつもりはなかったんです~♪と言われてるのと同じ~♪
2017/08/07(月) 16:01:26 | ネタバレ映画館
☆・・・良かったなぁ^^ オリジナルがアニメ作品ゆえの、非現実的な設定やご都合主義に、瞬間、「おやっ!?」と思わせられるも、すぐに主演4人の演技で説得力を持たされる。 芳根京子はひたむきで、中島健人は優しく、石井杏奈は『ソロモンの偽証』からの演技の幅に驚かされ、寛一郎は率直であった^^ 芳根京子は、個人的な理由であるが、容姿が私の彼女に似ていて、物語上、感情移入しまくりだった。 泣きまくった...
2017/08/12(土) 10:23:30 | 『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭
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