酒を呑んで映画を観る時間が一番幸せ・・・と思うので、酒と映画をテーマに日記を書いていきます。 映画の評価額は幾らまでなら納得して出せるかで、レイトショー価格1200円から+-が基準で、1800円が満点です。
■ お知らせ
※基本的にネタバレありです。ご注意ください。
※当ブログはリンクフリーです。内容の無断転載はお断りいたします。
※ブログ環境の相性によっては、TB・コメントのお返事が出来ない事があります。ご了承ください
エロ・グロ・出会い系のTB及びコメントは、削除の上直ちにブログ管理会社に通報させていただきます。 また記事と無関係な物や当方が不適切と判断したTB・コメントも削除いたします。
■TITLE INDEX
タイトルインディックスを作りました。こちらからご利用ください。
■ ツイッターアカウント
noraneko285でつぶやいてます。ブログで書いてない映画の話なども。
■ FILMARKSアカウント
noraneko285ツイッターでつぶやいた全作品をアーカイブしています。
バーフバリ 伝説誕生/王の凱旋・・・・・評価額1700円
2017年12月22日 (金) | 編集 |
王を讃えよ!

古代インドを舞台とした、叙事詩的貴種流離譚二部作。
タイトルの英雄バーフバリは二人いて、一人はお家騒動で赤ん坊の時に逃がされ、秘密郷で育てられた息子マヘンドラ・バーフバリ、もう一人は民衆の絶大な支持を受けながら、狡猾な従兄弟の罠によって暗殺された父アマレンドラ・バーフバリ。
彼ら親子二代に渡る、壮大な物語が紡がれる。
マッチョな男たちと、絶世の美女たちが繰り広げる異郷の冒険、アクション、ロマンス、宮廷の陰謀、そしてお約束のミュージカルまで、前後篇合わせて怒涛の305分はあっという間。
これはまさに、娯楽映画の満漢全席だ。インドだけど。
ギャングに殺されハエに生まれ変わった男が、愛する人のために戦う奇天烈な冒険映画、「マッキー」を放ったS・S・ラージャマウリ監督は、今回もまた観客の度肝を抜く破天荒な超大作を作り上げた。
「一体どうしてこんなことを思いついたんだ?」と驚愕必至、未見性の塊の様なビジュアルの数々はインド映画でしか作り得まい。
スペクタクル性と単純に面白さで言えば、この冬ピカイチの娯楽超大作だ。
※核心部分に触れています。

滝壺の村に暮らす若者シヴドゥ(プラバース)は、天空にそびえる滝の上の世界に憧れを募らせ、幾度もの挑戦の結果遂に登り切り、美しい女戦士アヴァンティカ(タマンナー)と出会う。
彼女は一帯を支配するマヒュシュマティ王国の暴君、バラーラデーヴァ王(ラーナー・ダッグバーティ)に立ち向かい、25年もの間監禁されているデーヴァセーナ妃(アヌシュ・セッティ)を救い出そうとしていた。
アヴァンティカを助けることになったシヴドゥは、自分を見た敵の兵士たちが「バーフバリ」と呼んで恐れ慄くことを不思議に思う。
実はシヴドゥこそ、暗殺されたアマレンドラ・バーフバリ王子(プラバース二役)の子、マヒュシュマティ王国の正統な後継者、マヘンドラ・バーフバリだったのだ。
数十年前、マヒュシュマティの国祖ヴィクラマデーヴァ王が亡くなり、国務は王兄ビッジャラデーヴァの妃シヴァガミ(ラムヤ・クリシュナ)が代行することになった。
後継者候補はヴィクラマデーヴァの子バーフバリと、ビッジャラデーヴァの子バラーラデーヴァ。
シヴァガミは「二人の王子のうち、より優れた者を王とする」と宣言。
成長した二人は蛮族との戦争で共に武功を立てるが、シヴァガミは味方の犠牲を厭わないバラーラデーヴァではなく、徳の高いバーフバリを選ぶ。
ところが、バーフバリと隣国のデーヴァセーナ姫の結婚を巡り、バーフバリとシヴァガミの関係が悪化、そこに漬け込んだバラーラデーヴァとビッジャラデーヴァの陰謀により、バーフバリは反逆者として暗殺されてしまう・・・


本作は、古代ヒンズー教の叙事詩「マハーバーラタ」に強くインスパイアされているという。
原作というわけではなく、キャラクター設定や構成要素をばらばらに借りてきているのだが、ありとあらゆるエンタメ要素を、満遍なくストーリーラインに敷き詰めた様な驚くべき密度。
二部作となったのは、あまりにてんこ盛りの物語を、どうやっても一本に納められなくなってしまったからだそうだ。
構成としては、マヒシュマティ王国の奪還を目指す息子バーフバリの物語を括弧とし、王家の忠実な家臣カッタッパの語る回想として、父バーフバリの生涯の物語が描かれるという二重構造。
父バーフバリの物語は、王位継承を巡る幼少期から続くバラーラデーヴァとの競い合い、冒険旅行とデーヴァセーナ姫とのロマンス、マヒュシュマティの宮廷での陰謀による暗殺まで、思いのほかじっくり描かれており、上映時間のボリュームで言えば、過去の方が現在の物語よりだいぶ長い。
普通に考えればちょっとバランス悪く感じるところだが、バーフバリ父子を演じているのが、プラバースの二役ということもあり、観ているうちに段々と現代と過去が感覚的に融合し、父子がいわばバーフバリver.1とパワーアップしたバーフバリver.2と言った感じに見えてくる。
完全な続き物で、二本で一本の作品なので、後編を観るのに前編の鑑賞は必須だ。

変則的な前後編という点を別にすれば、物語そのものは非常にオーソドックスな貴種流離譚であり、ラブロマンスや戦争スペクタクルのエピソードも、展開自体には特に奇をてらった部分はない。
だがこれはやはりインド映画、筋立ては普通でもテリングが普通でないのだ(笑
まずは前後編に一つずつある、バーフバリ父子のロマンス絡めたミュージカルのシークエンスが凄い。
前編のマヘンドラとアヴァンティカのディズニーアニメばりの描写にも目を奪われるが、後編のアマレンドラとデーヴァセーナの白鳥型の帆船を舞台にしたミュージカルは、誰も予想だにしない驚きのギミックを含めて、必見の出来である。
それにしてもミュージカルって、どんなに唐突な展開でも許せてしまうから実に便利。
初めて出会った男女だって、一曲歌って踊ってしまえば、永遠の恋人たちになってしまうのだから。
もっとも、印象的ではあるものの、ミュージカルは必要最小限に抑えられているので、インド映画はこれが苦手という人でも大丈夫だろう。

そして、本作の最大にして最高の見せ場が、手を替え品を替え、全編に渡ってたっぷり配されたアクションシークエンスだ。
アジアの古代戦争スペクタクルでは、三国志を描いた中国映画「レッド・クリフ」二部作が記憶に新しい。
あの映画も相当に豪快かつ工夫を凝らしたアクションが売りだったが、本作の場合もはや想像の遥か斜め上、成層圏あたりを行く。
バーフバリ父子は、華麗に強くカッコよく、ライバルたるバラーラデーヴァも含め、その身体能力はもはやアメコミヒーローも真っ青の超人っぷり。
劇中に明言はされてないが、「マハーバーラタ」繋がりならヒンズーの神様が転生した姿という設定なのかも知れない。
王位の行き先を決める前編の蛮族との戦争シークエンス、数の劣勢を補う父バーフバリのトンチの効いた戦術の数々vsバラーラデーヴァの戦車の先に刃物のプロペラが付いてる凶悪な新兵器のコントラスト。
これを超えなければならない後編では、息子バーフバリ率いる反乱軍vs城に立てこもるバラーラデーヴァ軍の戦いで、誰も見たことのない驚きの戦法が登場する。
椰子の木のカタパルトで、盾を持った兵士を六人まとめて打ち出すと、空中で樽状にクルクルっと合体して、そのまま城壁を超えて着地すると分離って・・・・いやまだ超人バーフバリだけなら分かるけど、彼以外はみんな普通の兵士のはずなんだが(笑

以前、「ロボット」を観た時も思ったが、真面目なんだかギャグなんだか分からない、インド映画独特の人間アクロバット的な発想は一体どこから来るのだろうか。
そういえば軍事パレードなどで、インド軍のバイク部隊が披露する、一台のバイクに組体操みたいに人間ピラミッドが乗っかっている映像にも通じるものがある。
TVやYouTubeなどですっかりお馴染みになったが、アレは他の国の軍隊では見たことがないし、そもそも最も実利的な組織であるはずの軍隊が、意味不明なアクロバットをやる必然性がどこにあるのか(笑
あの発想のルーツがどこから来ているかは分からないが、インド人のDNAには、外国からは想像もできない、悠久の歴史が作り出した不思議が広がっているのかも知れない。
まあ、彼らの奇想天外な世界観のおかげで、他の国の映画ならまず受け入れられないであろう、ぶっ飛んだリアリテイラインも全然気にならないのだけど。

「バーフバリ 伝説誕生/王の凱旋」二部作は、驚くべき密度を持った娯楽映画であり、老若男女全てにお勧めできる傑作だ。
前編は既にDVD販売と配信がスタートしているので、年末に家でゆっくり鑑賞し、正月に後編を劇場で観る。
新年の景気付けにこれ程相応しい映画もあるまい。
しかし全体通してみると、事件の元はバラーラデーヴァの陰謀だとしても、火を煽ったのはシヴァガミさまとデーヴァセーナの、むっちゃ気の強い二人の嫁姑問題な気がするよ。
とりあえずインドの女傑はコワイ(´Д`lll)

とことんスカッとする本作に合うのは、ビール。
今回は代表的なインドビールの「キングフィッシャー プレミアム・ラガー」をチョイス。
暑い国のビールらしく、スッキリした喉越しで、雑味のないクリアな味わい。
タイのシンハービールなど、東南アジア系のビールに近いテイストで、淡麗好きの日本人の好みにもピッタリだ。
映画の後はキングフィッシャーとインドカレーで余韻を噛みしめたい。

ランキングバナー記事が気に入ったらクリックしてね



[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

キングフィッシャー プレミアム ラガー / 5.0% / 330ml/インド
価格:360円(税込、送料別) (2017/12/22時点)


スポンサーサイト


コメント
この記事へのコメント
快作
おいらは後で前編観たけど問題なし。
セットで観る必要はありますね(笑)
2018/01/04(木) 11:56:21 | URL | まっつぁんこ #L1vigvx6[ 編集]
こんばんは
>まっつぁんこさん
できればイッキに両方見たいところ。
年末に新ピカで1日だけやったみたいですが、チケット争奪戦だったそうです。
2018/01/04(木) 21:37:53 | URL | ノラネコ #xHucOE.I[ 編集]
やっぱりこんなにでっかい嘘がつけるなんてステキ以外の何物でもない。
2018/01/08(月) 23:13:05 | URL | fjk78dead #-[ 編集]
こんばんは
>ふじきさん
インド映画を観てると、なんだかこんな風に嘘ついてもいいような気がしますが、日本でやったらドン引きでしょう。多分w
2018/01/09(火) 21:36:30 | URL | ノラネコ #xHucOE.I[ 編集]
新ピカ
年末の新ピカで伝説誕生観ました。
チケットは楽に取れましたよ。
静かに観たので物足りなかったです(笑)
2018/01/11(木) 10:51:49 | URL | まっつぁんこ #L1vigvx6[ 編集]
こんばんは
>まっつぁんこさん
えー、それなら私も行けばよかったな。
この映画はやっぱTVじゃ物足りないですよね。
2018/01/11(木) 22:33:55 | URL | ノラネコ #xHucOE.I[ 編集]
大画面
大画面で観るに限る。
できれば絶叫上映が良いと思います(^^)/
2018/01/13(土) 11:49:18 | URL | まっつぁんこ #L1vigvx6[ 編集]
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
王位継承者となったシヴドゥの父アマレンドラ・バーフバリは、見聞を広めるため身分を隠し忠臣カッタッパと共に旅に出る。 そして、クンタラ王国の王女デーヴァセーナに恋をした…。 …カッタッパから、父と母を陥れた陰謀の全てを知らされたシブドゥは、マヘンドラ・バーフバリと名乗り、暴君と化したバラーラデーヴァに最後の戦いを挑む…。 アクション・スペクタクル第2部。
2017/12/27(水) 10:46:26 | 象のロケット
バーフバリ 王の凱旋@神楽座
2018/01/04(木) 11:49:23 | あーうぃ だにぇっと
「マッキー」のS・S・ラージャマウリ監督が伝説の戦士バーフバリの数奇な運命をVFXを駆使した迫力の映像で描き、本国インドのみならず世界的大ヒットとなった歴史アドベンチャー大作「バーフバリ」2部作の後編。主人公シヴドゥが知る父バーフバリと母デーヴァセーナを巡る悲劇の物語と、裏切りの暴君バラーラデーヴァに戦いを挑むシヴドゥの復讐の旅路を壮大なスケールで描き出す。主演のプラバースがシヴドゥと若きバ...
2018/01/05(金) 12:05:43 | 映画に夢中
2018年元旦に見た4本まとめてレビュー。 『龍の歯医者 特別版』新宿バルト9-3 五つ星評価で【★★★★普通におもしれえじゃん】 ツイッターから、そういうアニメがある事は知っていたがNHKでの放送は見逃した。 なので、詳細内容等は知らず今回が一見さん初鑑賞。 45分+45分の作品を90分として再構成し、音響的に劇場用として補強したらしい。音響監修者に庵野秀明氏の名前。『シン・...
2018/01/08(月) 23:18:01 | ふじき78の死屍累々映画日記・第二章
2017年・インド配給:ツイン原題:Baahubali 2: The Conclusion監督:S・S・ラージャマウリ 原案:V・ビジャエーンドラ・プラサード脚本:S・S・ラージャマウリ音楽:M・M・
2018/01/28(日) 23:55:50 | お楽しみはココからだ~ 映画をもっと楽しむ方法