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「ランペイジ 巨獣大乱闘」vs「GODZILLA 決戦機動増殖都市」
2018年05月23日 (水) | 編集 |
「ランペイジ 巨獣大乱闘・・・・・評価額1600円」
「GODZILLA 決戦機動増殖都市・・・・・評価額1650円」


怪物vs神。

奇しくも日本では同時公開となった「ランペイジ 巨獣大乱闘」「GODZILLA 決戦機動増殖都市」は、“怪獣”という同一モチーフを扱いながら、日米で異なる映画文化を究極まで純化したような、どこまでも対照的な二本となっている。

米国の“ジャイアント・モンスター”は、古くはサイレント時代の「ロスト・ワールド」、最近では「キングコング : 髑髏島の巨神」に至るまで、基本的には巨大な動物だ。
時として、人間や異星人によって作り出された人工的な存在なこともあリ、だからいくら強大で頑丈でも生物としての限界は超えられず、人の手で殺すことができる。
「ランペイジ」もその文脈に沿った一本で、もともと普通の動物だったアルビノのゴリラ、オオカミ、クロコダイルが、悪の企業によって宇宙ステーションで秘密裏に開発された、遺伝子を書き換える薬剤を吸い込んでしまい異常成長。
さらに様々な動物の遺伝子が混じりあい、ミューテーションして凶暴化する。

まあこの基本設定だけでも相当に強引だが、要するに嘗ての「巨大生物の島」をはじめ、何度も作られてきた動物巨大化のバリエーションで、思わず笑っちゃうくらいに御都合主義的かつ雑な映画だ。
主人公のドウェイン・ジョンソンは、動物学者なのになぜか元特殊部隊の軍人で、ヘリの操縦までできちゃう便利過ぎるキャラクターだし、悪の企業も宇宙ステーションまで持っているのに、関係者がほとんど経営者姉弟しか出てこないので、地方でこじんまりやっている中小企業にしか見えない(笑

しかも既に制御不能なのはわかっているのに、変な電波を出して怪獣たちを本拠地シカゴにおびき寄せてしまう意味不明さ。



でも、この手のハリウッド映画はそれでいい。
ファーストプライオリティは、怪獣たちに軍隊と都市を蹂躙させるスペクタクルな画を見せることであり、すべての要素はそのためのお膳立てに過ぎない。
PJ版「キング・コング」サイズのアルビノ・ゴリラから、初代ゴジラサイズのクロコダイルまで、大きさと形態の異なる3種の怪獣たちによる、都市破壊のカタルシス。
お約束のゴリラのビル登りをはじめ、怪獣映画オマージュもいっぱいだ。
クロコダイル怪獣は頭部がビオランテそっくりだし、ムササビとヤマアラシの遺伝子が融合したオオカミ怪獣は、滑空用の飛膜と背中の棘が特徴的で、元ネタはたぶんバランだと思う。


ドウェイン・ジョンソンの活躍により、ゴリラが正気を取り戻した後の三つ巴、いや四つ巴の怪獣プロレスも見応えたっぷりだ。

八面六臂のロック様は、まさに四匹目の巨獣で、おそらく怪獣相手に肉弾戦をやった、最初の人類なのではないか(笑

そして、そんな無茶な画に、説得力があるのが素晴らしい。
歴代のコングが興業のためにニューヨークに連れてこられた様に、ハリウッド映画における怪獣は、基本的に観客の未見性を満たすための見世物であり、その意味で「ランペイジ」は超正統派のアメリカン怪獣映画と言えよう。

対して、日本映画意における“怪獣”は、その祖であるオリジナル「ゴジラ」以来、象徴性を秘めたアイコンである。
特に日本型怪獣の保守本流である東宝作品では、それは時に戦争だったり、核だったり、あるいは公害だったり、人智を超えた何かのメタファーであり、いわば現在の祟り神だ。
神なのだから、人の手で怪獣を殺せることはほとんどない。
初代ゴジラを葬ったのは、オキシジェンデストロイヤーという架空の兵器だったが、劇中の描写通り、これも核兵器の裏返しであり、いわば核で核を殺すアイロニカルな物語だった。
近年では、「パシフィック・リム」が英語化した日本語という文脈で「カイジュウ」という言葉を使ったり、ギャレス・エドワーズ版「GODZILLA ゴジラ」が極めて日本版に近い怪獣の解釈をしていたり、日本とアメリカという二大怪獣大国は文化的に融合しつつあるが、依然としてイメージの差は大きいと思う。

「シン・ゴジラ」の大ヒットを追い風に作られたアニメーション版ゴジラは、ある意味メタファーとしての怪獣の究極系と言えるかもしれない。
本シリーズの怪獣たちは、人類の文明がレッドラインを超えて世界が飽和状態になると、地球そのもから生み出されたかのごとく、突如として出現したとされる。
怪獣関係のレビューで幾度か言及しているが、この設定は平成の日本型怪獣のルーツというべき巴啓祐の傑作漫画「神の獣」のバリエーションと言えるだろう。
あの漫画の怪獣オーガと同じく、ガイア生命としての地球にとって害となった人類文明を根絶やしにするために、無数に現れた怪獣たちを、最後にまとめて滅ぼすための究極の装置がゴジラであり、そこにはもはや核のくびきすら無いのである。

アニメーションという技法を選択することで、実写シリーズ様々な縛りから解放された本作は、私たちが長年に渡って親しんで来たいわゆる“ゴジラ映画”ではなく、ゴジラをモチーフにして、バリバリのハードSFをやった作品。
なにしろ散々メカゴジラの存在を煽って、まさかの自己増殖する都市“メカゴジラ・シティ”という、キャラクター性すら捨て去った新形態を持ってくるとはさすがに予想できなかった。
原理主義的ゴジラファンには受け入れられない作品かもしれないが、「魔法少女まどか☆マギカ」で、ジャンルのイメージを根底から破壊し、我々にトラウマを植え付けた虚淵玄の面目躍如たる作品だ。
ちなみに街が人間を取り込んで、全てが一つの金属生命のパーツとして機能するという設定の元ネタは、諸星大二郎の短編「生物都市」じゃないかと思うのだが、どうなんだろう。



怪物と戦う者は、自分が怪物にならぬよう。

300メートルの巨体に2万年を超える寿命、もはや神に等しいゴジラを倒すことが出来るのは、人間を超えたものだけなのか。
人と街が融合したメカゴジラ・シティがゴジラを倒したとしても、それは果たして人間の勝利と言えるのだろうか。

人類と同盟を組む超精神文明エクシフと超物質文明ビルサルドの狭間で、ゴジラに対する強烈な憎しみに突き動かされる主人公のハルオは、そもそも人とは何か、人類の進むべき道はどこか葛藤する。
地球そのものの象徴たるアニメーション版ゴジラが体現するのは、オリジナル「ゴジラ」の核戦争の恐怖でも、「シン・ゴジラ」の3・11への後悔でもなく、現代日本の、いや日本人から見た全人類が抱える閉塞感と、この星の未来への漠然とした絶望感なのかも知れない。

しかし、ここまで大風呂敷を広げると、あと一本でちゃんと畳めるのか心配になっちゃうが、体から鱗粉を出す謎の種族フツアが唱える玉子のなんちゃらとか、エンドクレジット後のメトフィエスの言葉とかからすると、次回はアレとアレが出てきて大団円なのか?
まあ狙ってハズシを仕掛けてるから、予想もしないような話に持って行く気もするが。

今回は怪獣映画二本なので、コンパスボックス社のスコッチウィスキー「ピートモンスター」をチョイス。
2000年創業の比較的新しいブランドだが、すでに酒好きの世界では広く知られている。
ラベルに描かれたモンスターは怪獣映画というより「ダーク・クリスタル」あたりに出てきそう。
名前の通りスモーキーな味わいで、フルーティさとスパイシーさのバランスも良く、ウィスキー好きには広く好まれる味わいだと思う。
ピートの怪物が作る美味しいお酒だ。

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