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2018年07月10日 (火) | 編集 |
「Z」の男は誰なのか?
核戦争か、それとも重大な事故が起こったのか。
詳細は語られないが、文明社会は滅び、放射性物質によって大半が汚染された世界。
外界から隔絶され、奇跡的に清浄が保たれた山奥の谷に、マーゴット・ロビー演じるアン・バーデンがただ一人住んでいる。
他の住民は生存者を探しに旅に出て、誰も戻らない。
もしかしたら、自分がこの世界唯一の生き残りなのではないか?
彼女は犬のファロを相棒に、父が建てた小さな教会を心のよりどころに、自給自足しながら永遠にも思える孤独に耐えている。
そんな秘密境に、ある日たどり着いたのが、キウェテル・イジョフォー演じるジョン・ルーミス。
科学者の彼は、信仰心の強いアンとは対照的に、合理的な思考の持ち主だ。
安全な場所を探して防護服のままワゴンを引き、長く放浪してきたジョンは、この谷が汚染されていないことを確認すると、アンの家にとどまることになる。
人種も思想も異なる二人だが、アンは孤独という恐怖から、ジョンは防護服の地獄から解放され、前向きな気持ちを取り戻す。
谷での日々の暮らしの改良にも着手し、お互いに適度な距離を保ちながらも、徐々に密接な関係を作ってゆくのだ。
ところが、そこに二人目の男、クリス・パイン演じるケイレブが現れる。
彼はアンと同様に信仰心を持った、美しい若者だ。
予期せぬケイレブの出現によって、谷の暮らしに静かな波紋が生じてゆく。
1990年代から10年近くに渡って、70件近くの被害を出した“ストリップサーチ悪戯電話詐欺”を描いた心理サスペンス、「コンプライアンス〜服従の心理〜」で注目されたクレイグ・ゾベル監督は、今回もシンプルな設定を活かした、ユニークな暗喩劇を構築している。
ロバート・C・オブライエンの小説に基づく本作の原題は、「Z for Zachariah」という奇妙なもの。
ザカリアは、聖書の登場人物で洗礼者ヨハネの父。
アンは聖書のアルファベットの本を持っていて、最初の「A」はアダムで最後の「Z」がザカリア。
つまりこのタイトルは、人類最後の男を指しているのである。
神が作りし第二のエデンの園を守るイヴの元に、遣わされたのはアダムならぬザカリアが二人。
しかも信仰を持たない者と持つ者、黒人と白人だ。
何か大きなことが起こるわけではないが、ちょっとしたやり取りや行動によって、穏やかでない心が伝わってくる。
そんな中、三人の合意で行われる教会の解体と文明の享受は、極めて象徴的だ。
表向きは仲良く日常を送りつつも、谷には徐々に不穏な空気が高まり、静かな葛藤の帰結する先に目が離せない。
実質的主人公はキウェテル・イジョフォーのジョンだが、最後の彼の行動をどう解釈するかで物語の意味が180度変わる。
はたして、彼は本当にザカリアだったのか、神は今も谷にいるのか。
観る者の心を揺さぶりジャッジする、異色のポストアポカリプトSF。
文明が滅びた世界で、女一人と男二人の三角関係の話・・・というとロジャー・コーマン監督が、「呪われた海の怪物」と2本同時撮影したという「地球最後の女」というB級作品があり、ぶっちゃけ全然面白くはないが、もしかしたら原作の元ネタになっている可能性がある。
しかし絡み合う三人のドラマに、私はむしろフレッド・ジンネマンの「氷壁の女」を思い出した。
あれほどメロドラマチックではないけどね。
今回は「ドメーヌ・エデン シャルドネ サンタクルーズマウンテン」の2013をチョイス。
ドメーヌ・エデンはマウント・エデンがプロデュースする弟分銘柄で、スタンダードのおよそ半分というCPのよさ。
それでいて作りには決して妥協がないのだから嬉しい。
フルーティなアロマに柑橘系の酸味、やわらかな甘さが舌に残る。
フレッシュな葡萄本来の風味が前面に出た、瑞々しい味わい。
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核戦争か、それとも重大な事故が起こったのか。
詳細は語られないが、文明社会は滅び、放射性物質によって大半が汚染された世界。
外界から隔絶され、奇跡的に清浄が保たれた山奥の谷に、マーゴット・ロビー演じるアン・バーデンがただ一人住んでいる。
他の住民は生存者を探しに旅に出て、誰も戻らない。
もしかしたら、自分がこの世界唯一の生き残りなのではないか?
彼女は犬のファロを相棒に、父が建てた小さな教会を心のよりどころに、自給自足しながら永遠にも思える孤独に耐えている。
そんな秘密境に、ある日たどり着いたのが、キウェテル・イジョフォー演じるジョン・ルーミス。
科学者の彼は、信仰心の強いアンとは対照的に、合理的な思考の持ち主だ。
安全な場所を探して防護服のままワゴンを引き、長く放浪してきたジョンは、この谷が汚染されていないことを確認すると、アンの家にとどまることになる。
人種も思想も異なる二人だが、アンは孤独という恐怖から、ジョンは防護服の地獄から解放され、前向きな気持ちを取り戻す。
谷での日々の暮らしの改良にも着手し、お互いに適度な距離を保ちながらも、徐々に密接な関係を作ってゆくのだ。
ところが、そこに二人目の男、クリス・パイン演じるケイレブが現れる。
彼はアンと同様に信仰心を持った、美しい若者だ。
予期せぬケイレブの出現によって、谷の暮らしに静かな波紋が生じてゆく。
1990年代から10年近くに渡って、70件近くの被害を出した“ストリップサーチ悪戯電話詐欺”を描いた心理サスペンス、「コンプライアンス〜服従の心理〜」で注目されたクレイグ・ゾベル監督は、今回もシンプルな設定を活かした、ユニークな暗喩劇を構築している。
ロバート・C・オブライエンの小説に基づく本作の原題は、「Z for Zachariah」という奇妙なもの。
ザカリアは、聖書の登場人物で洗礼者ヨハネの父。
アンは聖書のアルファベットの本を持っていて、最初の「A」はアダムで最後の「Z」がザカリア。
つまりこのタイトルは、人類最後の男を指しているのである。
神が作りし第二のエデンの園を守るイヴの元に、遣わされたのはアダムならぬザカリアが二人。
しかも信仰を持たない者と持つ者、黒人と白人だ。
何か大きなことが起こるわけではないが、ちょっとしたやり取りや行動によって、穏やかでない心が伝わってくる。
そんな中、三人の合意で行われる教会の解体と文明の享受は、極めて象徴的だ。
表向きは仲良く日常を送りつつも、谷には徐々に不穏な空気が高まり、静かな葛藤の帰結する先に目が離せない。
実質的主人公はキウェテル・イジョフォーのジョンだが、最後の彼の行動をどう解釈するかで物語の意味が180度変わる。
はたして、彼は本当にザカリアだったのか、神は今も谷にいるのか。
観る者の心を揺さぶりジャッジする、異色のポストアポカリプトSF。
文明が滅びた世界で、女一人と男二人の三角関係の話・・・というとロジャー・コーマン監督が、「呪われた海の怪物」と2本同時撮影したという「地球最後の女」というB級作品があり、ぶっちゃけ全然面白くはないが、もしかしたら原作の元ネタになっている可能性がある。
しかし絡み合う三人のドラマに、私はむしろフレッド・ジンネマンの「氷壁の女」を思い出した。
あれほどメロドラマチックではないけどね。
今回は「ドメーヌ・エデン シャルドネ サンタクルーズマウンテン」の2013をチョイス。
ドメーヌ・エデンはマウント・エデンがプロデュースする弟分銘柄で、スタンダードのおよそ半分というCPのよさ。
それでいて作りには決して妥協がないのだから嬉しい。
フルーティなアロマに柑橘系の酸味、やわらかな甘さが舌に残る。
フレッシュな葡萄本来の風味が前面に出た、瑞々しい味わい。

![]() ドメーヌ・エデン(byマウント・エデン) シャルドネ サンタクルーズマウンテン [2013] (正規品) Mount Eden Domaine Eden |
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2018/07/13(金) 13:33:47 | 象のロケット
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