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2018年08月23日 (木) | 編集 |
ぼくが苦いコーヒーを飲めるようになったら。
小四にしておっぱいを研究する、ちょっと自意識過剰なアオヤマ君と、彼の初恋の人である不思議な“お姉さん”を巡る一夏の冒険の物語。
ある日突然、街中に謎のペンギンたちが現れ、以降ヘンテコなことが次々起こる様になる。
アオヤマ君は同級生のハマモトさんとウチダ君と三人でヘンテコ現象を研究し、原因を突き止めようとするのだ。
思春期の恋心を刺激的なスパイスに、子どもならではの世界の理に対する率直な興味が、夏休みの冒険という非日常の中でスパーク。
「フミコの告白」「陽なたのアオシグレ」などの短編で注目を集めた、石田祐康監督の驚くべき長編デビュー作であり、原作・森見登美彦と脚色・上田誠の「夜は短し歩けよ乙女」コンビは、再び絶妙なマリアージュを見せる。
物語のキーパーソンとなる、“お姉さん”を演じる蒼井優が最高に素晴らしい。
※核心部分に触れています。
緑豊かな郊外の街にすむ利発な小学校四年生・アオヤマ君(北香那)は、毎日“研究”の成果をノートに記録し、偉い大人になるべく努力している。
研究の内容は、近くを流れる川の水源探しから、歯科医院の“お姉さん”(蒼井優)のおっぱいまで様々だ。
“お姉さん”は背伸びしたいアオヤマ君のチェスの先生でもあり、何かにつけてかわいがってくれる。
夏休みも近いある日、アオヤマ君の住む街に突然たくさんのペンギンが出現。
海のない街の住宅地に現れたペンギンたちは、あちこちで騒動を引き起こして忽然と消えてしまった。
ペンギンたちはどこから来たのか?そもそも本物のペンギンなのか?
好奇心にかられたアオヤマ君は、友達のウチダ君(釘宮理恵)とペンギンの研究を始めるのだが、手がかりは少ない。
そんな時、アオヤマ君は“お姉さん”の投げたコーラの缶が、ペンギンに変身するのを目撃する。
“お姉さん”はいったい何者?ペンギンとの関係は?
呆然とするアオヤマ君に、“お姉さん”は言う。
「この謎を解いてごらん。どうだ、君にはできるか?」
人生を変える、特別な夏が始まる・・・・
これは言わばジュブナイル仕立てのハードSF。
原作は未読のまま観て、びっくりして本屋に直行し購入、読み終わってからもう一度鑑賞しなおした。
上田誠は、物語の中で起こることの時系列を少し組み変える工夫により、原作の内容を殆ど削ることなく2時間の長さに収め直すという見事な仕事をしている。
住宅地に忽然と現れたペンギンたちという“怪異”から始まる物語は、ペンギンとその捕食者であるジャバウォックら不思議な生き物たちを生み出す“お姉さん”の秘密、森の奥の草原に出現した、まるで生きているかのように変異する透明の球体〈海〉の謎へと急速に広がってゆく。
アオヤマ君たち、やわらか頭を持つ小学生たちの探究心は、この幾つもの折り重なった現象に挑み、やがて驚くべき解を導き出す。
一見するとバラバラに見えるヘンテコ現象は、実は全て一つ。
球体に見える〈海〉はこの世界に開いてしまった異世界の穴、ある種のワームホールであり、“お姉さん”んは人間ではなく、この事態を修復するために〈海〉と同時に生まれた存在。
ペンギンたちは、あってはならない穴である〈海〉を壊すために、ジャバウォックは〈海〉と“お姉さん”自身の自我を守るために、彼女が無意識に作り出す均衡装置なのである。
これだけでも、本作がベースの部分に本格的なハードSFの要素を持っているのが分かるのだが、ユニークなのは、ここに少年少女の成長の場としてのジュブナイルの要素が組み込まれていることだ。
アオヤマ君が、目標とする偉い大人になるまで、あと3800日あまり。
もうすぐ10歳になる夏の冒険は、彼が生と性、そして死と喪失を初めて感じるためのステージでもある。
この構造を成立させるために、作者は二つの作品を引用する。
一つ目は、意識を持つ惑星の〈海〉が様々な現象を引き起こすスタニスワフ・レムの「ソラリスの陽のもとに」だ。
知的生命であるソラリスの〈海〉は、訪れた人間の記憶からすでに死んだ人間のコピーを作り出す。
本作の〈海〉は、生と死が交錯するソラリスの〈海〉のミニチュア版だ。
もう一つは、ジャバウォックの元ネタでもあるルイス・キャロルの「鏡の国のアリス」である。
前作の「不思議の国のアリス」とともに、ジュブナイル文学の源流の一つであるこのシリーズは、思春期の少女の心象風景として異世界が構成されていて、「不思議の国」ではトランプ、「鏡の国」ではチェスが世界観に取り入れられているのはよく知られている。
「鏡の国のアリス」では丘を登ったアリスが、世界がチェスボードであることに気づくのだが、本作では街を見下ろしたアオヤマ君が、幾つもの丘陵を“お姉さん”のおっぱいの様だと思う。
つまり、アオヤマ君にとってこの世界は“お姉さん”であり、“お姉さん”自身がゲームなのである。
“お姉さん”は、アオヤマ君のことを「背伸びしたペンギンみたい」という。
ならばアオヤマ君である無数のペンギンが、丘陵の街を踏み超え巨大に膨張した“お姉さん”の分身である〈海〉に飛び込むのは受精のイメージ。
しかし、それはアオヤマ君にとって新しい世界が生まれることに繋がるが、同時に初恋の象徴である“お姉さん”は永遠に失われてしまう。
ここでは生は性の結果であり、誕生は喪失と裏表。
壮大すぎる夏休みの研究と、“お姉さん”との未知の冒険の結果として、アオヤマ君は今まで知らなかったこの世界の、この宇宙の理を学ぶのだ。
イマドキの小学生の話にも関わらず、スマホなど電子ディバイスの類が一切登場せず、彼らがノートをとることに拘りを持っているのも良い。
お手軽だが記憶に留まらないデジタルではなく、自らの手で起こったこと、感じたことを記録することで、それは確かな実感として残り続ける。
最近ではドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の「メッセージ」や「ブレードランナー2049」、あるいはクリストファー・ノーラン監督の「インターステラー」がそうであったように、全ての優れたハードSFは、特異で科学的な事象と人間の精神が組み合わさって紡ぎ出される美しい詩である。
本作でもSF的でミステリアスなシチュエーションに、アオヤマ君の静かに激しい初恋の熱が混じり合い、予想もしない化学反応が広がってゆく。
例によって魅力を言葉で表すのが非常に難しい作品だが、これはいわばハードSFの枠組みに「SUPER8/スーパーエイト」のワクワクするジュブナイル的冒険の甘酸っぱさと、「夜は短し歩けよ乙女」の心象世界のパワフルな混沌を掛け合わせたような独創の作品だ。
石田祐康監督がこの作品を撮ったのも、なんだか運命に導かれている様に感じる。
彼は短編で初恋のイメージをずっと描き続けてきた人で、京都精華大在学中に発表し、一躍脚光を浴びることになる「フミコの告白」では、野球部の彼への告白に失敗したフミコの暴走を怒涛のアニメーション活劇として昇華し、続く「rain town」では忘れられた雨の街で、かつて去っていった少女を待ち続けるロボットの物語を一転して静的に描いた。
「陽なたのアオシグレ」では、鳥マニアの日向君が、愛する時雨ちゃんに想いを伝えるため街を疾走するのだが、二人のキャラクター造形に本作のウチダ君とハマモトさんの原型が見え隠れ。
恋敗れたフミコが坂の街を暴走するシークエンス、鳥たちが雨空を切り裂き、日向君が幻想の街を飛び抜けるビジュアルは、おそらくこの人の原点的イメージなのだろうが、グッと洗練されて本作のクライマックスのペンギン・ハイウェイならぬペンギン・ジェットコースターとして、再創造されている。
森見登美彦と上田誠の優れたストーリーを得て、1988年生まれの新世代、石田監督とスタジオ・コロリドは、見事なテリングによって鮮やかな長編メジャーデビューを飾ったと言って良いだろう。
ところで、近年夏休みの終わりにTOHOアニメーションが公開する青春ものは、どれも死の香りが色濃い。
「君の名は。」に「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」、そして本作「ペンギン・ハイウェイ」まで、全て少年少女が生の裏返しとして死を意識する話でもあるのは偶然なのだろうか。
ちょうどお盆の季節でもあるし、命が燃え上がる夏の終わりが死に繋がるのは、「銀河鉄道の夜」からの日本の伝統なのかもしれない。
そういえばこの3作は、全て鉄道が重要な役割を果たす。
特に「打ち上げ花火」は、そのものズバリ「銀河鉄道の夜」をモチーフにしている話だし。
この辺りの象徴性は、アオヤマ君みたいに研究してみても面白いかもしれない。
今回は、“お姉さん”のコーラから謎がブレイクスルーされる話だったので、「コークハイ」をチョイス。
氷で満たしたタンブラーに、お好みでウィスキーを1/4から1/3注ぎ、次にコーラで満たしながら、マドラーでウィスキーをすくい上げるように優しく混ぜ、カットしたレモンを添えて完成。
ウィスキーの味が苦手という人でも、コーラの甘さが中和してくれて抵抗なく飲めるだろう。
それでもクセが嫌な場合は、甲種焼酎で作ればもっと飲みやすくなる。
スッキリ爽やか、日本の夏の定番の一杯だ。
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小四にしておっぱいを研究する、ちょっと自意識過剰なアオヤマ君と、彼の初恋の人である不思議な“お姉さん”を巡る一夏の冒険の物語。
ある日突然、街中に謎のペンギンたちが現れ、以降ヘンテコなことが次々起こる様になる。
アオヤマ君は同級生のハマモトさんとウチダ君と三人でヘンテコ現象を研究し、原因を突き止めようとするのだ。
思春期の恋心を刺激的なスパイスに、子どもならではの世界の理に対する率直な興味が、夏休みの冒険という非日常の中でスパーク。
「フミコの告白」「陽なたのアオシグレ」などの短編で注目を集めた、石田祐康監督の驚くべき長編デビュー作であり、原作・森見登美彦と脚色・上田誠の「夜は短し歩けよ乙女」コンビは、再び絶妙なマリアージュを見せる。
物語のキーパーソンとなる、“お姉さん”を演じる蒼井優が最高に素晴らしい。
※核心部分に触れています。
緑豊かな郊外の街にすむ利発な小学校四年生・アオヤマ君(北香那)は、毎日“研究”の成果をノートに記録し、偉い大人になるべく努力している。
研究の内容は、近くを流れる川の水源探しから、歯科医院の“お姉さん”(蒼井優)のおっぱいまで様々だ。
“お姉さん”は背伸びしたいアオヤマ君のチェスの先生でもあり、何かにつけてかわいがってくれる。
夏休みも近いある日、アオヤマ君の住む街に突然たくさんのペンギンが出現。
海のない街の住宅地に現れたペンギンたちは、あちこちで騒動を引き起こして忽然と消えてしまった。
ペンギンたちはどこから来たのか?そもそも本物のペンギンなのか?
好奇心にかられたアオヤマ君は、友達のウチダ君(釘宮理恵)とペンギンの研究を始めるのだが、手がかりは少ない。
そんな時、アオヤマ君は“お姉さん”の投げたコーラの缶が、ペンギンに変身するのを目撃する。
“お姉さん”はいったい何者?ペンギンとの関係は?
呆然とするアオヤマ君に、“お姉さん”は言う。
「この謎を解いてごらん。どうだ、君にはできるか?」
人生を変える、特別な夏が始まる・・・・
これは言わばジュブナイル仕立てのハードSF。
原作は未読のまま観て、びっくりして本屋に直行し購入、読み終わってからもう一度鑑賞しなおした。
上田誠は、物語の中で起こることの時系列を少し組み変える工夫により、原作の内容を殆ど削ることなく2時間の長さに収め直すという見事な仕事をしている。
住宅地に忽然と現れたペンギンたちという“怪異”から始まる物語は、ペンギンとその捕食者であるジャバウォックら不思議な生き物たちを生み出す“お姉さん”の秘密、森の奥の草原に出現した、まるで生きているかのように変異する透明の球体〈海〉の謎へと急速に広がってゆく。
アオヤマ君たち、やわらか頭を持つ小学生たちの探究心は、この幾つもの折り重なった現象に挑み、やがて驚くべき解を導き出す。
一見するとバラバラに見えるヘンテコ現象は、実は全て一つ。
球体に見える〈海〉はこの世界に開いてしまった異世界の穴、ある種のワームホールであり、“お姉さん”んは人間ではなく、この事態を修復するために〈海〉と同時に生まれた存在。
ペンギンたちは、あってはならない穴である〈海〉を壊すために、ジャバウォックは〈海〉と“お姉さん”自身の自我を守るために、彼女が無意識に作り出す均衡装置なのである。
これだけでも、本作がベースの部分に本格的なハードSFの要素を持っているのが分かるのだが、ユニークなのは、ここに少年少女の成長の場としてのジュブナイルの要素が組み込まれていることだ。
アオヤマ君が、目標とする偉い大人になるまで、あと3800日あまり。
もうすぐ10歳になる夏の冒険は、彼が生と性、そして死と喪失を初めて感じるためのステージでもある。
この構造を成立させるために、作者は二つの作品を引用する。
一つ目は、意識を持つ惑星の〈海〉が様々な現象を引き起こすスタニスワフ・レムの「ソラリスの陽のもとに」だ。
知的生命であるソラリスの〈海〉は、訪れた人間の記憶からすでに死んだ人間のコピーを作り出す。
本作の〈海〉は、生と死が交錯するソラリスの〈海〉のミニチュア版だ。
もう一つは、ジャバウォックの元ネタでもあるルイス・キャロルの「鏡の国のアリス」である。
前作の「不思議の国のアリス」とともに、ジュブナイル文学の源流の一つであるこのシリーズは、思春期の少女の心象風景として異世界が構成されていて、「不思議の国」ではトランプ、「鏡の国」ではチェスが世界観に取り入れられているのはよく知られている。
「鏡の国のアリス」では丘を登ったアリスが、世界がチェスボードであることに気づくのだが、本作では街を見下ろしたアオヤマ君が、幾つもの丘陵を“お姉さん”のおっぱいの様だと思う。
つまり、アオヤマ君にとってこの世界は“お姉さん”であり、“お姉さん”自身がゲームなのである。
“お姉さん”は、アオヤマ君のことを「背伸びしたペンギンみたい」という。
ならばアオヤマ君である無数のペンギンが、丘陵の街を踏み超え巨大に膨張した“お姉さん”の分身である〈海〉に飛び込むのは受精のイメージ。
しかし、それはアオヤマ君にとって新しい世界が生まれることに繋がるが、同時に初恋の象徴である“お姉さん”は永遠に失われてしまう。
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壮大すぎる夏休みの研究と、“お姉さん”との未知の冒険の結果として、アオヤマ君は今まで知らなかったこの世界の、この宇宙の理を学ぶのだ。
イマドキの小学生の話にも関わらず、スマホなど電子ディバイスの類が一切登場せず、彼らがノートをとることに拘りを持っているのも良い。
お手軽だが記憶に留まらないデジタルではなく、自らの手で起こったこと、感じたことを記録することで、それは確かな実感として残り続ける。
最近ではドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の「メッセージ」や「ブレードランナー2049」、あるいはクリストファー・ノーラン監督の「インターステラー」がそうであったように、全ての優れたハードSFは、特異で科学的な事象と人間の精神が組み合わさって紡ぎ出される美しい詩である。
本作でもSF的でミステリアスなシチュエーションに、アオヤマ君の静かに激しい初恋の熱が混じり合い、予想もしない化学反応が広がってゆく。
例によって魅力を言葉で表すのが非常に難しい作品だが、これはいわばハードSFの枠組みに「SUPER8/スーパーエイト」のワクワクするジュブナイル的冒険の甘酸っぱさと、「夜は短し歩けよ乙女」の心象世界のパワフルな混沌を掛け合わせたような独創の作品だ。
石田祐康監督がこの作品を撮ったのも、なんだか運命に導かれている様に感じる。
彼は短編で初恋のイメージをずっと描き続けてきた人で、京都精華大在学中に発表し、一躍脚光を浴びることになる「フミコの告白」では、野球部の彼への告白に失敗したフミコの暴走を怒涛のアニメーション活劇として昇華し、続く「rain town」では忘れられた雨の街で、かつて去っていった少女を待ち続けるロボットの物語を一転して静的に描いた。
「陽なたのアオシグレ」では、鳥マニアの日向君が、愛する時雨ちゃんに想いを伝えるため街を疾走するのだが、二人のキャラクター造形に本作のウチダ君とハマモトさんの原型が見え隠れ。
恋敗れたフミコが坂の街を暴走するシークエンス、鳥たちが雨空を切り裂き、日向君が幻想の街を飛び抜けるビジュアルは、おそらくこの人の原点的イメージなのだろうが、グッと洗練されて本作のクライマックスのペンギン・ハイウェイならぬペンギン・ジェットコースターとして、再創造されている。
森見登美彦と上田誠の優れたストーリーを得て、1988年生まれの新世代、石田監督とスタジオ・コロリドは、見事なテリングによって鮮やかな長編メジャーデビューを飾ったと言って良いだろう。
ところで、近年夏休みの終わりにTOHOアニメーションが公開する青春ものは、どれも死の香りが色濃い。
「君の名は。」に「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」、そして本作「ペンギン・ハイウェイ」まで、全て少年少女が生の裏返しとして死を意識する話でもあるのは偶然なのだろうか。
ちょうどお盆の季節でもあるし、命が燃え上がる夏の終わりが死に繋がるのは、「銀河鉄道の夜」からの日本の伝統なのかもしれない。
そういえばこの3作は、全て鉄道が重要な役割を果たす。
特に「打ち上げ花火」は、そのものズバリ「銀河鉄道の夜」をモチーフにしている話だし。
この辺りの象徴性は、アオヤマ君みたいに研究してみても面白いかもしれない。
今回は、“お姉さん”のコーラから謎がブレイクスルーされる話だったので、「コークハイ」をチョイス。
氷で満たしたタンブラーに、お好みでウィスキーを1/4から1/3注ぎ、次にコーラで満たしながら、マドラーでウィスキーをすくい上げるように優しく混ぜ、カットしたレモンを添えて完成。
ウィスキーの味が苦手という人でも、コーラの甘さが中和してくれて抵抗なく飲めるだろう。
それでもクセが嫌な場合は、甲種焼酎で作ればもっと飲みやすくなる。
スッキリ爽やか、日本の夏の定番の一杯だ。

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この記事へのコメント
そーかー、ソラリスなのかー(見てない)。
同じ物の背後が色々な物に見えるのは面白いですね。
アマゾン・プロジェクトを秘かにやってて尽きる事のない無限水流を見つけてしまうウチダくんが好きです。
同じ物の背後が色々な物に見えるのは面白いですね。
アマゾン・プロジェクトを秘かにやってて尽きる事のない無限水流を見つけてしまうウチダくんが好きです。
2018/08/27(月) 00:49:15 | URL | fjk78dead #-[ 編集]
>ふじきさん
三人のグループっていうのがいいです。
ウチダ君はハリポタならロンですが、もうちょっと大きくなるとハマモトさんといい感じになったりするのはアオヤマ君じゃなくてウチダ君だったりするんですよねえ。
ビビりだけど何気に実行力もあるし。
三人のグループっていうのがいいです。
ウチダ君はハリポタならロンですが、もうちょっと大きくなるとハマモトさんといい感じになったりするのはアオヤマ君じゃなくてウチダ君だったりするんですよねえ。
ビビりだけど何気に実行力もあるし。
2018/08/27(月) 22:16:06 | URL | ノラネコ #xHucOE.I[ 編集]
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小学四年生のアオヤマ君は、一日一日、世界について学び、学んだことをノートに記録する。 毎日努力を怠らず勉強する彼にとって何より興味深いのは、自由奔放でミステリアスな歯科医院の“お姉さん”。 ある日、街に突如ペンギンが現れ、そして消えた。 アオヤマ君は、お姉さんがふいに投げたコーラの缶がペンギンに変身するのを目撃する…。 アニメーション。
2018/08/23(木) 23:34:43 | 象のロケット
「夜は短し歩けよ乙女」「有頂天家族」などで人気の作家・森見登美彦による日本SF大賞を受賞した小説をアニメーション映画化。短編「陽なたのアオシグレ」「台風のノルダ」を手がけたスタジオコロリドの第1回長編作品となり、「陽なたのアオシグレ」の新鋭・石田祐康が監督、「台風のノルダ」の新井陽次郎がキャラクターデザインを担当する。テレビドラマ「バイプレイヤーズ」などで知られる北香那が、声優初挑戦でアオヤ...
2018/08/25(土) 22:18:11 | 映画に夢中
「ペンギン・ハイウェイ」 よみうりホール(試写会)小学4年生アオヤマ君(声:北香那)は、毎日学んだことをノートに記録している勉強家。そんなアオヤマ君の興味は歯医者で働く
2018/08/26(日) 00:46:35 | Spice -映画・本・美術の日記-
2018年・日本 制作:スタジオコロリド配給:東宝映像事業部 監督:石田祐康 原作:森見登美彦 脚本:上田誠 (ヨーロッパ企画)キャラクターデザイン:新井陽次郎 演出:新井陽次郎、亀井幹太 音楽:阿部
2018/08/26(日) 21:25:52 | お楽しみはココからだ~ 映画をもっと楽しむ方法
▲画像は後から。
五つ星評価で【★★★★ツイッターでの評判が今一つで期待していなかったが面白かった】
ワクワクしてしまった。
いい部分もあれば悪い部分もあると思う。
割と主人公の少年アオヤマの独立心が高すぎる所は好きでない。それは自分が「偉い人間」として自己確立できなかったからかもしれない。涼しい顔で学校生活の理不尽と戦う彼を見ながら、だが本当の暴力が来たら屈しないでいれるのかと...
2018/08/27(月) 00:54:15 | ふじき78の死屍累々映画日記・第二章
評価:AA (最高はAAA) 大傑作!暫定今年のベスト・ワン(邦画・洋画併せて)
2018/08/28(火) 14:42:15 | エンターテイメント日誌
森見登美彦の小説は以前から大好きで、今までに「太陽の塔」「四畳半神話大系」「夜は
2018/09/07(金) 00:52:22 | エンターテイメント日誌
せつないわぁ。
2019/06/16(日) 21:02:55 | 或る日の出来事
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