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ショートレビュー「多十郎殉愛記」
2019年04月14日 (日) | 編集 |
ひねくれ男が戦うワケ。

風雲急を告げる幕末の京都を舞台に、長州浪人にして剣の達人、清川多十郎が愛する女のために京都見廻組と対決する。
84歳の中島貞夫監督による20年ぶりの劇場用映画は、まさに「ザ・時代劇」だ。
リアリズム重視の今風のものではなく、現実なら多勢に無勢でも戦えて、斬っても血が出ないいわゆる昭和テイストのチャンバラ活劇。
五万回斬られた男こと、福本清三の華麗なる斬殺シーンももちろんあり、中島監督の「チャンバラを次世代に!」という創作の熱が詰め込まれてた力作だ。
無頼漢だが惚れた女には弱い多十郎を、高良健吾が好演し、新境地を開いている。
薄幸のヒロインおとよを演じる多部未華子を、はじめて色っぽいと思った。

伝統ある時代劇の京都らしい、非常に端正に作られた映画だ。
最近のTVではすっかりご無沙汰のチャンバラものだが、たまにスペシャルドラマなどでオンエアされると、今度はビジュアルの安っぽさにガッカリする。
しかしこの作品の画作り、世界観の作り込みは鉄板のクオリティ。
見廻組に追われた多十郎が、長屋の中をぶち抜きながら駆け抜ける描写はアニメーションチックでちょっと新しい。
チャンバラ活劇としての見せ場も豊富で、尺も1時間半程度と、気楽に観られるプログラム・ピクチャーをしっかり丁寧に作っているのも、今の時代には貴重。

中島監督は私の学生時代の先生でもあるのだが、いまだご健在で、こんな面白い映画を撮っちゃうのだからやっぱ凄いな。
当時はおバカな学生だったから、それほど意識はしなかったのだけど、今にして思うと演出・中島貞夫、脚本・依田義賢、撮影・宮川一夫と森田富士郎、制作・田口直也ってとんでもない豪華教授陣
後に留学した時に、学友に「君の前の学校はどんな先生がいたの?」って聞かれて、彼らの名をあげたら驚愕してたっけ。
学生の時に、もっとちゃんと出席しとけば良かった!

しかし、職人演出家としての中島監督は素晴らしいんだけど、脚本はツッコミどころも多いというのも昔から。
本作にも明らかに残念なところがある。
多十郎はひねくれキャラで、武士仲間との交流も断って、着物の柄の絵師として世捨て人のように暮らしているのだが、なぜ彼があんな性格になってしまった理由がはっきりしない。
一応親の代からの多額の借金があったことは描かれているのだが、それだけではちょっと弱いし、弟と義母の負債にはならないの?という疑問も。
もう一つは、おとよとの馴れ初めを描いて欲しかった。
薄幸の彼女がひねくれ多十郎に恋する瞬間が無いので、二人の間にある感情の強さに、もう一つ説得力を感じられない。
時代劇では珍しいキスシーンは良かったけど、この二点が描写されるだけで、だいぶ感情移入しやすくなるはず。

あと、無い物ねだりなのは分かっているが、敵味方入り乱れての乱戦も見たかったな。
中島監督にはもう少し頑張ってもらって、今度は集団時代劇スタイルのチャンバラを作って欲しい。
88歳のイーストウッドが現役なんだから、まだ何本か撮れますよね、先生!
先生の作品に生徒が点数付けるのはおこがましいので、今回はレビューのみ。

京都が舞台の本作には、洛中唯一の老舗酒蔵、佐々木酒造の「聚楽第 純米吟醸」をチョイス。
聚楽第とは信長の後に天下人となった豊臣秀吉が京都に築いた豪華絢爛な城郭邸宅で、桃山文化を代表する建築物。
吟醸香は軽やかで、やや辛口でフルーティな味わいを、スッキリした喉ごしで楽しめる芳醇な酒だ。

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幕末の京都。 元長州藩士・清川多十郎は、親が残した借金から逃げるため流行りの脱藩浪人となった。 彼に想いを寄せる小料理屋の女将おとよに何かと世話を焼かれながら、貧乏長屋で用心棒暮らしを続けている。 その頃、新選組の勢いに押されていた幕府の治安維持組織・京都見廻組は、面目を保つため取り締まりを強化していた…。 時代劇。
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