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ショートレビュー「プロメア・・・・・評価額1650円」
2019年05月28日 (火) | 編集 |
炎は魂の炎で消せ!

「天元突破グレンラガン」の今石洋之と中島かずきの名コンビによる、劇場用オリジナルアニメーション。
ある日突然、炎を操るミュータント種族、バーニッシュが出現し、「世界大炎上」により地球の半分が焼失した世界。
それから30年後、弾圧されたバーニッシュの一部が「マッドバーニッシュ」として過激化、炎上テロ攻撃を防ぐため結成された「バーニッシュレスキュー」に所属する、炎よりも暑苦しい熱血火消し男、ガロ・ティモスが主人公。
自分の任務に誇りを持っていたガロは、ひょんなことからマッドバーニッシュのリーダー、リオ・フォーティアから世界の真実を知らされる。
それは、ガロが尊敬する街の司政官クレイ・フォーサイトが、捕らえたバーニッシュを恐ろしい人体実験の末に殺しているということ。

冒頭のバーニッシュレスキュー出動から、メカも人間も動きっぱなし。
モーションがエモーションに直結する、これぞアニメーション映画の醍醐味だ!
独特のテイストのキャラクターデザインと、ポップな色彩感覚で描かれるのは、物理的なリアリティよりも、動きとしての気持ちのよさ優先のアクション。
炎や水がといった流体が、三角や四角のポリゴン形状で描かれるのも面白い。
シンプルなベースプロットに、ありとあらゆるビジュアル要素をぶち込んだ、いわばお腹いっぱいの熱血アクション丼だ。
怒涛の情報量と、凄まじく早いテンポは、今年のアカデミー賞を受賞した「スパイダーマン:スパイダーバース」を思わせる。
あちらの作品はあえて12フレームを採用してリミテッド風味を演出していたが、こちらは逆にアメコミを意識していて、アニメーション文化のクロスオーバーが興味深い。

作ってる人が同じなので、「グレンラガン」のテイストは色濃く感じられるが、モリモリに持った丼から、溢れ出るのは永井豪偏愛
本人の意思に関わらず、ある日突然人々がバーニッシュ化し、その力を恐れる一般人から差別され、狩られる設定は「デビルマン」そのもので、怒りに駆られたリオがデビルマンぽくなる描写まである。
そして後半は「グレンラガン」と「マジンガーZ」が混ぜこぜされるのだが、ぶっちゃけこの辺りからの展開はムッチャ強引かつ御都合主義。
しかしこ、れはあえて開き直ってネタにしているのである。
何しろ、光子力研究所っぽいところで、兜博士とドクター・ヘルを合わせた様なマッドサイエンティスト、デウス・プロメア博士から譲り受けるロボットの名は「デウス・エクス・マキナ」である(笑

「機械仕掛けの神」という意味の「デウス・エキス・マキナ」は、収集困難な物語の結末に、突然絶対的な神の様な存在が現れ、無理やり話を纏めてしまうことを指す演劇用語だ。
つまり、これは作者という“神”が望めば、何でもアリという宣言のようなもの。
デウス・エクス・マキナはベイマックスもどきのデザインだが、「これじゃ熱くなれねえ!」ってバーニッシュの炎で、カタチをカッコよく変えてしまうのだが、なんでそんなことが出来るのかは謎。
ガロとリオが阿修羅男爵化するのも、終盤に唐突に明かされる世界観の秘密も、このノリにごまかされて何となく納得してしまうのだが、よく考えると相当に無理やり。
でも、全然気にならない。
普遍性のあるテーマと、外連味たっぷりのビジュアル、中島かずきらしいトリッキーな脚本のマリアージュが絶妙で、これはこういう世界として納得させられてしまうのだ。
動き続け、変わり続けるアニメーションは、本来現実の軛を逃れた非常にフリーダムなもの
エキセントリックなテリングのスタイルは好みが分かれるだろうが、全編に渡って創作のエナジーが燃えたぎる快作である。

今回は炎の話なので、「キッス・オブ・ファイアー」をチョイス。
ウォッカ20ml、スロー・ジン20ml、ドライ・ベルモット20ml、レモン・ジュース2dashをシェイクして、粉砂糖でスノースタイルにしたグラスに注ぐ。
バーテンダーの石岡賢司氏が、ルイ・アームストロングの名曲「キッス・オブ・ファイアー」にインスパイアされて生まれたカクテル。
甘いようで、渋いようで、辛いようで、苦いようで、酸っぱいようで、個性の強い素材それぞれの特徴が複雑に絡み合い、濃厚な味わいを作り上げている一杯だ。

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