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2019年07月03日 (水) | 編集 |
お父さん、いざ共に冒険へ!
いやー、これは素晴らしい。
野口照夫監督以下、同一チームが手がけたTVドラマ版は未見、原作のブログ「一撃確殺SS日記」はまだ読んでいる途中だが、一本の劇映画として非常に良く出来ている。
吉田鋼太郎が好演する、仕事一筋で重役昇進を目前としていた父が、ある日突然会社を辞め、単身赴任先から抜け殻のようになって戻ってくる。
一体何があったのか、黙して語らない父に、家族は戸惑うばかり。
「この人が死んだ時、(自分も)泣いたりするのだろうか?」
自分が子供の頃から、何を考えているのか分からず、大人になった今も、ますます分からなくなった父の姿を見て、坂口健太郎演じる息子のアキオは、あるアイディアを思い付く。
趣味のオンラインゲーム、「ファイナルファンタジーXIV(FFXIV)」の世界に父を導き、息子であることを隠してフレンドとなり、何があったのか聞き出そうと言うのだ。
「FF」の世界では、プレイヤーを“光の戦士”と呼ぶことから、名付けて「光のお父さん計画」(笑
この種のオンオフ二重構造を持つ作品はもはや珍しくないが、韓国の「操作された都市」やスピルバーグの「レディ・プレイヤー1」など、海外作品だとサスペンやSF系が多い。
物理的にも精神的にも、本来一番近くにいるはずの家族同士の人間ドラマを、あえてこの設定でやろうという、逆説的なアイディアが秀逸だ。
元々実話のブログだから、ゲームを家族のコミュケーションツールにすることを考え付いた作者のマイディーさんが凄いのだが、ブログ記事の「光のお父さん計画」によると、彼の父は元々かなりのゲーマーだったそうで、ゲームの知識など80年代で止まっている吉田鋼太郎とはだいぶ違う印象。
TVドラマ版も手掛けた吹原幸太の脚色の、いい意味で日本の家族のステロタイプな設定と描写が絶妙な塩梅だ。
アバターで身元も知らない同士だからこそ、リアルな世界よりもホンネの人間関係が結べるというのは、思春期からは距離があって当たり前な父と息子ならではのものかも知れない。
面白いのは気まずさから不通が普通になってる父息子に対し、家族の女性陣には元から壁がなく、アキオの妹のミキが二人の間のメッセンジャーみたいになっていること。
これは微笑ましくもあるのだが、結構日本の家族あるあるじゃなかろうか。
アキオが「光のお父さん計画」を思いつくのは、遠い昔にほんの僅かだけ、一緒にファミコン時代の「FF」をプレイしていた時期があり、それが彼にとって数少ない父との思い出だから。
そして「一緒にゲームをクリアする」という、その時の約束が果たされなかったことが、アキオと父との間に溝ができた最初のきっかけ。
だから嘗ての父と同じサラリーマンとなった今、アキオが父と「FFXIV」に挑むのは、やり直しの再出発の意味もある。
ぶっちゃけ、話はどストレートで、オチまですぐに予想はついちゃうが、二人の細かなエピソードが、丁寧に親子の新しい関係を紡いでゆき、ゲーム内で親しくなればなるほど、本当のことをいつ明かすのか、アキオの葛藤がドラマに一本筋を通す。
アキオのサラリーマン生活を描くサブプロットも、いいアクセントとして機能していて、ドラマの緩急に大いに貢献。
どうやら広告代理店らしい、職場で繰り返される「シズル感」のフレーズには、ちょうど私も最近やった仕事で散々聞いた後だったから思わず苦笑。
作中かなりの比重を占める、ゲーム内の描写も良く出来ていて、エオルゼアの大地をプチ冒険。
「FF」なんて長いことやってないけど、これ観ると久々にプレイしたくなった。
しかし、この作品が成立するのは、ゲームが一般家庭に入ってきてから間もなく50年になろうとする歴史あってのこと。
本作のモチーフとなっている「FFXIV」の関係者はもちろんのこと、すべてのゲームクリエイターはこの作品を観たら、自分たちの成し遂げた結果に感慨無量なのではないだろうか。
スピルバーグは「レディ・プレイヤー1」で、虚構と現実は対立するのではなく、現実を生きるために虚構が必要だという肯定的なジンテーゼを導き出したが、本作の現実とゲームも同じ結論にたどり着く。
ちなみに坂口健太郎よりもだいぶ年上で、むしろ吉田鋼太郎に近い私が、父とゲームやった記憶が残っているのは、ファミコン以前のアタリの時代だったりする。
振り返ると、ゲームの世界はプラットフォームもタイトルも栄枯盛衰が激しかったな。
そんな中で30年以上人々を楽しませ続けているのだから、「ファイナルファンタジー」ってタイトルはやっぱり凄いわ。
今回は光のお父さんと飲みたいサラリーマンの酒、キリリと冷えた「ハイボール」をチョイス。
タンブラーに氷をたっぷり入れ、ウィスキー30ml、ソーダ90mlを注ぎ、マドラーで縦に一回混ぜる。
炭酸ガスが抜けてしまうので、何度もかき混ぜないこと。
梅雨時のムシムシする夜に飲むと、炭酸の喉越しが本当にスッキリとして気持ちいい。
アメリカ生まれだが、日本の気候にピッタリで大人気になったのも分かる。
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いやー、これは素晴らしい。
野口照夫監督以下、同一チームが手がけたTVドラマ版は未見、原作のブログ「一撃確殺SS日記」はまだ読んでいる途中だが、一本の劇映画として非常に良く出来ている。
吉田鋼太郎が好演する、仕事一筋で重役昇進を目前としていた父が、ある日突然会社を辞め、単身赴任先から抜け殻のようになって戻ってくる。
一体何があったのか、黙して語らない父に、家族は戸惑うばかり。
「この人が死んだ時、(自分も)泣いたりするのだろうか?」
自分が子供の頃から、何を考えているのか分からず、大人になった今も、ますます分からなくなった父の姿を見て、坂口健太郎演じる息子のアキオは、あるアイディアを思い付く。
趣味のオンラインゲーム、「ファイナルファンタジーXIV(FFXIV)」の世界に父を導き、息子であることを隠してフレンドとなり、何があったのか聞き出そうと言うのだ。
「FF」の世界では、プレイヤーを“光の戦士”と呼ぶことから、名付けて「光のお父さん計画」(笑
この種のオンオフ二重構造を持つ作品はもはや珍しくないが、韓国の「操作された都市」やスピルバーグの「レディ・プレイヤー1」など、海外作品だとサスペンやSF系が多い。
物理的にも精神的にも、本来一番近くにいるはずの家族同士の人間ドラマを、あえてこの設定でやろうという、逆説的なアイディアが秀逸だ。
元々実話のブログだから、ゲームを家族のコミュケーションツールにすることを考え付いた作者のマイディーさんが凄いのだが、ブログ記事の「光のお父さん計画」によると、彼の父は元々かなりのゲーマーだったそうで、ゲームの知識など80年代で止まっている吉田鋼太郎とはだいぶ違う印象。
TVドラマ版も手掛けた吹原幸太の脚色の、いい意味で日本の家族のステロタイプな設定と描写が絶妙な塩梅だ。
アバターで身元も知らない同士だからこそ、リアルな世界よりもホンネの人間関係が結べるというのは、思春期からは距離があって当たり前な父と息子ならではのものかも知れない。
面白いのは気まずさから不通が普通になってる父息子に対し、家族の女性陣には元から壁がなく、アキオの妹のミキが二人の間のメッセンジャーみたいになっていること。
これは微笑ましくもあるのだが、結構日本の家族あるあるじゃなかろうか。
アキオが「光のお父さん計画」を思いつくのは、遠い昔にほんの僅かだけ、一緒にファミコン時代の「FF」をプレイしていた時期があり、それが彼にとって数少ない父との思い出だから。
そして「一緒にゲームをクリアする」という、その時の約束が果たされなかったことが、アキオと父との間に溝ができた最初のきっかけ。
だから嘗ての父と同じサラリーマンとなった今、アキオが父と「FFXIV」に挑むのは、やり直しの再出発の意味もある。
ぶっちゃけ、話はどストレートで、オチまですぐに予想はついちゃうが、二人の細かなエピソードが、丁寧に親子の新しい関係を紡いでゆき、ゲーム内で親しくなればなるほど、本当のことをいつ明かすのか、アキオの葛藤がドラマに一本筋を通す。
アキオのサラリーマン生活を描くサブプロットも、いいアクセントとして機能していて、ドラマの緩急に大いに貢献。
どうやら広告代理店らしい、職場で繰り返される「シズル感」のフレーズには、ちょうど私も最近やった仕事で散々聞いた後だったから思わず苦笑。
作中かなりの比重を占める、ゲーム内の描写も良く出来ていて、エオルゼアの大地をプチ冒険。
「FF」なんて長いことやってないけど、これ観ると久々にプレイしたくなった。
しかし、この作品が成立するのは、ゲームが一般家庭に入ってきてから間もなく50年になろうとする歴史あってのこと。
本作のモチーフとなっている「FFXIV」の関係者はもちろんのこと、すべてのゲームクリエイターはこの作品を観たら、自分たちの成し遂げた結果に感慨無量なのではないだろうか。
スピルバーグは「レディ・プレイヤー1」で、虚構と現実は対立するのではなく、現実を生きるために虚構が必要だという肯定的なジンテーゼを導き出したが、本作の現実とゲームも同じ結論にたどり着く。
ちなみに坂口健太郎よりもだいぶ年上で、むしろ吉田鋼太郎に近い私が、父とゲームやった記憶が残っているのは、ファミコン以前のアタリの時代だったりする。
振り返ると、ゲームの世界はプラットフォームもタイトルも栄枯盛衰が激しかったな。
そんな中で30年以上人々を楽しませ続けているのだから、「ファイナルファンタジー」ってタイトルはやっぱり凄いわ。
今回は光のお父さんと飲みたいサラリーマンの酒、キリリと冷えた「ハイボール」をチョイス。
タンブラーに氷をたっぷり入れ、ウィスキー30ml、ソーダ90mlを注ぎ、マドラーで縦に一回混ぜる。
炭酸ガスが抜けてしまうので、何度もかき混ぜないこと。
梅雨時のムシムシする夜に飲むと、炭酸の喉越しが本当にスッキリとして気持ちいい。
アメリカ生まれだが、日本の気候にピッタリで大人気になったのも分かる。

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同日鑑賞縛りで4本まとめてレビュー。
◆『きみと、波にのれたら』トーホーシネマズ新宿1
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2019/07/03(水) 23:11:57 | ふじき78の死屍累々映画日記・第二章
累計1,000万アクセスを超えたブログを、坂口健太郎と吉田鋼太郎の主演で映画化。突然会社を辞めた父の本音を知ろうと正体を隠して「ファイナルファンタジーXIV」を共にプレイする息子とその父の様子を描く。監督は、実写パートとゲームパート共にドラマ版も担当した野口照夫と山本清史が務める。佐久間由衣、山本舞香、佐藤隆太、財前直見らが共演した。あらすじ:単身赴任中だったアキオ(坂口健太郎)の父・暁(吉...
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2019/07/06(土) 09:22:27 | 象のロケット
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2019/08/14(水) 20:07:01 | 映画のブログ
光のお父さん 劇場版
突然、会社を辞めた父の本音を知ろうと正体を隠して
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【個人評価:★★☆ (2.5P)】 (劇場鑑賞)
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昨年2月に急逝した大杉漣主演でドラマ化もされている。
2019/08/14(水) 22:07:15 | cinema-days 映画な日々
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