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ショートレビュー「フリーソロ・・・・・評価額1700円」
2019年09月09日 (月) | 編集 |
そこに、壁がある限り。

これはメッチャ心臓に悪い。
第91回アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞受賞作。
ヒマラヤの未踏峰に挑む山男たちの姿を追った、山岳ドキュメンタリーの傑作「MERU/メルー」の、ジミー・チンとエリザベス・C・バサルへリィ両監督が新たに描くのは、絶壁を道具も命綱すら使わず、身ひとつで登る“フリーソロ”の天才アレックス・オノルドの挑戦。
彼が目指すのは、カリフォルニア州ヨセミテ国立公園にそびえる、高さ約1000メートルを誇る世界最大の花崗岩の一枚岩、エル・キャピタン
ロッククライミングの聖地として世界的に知られる名所だが、たった一つのミスが死に直結するフリーソロで登り切ったものは誰もいない。

20年以上前だが、私の学生時代の遊び仲間が本格的なクライミングをやっていて、実際にエル・キャピタンへチャレンジするのを下から見守ったことがある。
巨大な岩盤に張り付いた人間の小ささと言ったら、ある程度登ったら砂つぶほどにしか見えない。
もちろん命綱は付けていたけど、それでも生きた心地がしなかった。
あの絶壁を滑り止めの松ヤニだけで登るとか、頭のネジが飛んだ人でないと出来ない。
「MERU/メルー」で、跳ね返されても跳ね返されても山に挑む男たちは、常人離れした技術とメンタルを持っていたが、なんとか理解可能な人たちだった。
それに対して本作の主人公たるアレックスは、もはや異星人か仙人だ。

映画の大半は、アレックスの人となりと、2016年から17年にかけて一年間に及ぶ入念な準備を描く。
家を持たずバンに住んでいて、お一人様が大好きで、暇さえあればトレーニングして絶壁を登る生粋のクライミング馬鹿。
「寿命を全うする義務はない」「幸福の状態からは何も生まれてこない」「危険と向き合ってこそ何かを成し遂げられる」
彼はサムライの哲学が好きらしく、まさに死に場所を探すような刹那的人生。
そんなエキセントリックなキャラクターに惹かれたのか、サンニという物好きな恋人が出来るのだが、彼女と暮らすために止むを得ず家を買うときのやる気の無さとか、思わず笑っちゃう。
クライミングのために生まれてきたようなアレックスにとっては、所詮下界での出来事など大して興味はなさそうで、余計なお世話だけどこの二人の将来が心配。

もっとも、ぶっ飛んで見えても別に自殺志願者ではないので、失敗前提の無謀な挑戦とは違う。
フリーソロは大自然の造形と、人間の肉体の高度なジグソーパズル
一見するとツルツルの岩盤にも、わずかに足がかかる、指先のフィットする小さな凹凸がある。
難攻不落のエル・キャピタンを幾つのものセクションに分け、単なる友人というよりも“戦友”のクライマー、トミー・コールドウェルらのサポートを受けながら、命綱をつけた状態で何度も攻略法のリハーサルが行われ、ルートを確定してゆくのである。
しかし、それでも本番で一度でもミスしたら、死は免れないので撮影する方も大変。
実際フリーソロが撮影されるのは珍しく、クライマーの多くは誰にも告げずに一人だけで挑戦し、墜落死している状態で発見されることが多いという。

前作はカメラマンを兼ねるジミー・チン自身の挑戦でもあったので、責任も結果も自分次第だった。
だが今回は、下手したら撮影クルーがアレックスを殺しかねないので、細心の注意が必要。
リモートカメラやドローンを駆使し、可能な限り彼に「撮影されている」ことを意識させず、集中力を切らせないようにする。
成功したから映画になってると分かっていても、クライマックスのアレックスvsエル・キャピタンの20分間の格闘は手に汗握る。
まるで彼と共に絶壁を攻略しているような、圧倒的な没入感。
もの凄い映画体験だけど、これこそレーザーIMAXの巨大画面で観たかった!

今回は、舞台となるヨセミテ国立公園も属する、シエラネバダ山脈の名を持つ「シエラ・ネバダ トルピード エクストラIPA」をチョイス。
1979年にチコで設立されたクラフトビール銘柄、シエラネバダ・ブリューイングが2009年より醸造している
攻撃的なホップ感はまさに“魚雷”の名がふさわしい。
フレーバーは複雑で豊か、口当たりは軽やかでクリーミー、バランスがよく飲み飽きない。
フリーソロを成功させて、頂上で飲んだら最高そう。

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