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高畑勲展ー日本のアニメーションに遺したもの “Takahata Isao: A Legend in Japanese Animation”
2019年09月17日 (火) | 編集 |
18年4月に亡くなった日本アニメーション界の至宝、高畑勲の回顧展。
東映動画時代に始まり、日本アニメーションで手がけた世界名作劇場を経て、スタジオジブリ設立から遺作となった「かぐや姫の物語」まで。
残した仕事にふさわしく、質量ともに圧倒的なボリュームで、下手な映画を何本か観るよりも一日中ここに詰めていたい。
高畑勲展01

原画やレイアウトの展示も豊富なのだけど、基本的に絵を描かない演出家だけあって、見どころはメモ書きなどの膨大な文書資料だ。
女性的な丸みのある美しい文字で書かれた文章は、静かな情熱を雄弁につたえてくる。
高畑さんはスタッフ全員がプロジェクト全体を把握するべきとして、“制作現場の民主化”を進めた人だから、多くのスタッフによる様々な提案書も残されている。
日本アニメーション史のターニングポイントなった、「太陽の王子 ホルスの大冒険」制作中の、予算を抑えたい会社と、妥協したくない現場の辛辣なやりとりの記録は初めて見たし、宮崎駿が主人公の名前をホルスとヒルダから、パズーとシータに変えたがっていたのは笑った。
確かに出自に秘密を抱える少女と活発な少年の話は共通点があり、ホルスをパズーにしてヒルダをシータに、グルンワルドをムスカ大佐に当てはめれば、ラピュタの原点がホルスなのは納得。

一番唸らされたのは、高畑さん一流の音楽演出の資料で、この人の仕事はやはり圧倒的に豊かな知識と教養に支えられているのがよく分かる。
内田吐夢監督の幻のアニメーション映画企画「竹取物語」のために、東映動画に入社したばかりの高畑さんが書いたメモには、竹取の翁が美しく成長し親離れしてゆくかぐや姫に嫉妬し、彼女を呪うという驚きの愛憎劇の案が書かれているが、これは物語全般への深い素養がないと書けない。
そして「この案はアニメーションには適さないだろう」という冷静な自己分析。
若い時のインプットって、ほんとうに大切なのだなと思わされる。

図録は頑張っているけど、さすがに展示資料全ては載せられていないし、ルーペが無いと読めないレベルにちっちゃくなっているので、現物をじっくり見るのが正解。
常設展も合わせて1500円は安すぎるくらいだし、文書資料をじっくり読んでいくと一日では終わらない量なので、複数回通ってもいい。
ちなみに音声ガイドの声は、アニメーション史をモチーフにしたNHKの朝ドラ「なつぞら」で、高畑さんをモデルとした坂場一久を演じている中川大志。
ドラマでは物腰穏やかな優男風だが、実際にこの天才と仕事をするのは相当な覚悟と実力が必要だっただろう。
オリジナルの登場人物がやたらと多かった「母をたずねて三千里」で、キャラクターデザインと作画監督を務めた小田部羊一は、あまりの激務に妻の奥山玲子に作画監督補佐となることを要請しなんとか乗り切るも、プロジェクト終了後にはマルコの絵を一切描けなくなったそうだ。
現場の高畑さんを知る多くの人は、一度は共に仕事をしたいが、二度はやりたくないと言う。
まさに狂気を秘めた孤高の存在だった。

東京国立近代美術館で10月6日まで。
高畑勲展02


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