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2019年09月18日 (水) | 編集 |
どうして「イイネ」が欲しいのか。
ミドルスクールの最終学年、「エイス・グレード(8年生)」の卒業までの最後の2週間を描く瑞々しい傑作。
昨年、サンダンス映画祭でワールドプレミアを迎えると、ロッテントマトで肯定99パーセント、アベレージ8.9/10というハイスコアを叩き出し、数々の映画賞に輝いた愛すべき小品がようやくの日本公開。
主人公は、内向的でネット中毒気味の少女ケイラ・デイ。
四六時中スマホいじりし、 YouTuberとして活動していて、「なりたい自分になる」など自己啓発的なテーマで積極的に発信しているが、ほとんど誰も見ていない。
「レディ・バード」の様な、後先考えない猪突猛進型とは違った意味で、かなりイタタな女の子だ。
未知なるハイスクール進学まであと僅か。
漠然とした期待と不安を抱え、まだ何者にもなっていないケイラは、今のうちになんとかイケてない自分を変えたい。
リア充になって、イケてる誰かに自分を知ってほしい、見てほしいのだが、現実には対人関係がうまく築けない。
孤独なうちに承認欲求を抱えたティーンが、こぞってSNSに走るのは時代の必然。
面と向かっては、何かを言う勇気を持てない内向的なケイラでも、SNS、それも不特定多数に向けたYouTubeなら、相手の顔が見えないゆえに、気兼ねなく発信できる。
いつか山盛りの「イイネ」がつく日を夢見て、ケイラは今日もそれほど面白くない番組を配信し続ける。
決め台詞は「Gucci!」(笑
ケイラの家はお父さんのマークとの父子家庭で、独立心が芽生えてきて親に心配をかけたくない彼女と、お年頃で精神不安定な娘が心配でたまらない父との関係が物語の縦軸。
そこにクラスメイトとのぎこちない関係や、おバカな男子へのビターな初恋、背伸びした挙句の手痛いしっぺ返しなど、中学生あるあるの日常が横軸として絡んでゆく。
これ今だからモチーフになるのはSNSだけど、同じような承認欲求に突き動かされ、大人ぶって色々やらかした記憶は、世代を問わずに誰もが持っているはず。
だから、イタイなあとは思っても、誰もケイラのことを嫌いになれない。
タイムカプセルに入っていた2年前の自分からのビデオレターとか、非常に使い方が上手くて思わずグッとくる。
特別な事件は起こらないが、厨二病を患ったことのある誰もが共感できる、普遍性のある青春ドラマなのだ。
主人公を演じるエルシー・フィッシャーが素晴らしい。
日本だと芦田愛菜の吹替の方が馴染みがあるが、「怪盗グルー」シリーズの三女アグネス役をはじめ、今までのキャリアではどちらかと言うと声優として知られる若手女優。
可愛いんだけど、ちょいぽっちゃり体型とニキビ面が、普通の中学生のリアリティを醸し出す。
お父さん役のジョシュ・ハミルトンを含めて、有名過ぎないキャスティングが成功要因の一つだろう。
本作を観ていると、まるで「近所に住んでいるデイさんの家の話」に思えてくる。
そのぐらい実在感があって、キャラクターを身近に感じるのだ。
コメディアンでもあるボー・バーナム監督は、青春の悲喜こもごもの中にある人生の真実を、味わい深く描き出した。
本国公開ではミドルスクールの話なのにR指定になって、主人公世代が観られないのが物議を醸したそうだが、幸い日本では誰でも入場可のG指定。
これは是非とも、リアルな中学生に観てもらいたい作品だ。
自分自身に抗うケイラを通して、きっと色々な感情が湧き上がってくるだろう。
ケイラにはお酒はまだ早いけど、未来の彼女をイメージして「ホワイトレディ」をチョイス。
ドライ・ジン30ml、ホワイト・キュラソー15ml、レモン・ジュース15mlをシェイクしてグラスに注ぐ。
半透明のホワイトが美しく、フルーティな味わいを辛口のジンがまとめ上げる。
いつの日か、ケイラもこんなカクテルが似合う、洗練された大人の女性になれる・・・かも知れない(笑
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ミドルスクールの最終学年、「エイス・グレード(8年生)」の卒業までの最後の2週間を描く瑞々しい傑作。
昨年、サンダンス映画祭でワールドプレミアを迎えると、ロッテントマトで肯定99パーセント、アベレージ8.9/10というハイスコアを叩き出し、数々の映画賞に輝いた愛すべき小品がようやくの日本公開。
主人公は、内向的でネット中毒気味の少女ケイラ・デイ。
四六時中スマホいじりし、 YouTuberとして活動していて、「なりたい自分になる」など自己啓発的なテーマで積極的に発信しているが、ほとんど誰も見ていない。
「レディ・バード」の様な、後先考えない猪突猛進型とは違った意味で、かなりイタタな女の子だ。
未知なるハイスクール進学まであと僅か。
漠然とした期待と不安を抱え、まだ何者にもなっていないケイラは、今のうちになんとかイケてない自分を変えたい。
リア充になって、イケてる誰かに自分を知ってほしい、見てほしいのだが、現実には対人関係がうまく築けない。
孤独なうちに承認欲求を抱えたティーンが、こぞってSNSに走るのは時代の必然。
面と向かっては、何かを言う勇気を持てない内向的なケイラでも、SNS、それも不特定多数に向けたYouTubeなら、相手の顔が見えないゆえに、気兼ねなく発信できる。
いつか山盛りの「イイネ」がつく日を夢見て、ケイラは今日もそれほど面白くない番組を配信し続ける。
決め台詞は「Gucci!」(笑
ケイラの家はお父さんのマークとの父子家庭で、独立心が芽生えてきて親に心配をかけたくない彼女と、お年頃で精神不安定な娘が心配でたまらない父との関係が物語の縦軸。
そこにクラスメイトとのぎこちない関係や、おバカな男子へのビターな初恋、背伸びした挙句の手痛いしっぺ返しなど、中学生あるあるの日常が横軸として絡んでゆく。
これ今だからモチーフになるのはSNSだけど、同じような承認欲求に突き動かされ、大人ぶって色々やらかした記憶は、世代を問わずに誰もが持っているはず。
だから、イタイなあとは思っても、誰もケイラのことを嫌いになれない。
タイムカプセルに入っていた2年前の自分からのビデオレターとか、非常に使い方が上手くて思わずグッとくる。
特別な事件は起こらないが、厨二病を患ったことのある誰もが共感できる、普遍性のある青春ドラマなのだ。
主人公を演じるエルシー・フィッシャーが素晴らしい。
日本だと芦田愛菜の吹替の方が馴染みがあるが、「怪盗グルー」シリーズの三女アグネス役をはじめ、今までのキャリアではどちらかと言うと声優として知られる若手女優。
可愛いんだけど、ちょいぽっちゃり体型とニキビ面が、普通の中学生のリアリティを醸し出す。
お父さん役のジョシュ・ハミルトンを含めて、有名過ぎないキャスティングが成功要因の一つだろう。
本作を観ていると、まるで「近所に住んでいるデイさんの家の話」に思えてくる。
そのぐらい実在感があって、キャラクターを身近に感じるのだ。
コメディアンでもあるボー・バーナム監督は、青春の悲喜こもごもの中にある人生の真実を、味わい深く描き出した。
本国公開ではミドルスクールの話なのにR指定になって、主人公世代が観られないのが物議を醸したそうだが、幸い日本では誰でも入場可のG指定。
これは是非とも、リアルな中学生に観てもらいたい作品だ。
自分自身に抗うケイラを通して、きっと色々な感情が湧き上がってくるだろう。
ケイラにはお酒はまだ早いけど、未来の彼女をイメージして「ホワイトレディ」をチョイス。
ドライ・ジン30ml、ホワイト・キュラソー15ml、レモン・ジュース15mlをシェイクしてグラスに注ぐ。
半透明のホワイトが美しく、フルーティな味わいを辛口のジンがまとめ上げる。
いつの日か、ケイラもこんなカクテルが似合う、洗練された大人の女性になれる・・・かも知れない(笑

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