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東京フィルメックスまとめのショートショートレビュー
2019年12月08日 (日) | 編集 |
今年は4本だけなれど。

熱帯雨・・・・・評価額1600円

「イロイロ ぬくもりの季節」のお母さんと問題児の息子が、今度は綺麗な先生と思春期の鼻血を流す中学生に。
舞台はシンガポールの雨季。
少年は補習を受けているうちに、次第に先生に憧れを募らせる。
一方の先生は夫と問題を抱えて、不妊治療中なのがポイント。
先生は、自分の息子の様に教え子の世話を焼いているのだが、その愛情が彼の勘違いに火をつけてしまう。
両親は留守がちで、親の愛すら知らぬ第二性徴期真っ只中の少年に、愛情の違いなど分かるわけもなく、だんだんと危ない関係に。
最初にボタンを掛け違った二人の葛藤が、激しい熱帯雨としてメタファーされる。
主人公は先生だが、映画が完全に少年に寄り添う瞬間があり、そこだけ作者の半自伝的作品だった「イロイロ」の主人公のその後が被る。
しかしQ&Aでも誰か言ってたけど、アンソニー・チェンの映画はどこか故ヤスミン・アフマドを思わせる。
シンガポールの中国語事情など、物語の背景も面白い。

波高・・・・・評価額1450円

過疎の島へと赴任してきた女性警官が、島の少女が売春しているのではないかと疑ったことから、小さな島に嵐が起こる。
パク・ジョンボムは、前作「ムサン日記」とはまた別のアプローチで社会の底辺を見つめる。
田舎の閉鎖社会は、日本も韓国もあんまり変わらないな。
少女は幼い頃、海の事故で目の前で高波に両親をさらわれ、トラウマから船に乗れない=何処へも行けない。
家族もいないので、島民みんなが育てた様なもの。
これがホラー系へ行くと「ビー・デビル」となるのだろうが、イ・チャンドン門下生のパク監督はあくまでも人間模様を撮る。
濃密すぎる人間関係が歪みを生み、女性警官が投げた小石が、複雑な波紋を描き出す。
彼女自身も離婚問題と娘との確執を抱え、だいぶ情緒不安定。
バッドエンドを予感させるミスリードも巧み。
途中登場人物の行動に疑問符がつく部分もあるが、なかなか見ごたえのある人間ドラマ。
主要登場人物の葛藤には一応の決着をつけつつ、発端となった事件そのものは、全然終わってないのも好き。

完全な候補者・・・・・評価額1650円

サウジアラビアの女性医師マリアムが、ひょんなことから地方議会選挙に立候補する。
ハイファ・アル=マンスールが再び母国で撮った作品だが、冒頭で主人公車運転してるし、女性の参政権がモチーフになるのも、7年前の「少女は自転車にのって」から既に隔世の感。
免許解禁も参政権も大きな進歩。
とはいえ現実はまだまだ厳しく、なりゆきで出馬したマリアムも、ネットで学んで選挙運動してるうちに、だんだん本気の改革者になってくる。
面白いのが歌手を生業としているマリアムのお父さんで、娘の選挙運動と並行して彼のツアーが描かれること。
そして彼自身も、図らずもある「候補者」となっているのだ。
厳格なワッハーブ派のサウジでは、音楽家に対する原理主義者の偏見も強い様で、父と娘の間にも亡き母を巡って心のわだかまりがある模様。
二人の静かな葛藤が、選挙運動とツアーの終着点で解け合うのは感動的。
いろいろ女性が生きてゆくには面倒も多い社会だけど、「少女は自転車にのって」と本作の間には、確実に変化した部分が見える。
男性優位社会の理不尽を描いても、それを単純に男女対立とは描かず、男性キャラクターが皆おっとりしてて優しいのも複雑な想いを感じさせる。

カミング・ホーム・アゲイン・・・・・評価額1450円

香港出身のウェイン・ワンが、サンフランシスコを舞台に、韓国系アメリカ人の家族を描くという、まことにアメリカンな作品。
主人公はウォール街の仕事を辞めて、末期癌で自宅療養している母のケアをしに、故郷の街へと戻ってくる。
主人公が、ボーディングスクールに送られた過去がポイント。
だからこそエリート人生を歩んで来たのだが、早くに家を出た経験が、親子関係にの小さな棘となってる。
母の味を再現した、新年の料理の準備をする現在が寒色、過去の描写が暖色となるのが面白い。
そしてその二つは、主人公が感情を爆発させる大晦日に解け合う。
物語の全てが曖昧に推移し、明確なものは何もない。
葛藤が生まれても答えはない。
しかし民族性を感じさせつつ、親子の感情の機微は伝わってくる。
ウェイン・ワンらしいセンスを感じさせる小品。

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