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ショートレビュー「ブラック・ミラー:バンダースナッチ・・・・・評価★★★★+0.3」
2020年05月15日 (金) | 編集 |
正しい道はどっち?

Netflixオリジナル作品。
局面ごとに視聴者が主人公の行動を選択することで物語が変化してゆく、ネット配信ならではのインタラクティブ性を持つユニークな作品。
一昨年の12月には公開されていたのだが、遅ればせながらこのタイミングで鑑賞。
2011年から放送されているSFドラマ、「ブラック・ミラー」の映画版として作られた作品ではあるものの、元々1話完結なので他のシリーズを観ている必要はない。
シリーズの生みの親であるチャーリー・ブルッカーが脚本を担当し、「ハード・キャンディ」のデヴィッド・スレイドが監督を務める。

1984年、幾つもの選択によって異なる結末にたどり着く革新的なゲーム、「バンダースナッチ」を開発している若きプログラマーのステファンが主人公。
このゲームは、やはり読者の選択によって物語が変わる同名の小説を基にしているのだが、原作者は小説を執筆中に妄想を募らせ、妻を殺したという曰く付きの作品という設定。
ゲームの売り込みには成功したものの開発は難航し、精神的に追い込まれたステファンは、自分もゲームのキャラクターの様に何者かにコントロールされているのではないかと疑いはじめる。
最初からメタ構造なのを最大限利用して、メタのメタのメタと世界を重ねることで選択肢を増やしてゆく寸法だ。

例えば、朝食の時に二つのシリアルのどちらを選ぶか、二枚のレコードのどちらを購入するか、ゲームの開発を会社でやるか自宅でやるかなど、岐路に差し掛かると画面の下に選択スイッチが出てきて、視聴者が主人公の行動を選択する。
すると選択に応じて、物語がパラレルワールドの如く枝分かれしてゆくのである。
ある選択をすると主人公はあっという間に死んでしまって、30分もかからずに終わってしまう。
別の選択をすると、物語はさらに二転三転して続いてゆく。

この作品に感じる“面白さ”は普通の映画とは異なる。
映画を観ているとき、私たちは物語の展開を予測し、その予測が当たれば喜びを感じ、予想外の展開となれば驚きを感じる。
しかしこの作品では、展開は私たちの手に半分だけ委ねられているのである。
本作はいわば映画とゲームのハイブリッド
映画の予測する面白さだけではなく、ゲームの選択する面白とその先にある驚きを感じる面白さの融合。
陰謀論的なエンディングから楽屋オチまで、様々な結末が用意されているが、作者が意図した“本当の物語”も存在する。
ステファンは幼少期のある“選択”によって、母を事故で亡くし、父とはそれ以来確執を抱え、心理カウンセラーに通っている。
この過去の葛藤要因の解消が、本作を“クリア”する最終目標となっていて、たどり着いてみると物語としても結構感動的なのである。

視聴者は幾つもの選択をするのだけど、いったん物語が終わっても何度も戻ることが促され、最終的に本来のエンディングに導かれる様になっている。
もちろん一つ目の終わりに満足して、そこで終わりにしても問題ないのだが、「選ばなかったチョイスでは、どんな話になるんだろう?」という興味で止まらなくなり、全部の選択を試してみるまで終わらない(笑
この中毒性によって、実は視聴者自身も作者によってコントロールされている様に思えてきて(実際そうなのだが)、余計にインタラクティブ感が強まる。
ちなみに本作は、通常のテレビでは視聴は出来ない。
スイッチ操作が可能な、タブレットやパソコンでの視聴が必須だ。
この技術は、アイディア次第で色々なことが出来そう。
共同体験を前提とする劇場用映画には無い、新しいメディアの可能性を強く感じさせる作品だ。

今回は、メタ構造で物語が変化する作品なので、味が変化するカクテル「エンジェル・ウィング」をチョイス。
クレーム・ド・カカオ・ブラウン20ml、プルネル・ブランデー20ml、生クリーム適量(他の材料と同じ厚み)を、静かに注いでゆく。
比重の違う材料を混じり合わない様に重ねることで、下からブラウン、イエロー、ホワイトが三色の層となる。
一番上の生クリームの触感は、名前の通りに天使の羽に優しく触れられている様だが、少しするとブランデーの濃厚な味わいが顔を出す不思議なカクテルだ。

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