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2分の1の魔法・・・・・評価額1650円
2020年08月29日 (土) | 編集 |
もしも魔法が使えたら。

ピクサー・アニメーション・スタジオの22作目「2分の1の魔法」は、科学の発展によって魔法が失われたファンタジーの世界の物語。
エルフやケンタウロスなど、多種多様な幻想生物の住む大都会で、エルフの兄弟が魔法で亡くなった父親を蘇らせようとして失敗。
なぜか下半身だけの状態で復活してしまい、兄弟は上半身をつなげるために魔法に不可欠な「不死鳥の石」を探す冒険に出る。
24時間のタイムリミットの中で描かれるのは、ワクワクする冒険、家族の絆、そして「できない」を超えて新しい一歩を踏み出す勇気。
監督と共同脚本は、「モンスターズ・ユニバーシティ」のダン・スキャンロン 。
アメリカの興業街が依然として閉じたままで、新作映画の供給が滞っている今となっては貴重な、大作感のある“ザ・ハリウッド映画”だ。

エルフの少年イアン・ライトフット(トム・ホランド)は、魔法マニアの兄のバーリー(クリス・プラット)と母のローレル(ジュリア・ルイス=ドレイファス)との三人暮らし。
父のウィルデンは、イアンが生まれる前に病気で亡くなり、一度も会ったことがない。
イアンは16歳の誕生日に、ローレルから亡くなる前に父から託されたという魔法の杖を受け取る。
それにはウィルデンを1日だけ復活させることの出来る、蘇りの魔法の手順が添えられていたのだが、イアンは慣れない魔法に失敗し、ウィルデンの足だけが復活。
魔法の効力は一日だけなので、翌日の日没までにもう一度魔法をかけなおして上半身を復活させないと、永遠に父とは会えなくなってしまう。
蘇りの魔法に必要な「不死鳥の石」を探すため、イアンはバーリーと石が隠されている伝説のダンジョンへと向かうのだが・・・・


「もしファンタジーの世界から、魔法だけが失われたら?」というのは、ありそうで無かった面白い発想だ。
ディズニー黄金期のアニメーション映画の金字塔、「ファンタジア」の「魔法使いの弟子」のエピソードでも描かれたように、魔法は便利だけど訓練が不可欠。
誰もが自由に使えるものではない。
社会が大きく複雑になればなるほど、より便利により自由に使える「魔法に代わるもの」が求められるのは必然だ。
この映画の世界では、「科学」が生活を変えていった結果、限りなく現実世界と同じような社会が出来上がっているのが面白い。
ファンタジー世界でお馴染みの、様々な生き物たちはそのままだが、機械の力を借りて楽をすることを知り、本来持っていた能力も使う機会がなくなってしまった。
ケンタウロスは走ることをやめ、ピクシーの羽は無用となり、恐ろしいマンティコアは爪を隠し、魔法石が隠されたダンジョンは忘れられ、魔法使いという職業は消え去った。

魔法が失われた世界で、魔法を使ってしまったことにより、想定外の騒動が起こるのが本作。
しかし、色々詰め込まれていて序盤は結構とっ散らかった話だなと思った。
まあ現実を模したファンタジー世界というのは、例えば「モンスターズ」シリーズや「カーズ」シリーズもそうだったしピクサーのお家芸なのだが、そこにRPG的な冒険譚に加え、兄弟愛に親子愛、さらには社会全体の価値観の問題までもが盛り込まれ、いわば「ピクサー映画全部入り」的な内容になっているのだ。
もっとも、詰め込むだけ詰め込んでも、空中分解しちゃわないのが、流石のクオリティコントロール。
兄弟それぞれの葛藤だけでなく、脇の脇役に至るまで、あらゆる登場キャラクターにソリューションをもたらす物語の畳み方のうまさは惚れ惚れする。

主人公のイアンは内気な少年で、心を開いて人と接することが苦手。
何ごとにも臆病で、新しい一歩を踏み出すこともなかなか出来ない。
そんな自分のダメさ加減は分かっていて、生まれる前に亡くなった父ウィルデンと一度でいいから会って話をしてみたいと思っている。
具体的な相談があるとかではなく、とにかくひと目あってみたい。
父に会えれば、自分の中で何かが変わるのではないかと漠然と考えているのだ。
だから目も口も無い、足だけの幽霊パパではダメなのである。
一方、兄のバリーは幼い頃に父と過ごした思い出を持っている。
魔法が失われた世界で魔法マニアのバリーは、いわばこの世界ではオタクではみ出し者
大学にも行かずにふらふらとしている、一家の問題児と見なされているが、実はバリーの価値観に大きな影響を与えているのが、「魔法」をまだ見ぬ息子へのプレゼントとして残したウィルデンなのである。

亡き父を一度だけ蘇らせる魔法を完成させるため、臆病なイアンはバリーに焚きつけられて冒険の旅に出る。
今までの自分だったら、絶対に無理だと思い込んでいた様々な経験を通して、イアンは才能あふれる一端の駆け出し魔法使いへと成長してゆく。
そしてある時ふと考えるのだ。
ウェルデンのいない環境で、父の代わりに自分をずっと守ってくれて、成長させてくれたのは誰なのか
本当に父と会うべきなのは、最初から記憶を持たない自分よりも、共に暮らした記憶を宝物として大切にしている者なのではないか。
いちばん大切なもの、絶対に欲しいものは実ははじめから身近にあったという、メーテルリンクの「青い鳥」的冒険譚だが、成長を遂げた主人公の、自らへの問いから導き出された結末の美しさは、相変わらず見事だ。

これは兄弟愛、家族愛の物語であるのと同時に、生き方の豊かさに関する寓話でもあり、イアンとバリーの活躍で魔法が復活したことによって、科学の便利さは享受しつつも、人生を楽しむためにも古いもの、非効率的なものも大切にしてゆこうよ、という結論はちょっと「カーズ」にも通じるものがある。
主人公兄弟を演じるトム・ホランドとクリス・プラットの掛け合いも楽しく、夢いっぱい冒険いっぱいの、いかにもアメリカ映画らしい優れたファミリー・ファンタジー。
特に対照的な性格の兄弟姉妹のいる人には、感情的な「あるある!」も満載で共感率高し。
しかし、残念ながら今回も短編は無し。
ディズニー・ピクサー作品は、未来の才能を見つけられる素晴らしい短編が楽しみだったのになあ。

今回は、ファンタジーの世界の話なので、ボルドーのシャトー・サンクリットが作る 「ラヴ&カベルネ」の2017年をチョイス。
ハートの風船とユニコーンのラベルが印象的。
ミディアムボディのちょい辛口で、ギュッと凝縮された果実味が豊富。
最近は暑すぎて、赤ワインは敬遠がちだけど、このくらい軽さなら、ちょっと冷やして赤身のお肉に合わせたい。
普段飲み出来るCPもありがたく、ワインの飲み方としては邪道だけどスパークリングウォーターで割ってもスッキリして美味しい。

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魔法が満ち溢れていた神秘的な世界は、はるか昔の話。 科学や技術が発達するにつれ、小人や妖精たちも便利な世界に慣れ、この世から魔法は消えてしまった。 魔法を使えない内気な少年イアンは、自分が生まれる前に亡くなった父に一目会うため、好奇心旺盛な兄のバーリーと共に魔法を取り戻す旅に出る…。 冒険アニメ。
2020/09/04(金) 04:19:41 | 象のロケット