2020年08月31日 (月) | 編集 |
世界は知らないことばかり。
勉強一筋で高校3年間を過ごした意識高い系の女子高生コンビが、卒業式前夜に突然のパリピデビューする。
ビーニー・フェルドスタインとケイトリン・ディーヴァーが演じる、モリーとエイミーは親友同士。
と言うか、お互い以外に親しい友人はいない。
生徒会長のモリーは名門イエール大学に進学が決まっていて、環境問題に関心が深いエイミーは進学前にアフリカで活動をする予定。
二人とも、自分はエリート街道を歩む未来の勝ち組だと思っていて、パーティー三昧に高校生活を謳歌しているクラスメイトたちを見下している。
ところが、卒業を翌日に控えたある日、周りで遊んでるだけに見えていたクラスメイトたちが、実は自分たちに負けないエリートコースに進むことを知ってしまう。
同じイエール大に進学する生徒もいるし、所謂GAFAに就職する者も。
自分たちは限られたエリートじゃなかった!
今まで遊びには目もくれず、ひたすらガリ勉してきた自分たちは、実は負け組じゃないか!とプライド崩壊。
面白いのがこの会話が交わされるのが、ジェンダーフリーのトイレだということ。
舞台となるのがリベラルなカリフォルニアということもあるのだろうが、もう映画の中に自然に出てくるほど普及しているのだな。
タイトルの「ブックスマート」とは、「本を沢山読んで博識だが実践を伴わない人」のこと。
主人公の二人はまさにこれで、勉強はできるけど、ただそれだけ。
自分の周り、半径2メートルのこと以外を全く知らず、唐突に価値観を壊された二人は、取り残されたように感じてしまう。
だがここで「いやまてよ、まだ間に合う」と考え方チェンジ。
明日まではまだ高校生だから、今夜思いっきり弾けてしまえば、勉強以外でも高校生活を楽しんだことになって汚点を残さずにすむ!
開き直った二人は、どうせならと一番盛り上がっているパーティーを目指すのだが、悲しいかな友達がいないからどこでやっているのかわからない。
生配信されているYouTubeを手掛かりに、ほかの生徒や教師たちまで巻き込んで、パーティー巡りの旅に出かけるのだ。
勉強だけしか知らない二人にとって、それはあたかも大人になるための通過儀礼、都会の夜のビジョンクエストだ。
それぞれに失恋し、お酒やドラッグを知り、ハイになってなぜか自分がバービー人形になっちゃうシュールな悪夢も経験する。
二人のうち、生真面目なエイミーを同性愛者に設定したのも上手い。
ストーリー的には、昔からある一晩の青春グラフィティものだが、この設定によって単純なラブコメの構造から脱却し、より普遍的な人間性の物語となった。
二人はいくつものパーティーを巡るプチ冒険を通して、今まで漠然と過ごしていた学校という生態系の多様さ、毎日共に過ごしていたはずのクラスメイトたちが何者で、どんな葛藤を秘めているのかを初めて目の当たりにする。
知って考えて悩んで、自分自身を変えてゆくのだ。
夜が明けた時、二人の見ている世界は前日とは違っている。
よく幼い子供は大人が知らないうちに突然成長すると言うけれど、それはハイティーンくらいまでは当てはまるのかも知れない。
コミカルだけどホロリとさせ、古典的だけど斬新。
登場人物たちにエールを送りたくなる、瑞々しい青春映画。
オリヴィア・ワイルド監督、お見事なデビュー作だ。
今回は黄金の夜明けを意味する「ゴールデン・ドーン」をチョイス。
ドライ・ジン30ml、カルバトス30ml、アプリコット・ブランデー30ml、オレンジ・ジュース30ml、アンゴスチュラ・ビターズ2dashを氷と共にシェイクし、冷やしたグラスに注ぐ。
最後にグレナデン・シロップ5mlを、静かにグラスの真ん中に落とし入れる。
赤みの強いグレナデン・シロップが、黄金の海から浮かび上がる朝日になるというわけ。
柑橘系の香りが豊かで、沈んだシロップを軽く混ぜると甘味が強くなって飲みやすくなる。
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勉強一筋で高校3年間を過ごした意識高い系の女子高生コンビが、卒業式前夜に突然のパリピデビューする。
ビーニー・フェルドスタインとケイトリン・ディーヴァーが演じる、モリーとエイミーは親友同士。
と言うか、お互い以外に親しい友人はいない。
生徒会長のモリーは名門イエール大学に進学が決まっていて、環境問題に関心が深いエイミーは進学前にアフリカで活動をする予定。
二人とも、自分はエリート街道を歩む未来の勝ち組だと思っていて、パーティー三昧に高校生活を謳歌しているクラスメイトたちを見下している。
ところが、卒業を翌日に控えたある日、周りで遊んでるだけに見えていたクラスメイトたちが、実は自分たちに負けないエリートコースに進むことを知ってしまう。
同じイエール大に進学する生徒もいるし、所謂GAFAに就職する者も。
自分たちは限られたエリートじゃなかった!
今まで遊びには目もくれず、ひたすらガリ勉してきた自分たちは、実は負け組じゃないか!とプライド崩壊。
面白いのがこの会話が交わされるのが、ジェンダーフリーのトイレだということ。
舞台となるのがリベラルなカリフォルニアということもあるのだろうが、もう映画の中に自然に出てくるほど普及しているのだな。
タイトルの「ブックスマート」とは、「本を沢山読んで博識だが実践を伴わない人」のこと。
主人公の二人はまさにこれで、勉強はできるけど、ただそれだけ。
自分の周り、半径2メートルのこと以外を全く知らず、唐突に価値観を壊された二人は、取り残されたように感じてしまう。
だがここで「いやまてよ、まだ間に合う」と考え方チェンジ。
明日まではまだ高校生だから、今夜思いっきり弾けてしまえば、勉強以外でも高校生活を楽しんだことになって汚点を残さずにすむ!
開き直った二人は、どうせならと一番盛り上がっているパーティーを目指すのだが、悲しいかな友達がいないからどこでやっているのかわからない。
生配信されているYouTubeを手掛かりに、ほかの生徒や教師たちまで巻き込んで、パーティー巡りの旅に出かけるのだ。
勉強だけしか知らない二人にとって、それはあたかも大人になるための通過儀礼、都会の夜のビジョンクエストだ。
それぞれに失恋し、お酒やドラッグを知り、ハイになってなぜか自分がバービー人形になっちゃうシュールな悪夢も経験する。
二人のうち、生真面目なエイミーを同性愛者に設定したのも上手い。
ストーリー的には、昔からある一晩の青春グラフィティものだが、この設定によって単純なラブコメの構造から脱却し、より普遍的な人間性の物語となった。
二人はいくつものパーティーを巡るプチ冒険を通して、今まで漠然と過ごしていた学校という生態系の多様さ、毎日共に過ごしていたはずのクラスメイトたちが何者で、どんな葛藤を秘めているのかを初めて目の当たりにする。
知って考えて悩んで、自分自身を変えてゆくのだ。
夜が明けた時、二人の見ている世界は前日とは違っている。
よく幼い子供は大人が知らないうちに突然成長すると言うけれど、それはハイティーンくらいまでは当てはまるのかも知れない。
コミカルだけどホロリとさせ、古典的だけど斬新。
登場人物たちにエールを送りたくなる、瑞々しい青春映画。
オリヴィア・ワイルド監督、お見事なデビュー作だ。
今回は黄金の夜明けを意味する「ゴールデン・ドーン」をチョイス。
ドライ・ジン30ml、カルバトス30ml、アプリコット・ブランデー30ml、オレンジ・ジュース30ml、アンゴスチュラ・ビターズ2dashを氷と共にシェイクし、冷やしたグラスに注ぐ。
最後にグレナデン・シロップ5mlを、静かにグラスの真ん中に落とし入れる。
赤みの強いグレナデン・シロップが、黄金の海から浮かび上がる朝日になるというわけ。
柑橘系の香りが豊かで、沈んだシロップを軽く混ぜると甘味が強くなって飲みやすくなる。

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明日は卒業式。 親友同士のモリーとエイミーは、高校生活の全てを勉学に費やし輝かしい進路を勝ちとった。 ところが、遊んでばかりいたはずの同級生たちもハイレベルな進路を歩むことを知り愕然とする。 2人は失った時間を取り戻すべく、呼ばれてもいない卒業パーティーに乗り込むことに…。 青春コメディ。 ≪今夜の主役は、私たち!≫
2020/09/04(金) 04:32:03 | 象のロケット
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