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2021年02月22日 (月) | 編集 |
日本には、恐ろしいムラがある。
清水崇監督による、都市伝説に無理やり怪談話をくっ付ける「村」シリーズ第二弾。
前作の「犬鳴村」は、くっ付けた要素がゴチャゴチャしちゃって何がどう怖いのか分からず、いろいろ残念な出来だったが、今回はなかなかの仕上がり。
大谷凜香が、YouTuber役で再登場しているなど共通項もあるが、ストーリー的には完全に独立してるので、前作を観ている必要はない。
今回モチーフになるのは、自殺の名所として知られる富士の樹海に、「樹海から出られなくなった人々が暮らす村がある」という都市伝説。
この村で作られた、“コトリバコ”なる呪いの箱と関わってしまった若者たちを、超自然的な恐怖が襲う。
物語の軸となるのは、山田杏奈と山口まゆが演じる姉妹で、どうやら親の代から村と因縁があるらしい。
現在に至るまで清水崇の代表作といえば、2000年に発売されたビデオ映画「呪怨」だろう。
ある家に秘められた呪いが、家に関わった人々にまるでウィルスのように広まってゆく物語は、一見すると幽霊屋敷ものという古典的なジャンル。
だが、一度でも家に足を踏み入れれば絶対に逃れられないという不条理かつ禍々しい恐怖は、誰も観たことの無い新しいタイプのホラーだった。
続編の「呪怨2」共々ビデオの販売は全く振るわなかったそうだが、後から「とんでもなく怖い」と口コミで話題が広がり、2003年に映画版「呪怨」「呪怨2」としてセルフリメイク。
さらにハリウッド版までセルフリメイクし、2006年にはハリウッド版の続編「呪怨 パンデミック」で、実写の日本人監督として初の全米ナンバー1の偉業を成し遂げるなど、清水崇といえばイコール「呪怨」である。
実際、オリジナルの「呪怨」は、1998年に公開された中田秀夫監督の「リング」と共に、世界に影響を与えたJホラーの代表作であることに異論は出ないだろう。
ただ、「呪怨」は名声をもたらした反面、呪いでもあったと思う。
ホラーを中心に様々なタイプの作品にトライしてきたが、興行成績はともかく、どの作品も「呪怨」の評価を超えられない。
ところが、本作はオリジナルの「呪怨」2部作以来、清水崇監督作品では一番面白い。
まるで水を得た魚の如く、ホラー演出が全編に渡って冴えわたり、禍々しく作品世界を覆い尽くしている。
本作で恐怖を運ぶ”コトリバコ”には、人べらしで樹海に捨てられ、出られなくなった亡者たちの“指”が詰められている。
この世とあの世の中間に存在する村に囚われた人々は、指を切り落としてコトリバコに収めることで、正式な村人となるのだ。
逆にいえば指を落とされたら、もう逃れられない。
コトリバコはいわば新たな村人のリクルート装置として、少しでも村と関わりを持った人間を狙う。
そう、本作は清水崇の原点回帰。
都市の一角にある呪いの家が、富士の樹海の呪いの村に変わった「呪怨」のスケールアップ版と言える構造を持つ。
だから、描かれる恐怖の本質は変わらない。
一度関わってしまったら、絶対に逃れられないという不条理さだ。
そもそもコトリバコがなぜあそこにあったのかとか、なぜ指を切るのかとか、設定はかなりアバウトだが、もともと不条理な話だから気にならない。
そして本作を「呪怨」とは似て非なるものにしているのが、森に潜む霊というフォークロアな存在を表現した映像的な未見性だ。
影が襲ってくる描写も面白いが、これは昔「スウィートホーム」でもあった。
しかし、森と一体化した樹木人間(?)の描写は、CGの親和性も高く新しいイメージを生み出している。
Jホラーは「呪怨」「リング」のインパクトがあまりにも強かったため、恐怖演出がワンパターン化していたが、ここへ来てNetflixのドラマ版「呪怨」なども含め、不条理の恐怖はそのままに、Jホラー2.0とも言うべき演出の方向性が見えてきたのは興味深い。
見事な復活を遂げた清水崇が、「犬鳴」「樹海」ときて次はどこの“ムラ”へいくのか、次回作を楽しみに待ちたい。
今回は富士の北麓、標高1000メートルにある富士桜高原麦酒の「ヴァイツェン」をチョイス。
オクトーバフェストなどのイベントでも、ドイツビールの銘柄と並んで出店しているが、非常にクオリテイの高いクラフトビールだ。
ヴァイツェンは50%以上が小麦麦芽となるエールで、本場ものに引け取らないフルーティーなテイストが特徴。
まだしばらくは自粛生活が続きそうではあるが、願わくば桜の季節に花見をしながら飲みたい。
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清水崇監督による、都市伝説に無理やり怪談話をくっ付ける「村」シリーズ第二弾。
前作の「犬鳴村」は、くっ付けた要素がゴチャゴチャしちゃって何がどう怖いのか分からず、いろいろ残念な出来だったが、今回はなかなかの仕上がり。
大谷凜香が、YouTuber役で再登場しているなど共通項もあるが、ストーリー的には完全に独立してるので、前作を観ている必要はない。
今回モチーフになるのは、自殺の名所として知られる富士の樹海に、「樹海から出られなくなった人々が暮らす村がある」という都市伝説。
この村で作られた、“コトリバコ”なる呪いの箱と関わってしまった若者たちを、超自然的な恐怖が襲う。
物語の軸となるのは、山田杏奈と山口まゆが演じる姉妹で、どうやら親の代から村と因縁があるらしい。
現在に至るまで清水崇の代表作といえば、2000年に発売されたビデオ映画「呪怨」だろう。
ある家に秘められた呪いが、家に関わった人々にまるでウィルスのように広まってゆく物語は、一見すると幽霊屋敷ものという古典的なジャンル。
だが、一度でも家に足を踏み入れれば絶対に逃れられないという不条理かつ禍々しい恐怖は、誰も観たことの無い新しいタイプのホラーだった。
続編の「呪怨2」共々ビデオの販売は全く振るわなかったそうだが、後から「とんでもなく怖い」と口コミで話題が広がり、2003年に映画版「呪怨」「呪怨2」としてセルフリメイク。
さらにハリウッド版までセルフリメイクし、2006年にはハリウッド版の続編「呪怨 パンデミック」で、実写の日本人監督として初の全米ナンバー1の偉業を成し遂げるなど、清水崇といえばイコール「呪怨」である。
実際、オリジナルの「呪怨」は、1998年に公開された中田秀夫監督の「リング」と共に、世界に影響を与えたJホラーの代表作であることに異論は出ないだろう。
ただ、「呪怨」は名声をもたらした反面、呪いでもあったと思う。
ホラーを中心に様々なタイプの作品にトライしてきたが、興行成績はともかく、どの作品も「呪怨」の評価を超えられない。
ところが、本作はオリジナルの「呪怨」2部作以来、清水崇監督作品では一番面白い。
まるで水を得た魚の如く、ホラー演出が全編に渡って冴えわたり、禍々しく作品世界を覆い尽くしている。
本作で恐怖を運ぶ”コトリバコ”には、人べらしで樹海に捨てられ、出られなくなった亡者たちの“指”が詰められている。
この世とあの世の中間に存在する村に囚われた人々は、指を切り落としてコトリバコに収めることで、正式な村人となるのだ。
逆にいえば指を落とされたら、もう逃れられない。
コトリバコはいわば新たな村人のリクルート装置として、少しでも村と関わりを持った人間を狙う。
そう、本作は清水崇の原点回帰。
都市の一角にある呪いの家が、富士の樹海の呪いの村に変わった「呪怨」のスケールアップ版と言える構造を持つ。
だから、描かれる恐怖の本質は変わらない。
一度関わってしまったら、絶対に逃れられないという不条理さだ。
そもそもコトリバコがなぜあそこにあったのかとか、なぜ指を切るのかとか、設定はかなりアバウトだが、もともと不条理な話だから気にならない。
そして本作を「呪怨」とは似て非なるものにしているのが、森に潜む霊というフォークロアな存在を表現した映像的な未見性だ。
影が襲ってくる描写も面白いが、これは昔「スウィートホーム」でもあった。
しかし、森と一体化した樹木人間(?)の描写は、CGの親和性も高く新しいイメージを生み出している。
Jホラーは「呪怨」「リング」のインパクトがあまりにも強かったため、恐怖演出がワンパターン化していたが、ここへ来てNetflixのドラマ版「呪怨」なども含め、不条理の恐怖はそのままに、Jホラー2.0とも言うべき演出の方向性が見えてきたのは興味深い。
見事な復活を遂げた清水崇が、「犬鳴」「樹海」ときて次はどこの“ムラ”へいくのか、次回作を楽しみに待ちたい。
今回は富士の北麓、標高1000メートルにある富士桜高原麦酒の「ヴァイツェン」をチョイス。
オクトーバフェストなどのイベントでも、ドイツビールの銘柄と並んで出店しているが、非常にクオリテイの高いクラフトビールだ。
ヴァイツェンは50%以上が小麦麦芽となるエールで、本場ものに引け取らないフルーティーなテイストが特徴。
まだしばらくは自粛生活が続きそうではあるが、願わくば桜の季節に花見をしながら飲みたい。

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富士山麓に広がる約3千ヘクタールもの森林地帯“青木ヶ原樹海”。 そこには呪いの箱「コトリバコ」が封印されていると言われていたが、詳しいことを知る者はいない。 幼い頃に母を亡くし祖母と暮らす女性・鳴(めい)は、引き籠りがちな妹・響(ひびき)の不可解な行動を理解できずにいた。 そんな姉妹の周囲で死亡事件が相次いでゆく…。 ホラー。 恐怖の村シリーズ第2弾。 ≪日本にはまだ、行ってはならない場所が...
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