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ショートレビュー「あの頃。・・・・・評価額1650円」
2021年02月27日 (土) | 編集 |
あの頃、君を追いかけた。

これはいい映画だったなあ。
主人公は、松坂桃李演じる半端者のバンドマン・劔樹人。
同名の原作者による、ほぼ自伝的な物語なのだと言う。
バイトに明け暮れた結果、練習不足でバンド活動にも挫折し、どん底の劔を救ったのが、当時人気絶頂だったハロプロのアイドル・松浦亜弥だった。
ある時、友人に勧められて彼女の「♡桃色片想い♡」のMVに出会い、一気に夢中になる。
そして、地元大阪でハロプロ推しの活動してるグループと繋がり、小さなハコでファンイベントを開催したりして、オタクな青春を謳歌するのだ。

私は世代的にもかなりズレいているし、ハロプロに特に思い入れはない。
「モーニング娘。」が出てきたのを見て、「あー、おニャン子クラブの平成版か」と思ったクチだ。
しかし、この映画の登場人物にはどっぷりと感情移入した。
たとえアイドルじゃなかったとしても、青春時代に何かを大好きになって、同じものをとことん愛する“仲間”がいた人にはたまらない話だろう。
その何かに出会った瞬間、今までのうだつの上がらない生活は過去のものとなり、世界はキラキラとした輝きに満ちていることに気づくのである。
本作の劔も、ハロプロによって人生の閉塞から一気に飛び出す。
推しの良さが分からない人たちからは「キモオタ」なんて蔑まれたりもするけど、本人は気にならない。

今泉力哉監督といえば、ラブストーリーの名手だが、本作には恋愛要素はほぼゼロ。
いい歳してアイドルに夢中になり、その後バンド活動まではじめちゃう六人のおっさんたち、その名も”恋愛研究会。”の輝かしくもおバカな青春。
男女の心の機微は出てこないが、人生のある時期だけに訪れる、特別な時間を経験する登場人物の高揚感、「好き」が詰まった黄金時代は共感力たっぷりに描かれている。
劔が松浦亜弥の握手会に当選して、会いに行く演出にびっくり。
まさか本人?それともCG?と不思議だったが、ハロプロで彼女の後輩にあたる、山崎夢羽という人だそう。
いや〜、似た雰囲気の人がいたものだ。

しかし愛する対象が人間であれば、その熱狂は決して永遠には続かない。
アイドルはいつかは卒業し、引退してゆく。
松浦亜弥がいつの間にか三児の母になっているように、青春には必ず終わりがくる。
ハロプロさえあれば幸せだった劔の生活にも、少しずつ成長という名の変化が訪れる。
東京に引っ越して再び音楽を初め、たまに大阪でやっている恋愛研究会。のイベントも、だんだんハロプロとは関係なくなっている。
やがて変わってゆくもの、変わらないもの、青春の不滅と有滅こそが、物語の核心になってくるのだ。

松坂桃李も新境地だが、オタク仲間のコズミン役の仲野太賀が、終盤全てをさらってゆく。
ある理由から人生の有滅を思い知らされた彼の推しが、物語の終盤にハロプロから二次元のアニメキャラにシフトしてるのが象徴的。
人間と違って、歳を取らない二次元キャラは不滅の存在だからだ。
青春の煌めきは短く、消える時は儚い。
でもいつになっても大好きな何かがあれば、人生は輝ける。
「今が一番楽しい!」そう言い切れちゃう、オタクたちの青春と成長に涙。

ところで、コズミンのキャラがなんか既視感があったんだけど、分かった。
こいつのイラッとくるのに憎めないウザさは、まるで実写版の我妻善逸だ(笑
もちろん推しは禰豆子ちゃんです!

今回はハロプロアイドルのイメージで、「フェアリーランド~おとぎの国~」をチョイス。
ミドリ(もしくはメロン・リキュール)20ml、ココナッツ・リキュール15ml、ブラック・サンブーカ10ml、ブルー・キュラソー5ml、オレンジ・ジュース2tspをシェイクし、クラッシュドアイスを詰めたグラスに注ぐ。
最後にお好みでフルーツを飾って完成。
甘口で飲みやすいが、アルコール度数は25°以上ある強いカクテル。
パステルグリーンの可愛い見た目にごまかされると、痛い目に合う。

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コメント
この記事へのコメント
こんにちは
こんにちは。
コズミンが確かに全部さらっていきましたよね。とても良かったです。だって、良い人ばかりで世の中は構成されていないし、それも含めて「友達」や「仲間」なのだから。
2021/03/01(月) 11:27:21 | URL | ここなつ #/qX1gsKM[ 編集]
こんばんは
>ここなつさん
あの大阪独特のノリ、人によってはついていけないし、コズミンだけじゃなくてもグループの中でもいろいろあるんだろうなというのは伝わってきます。
いろんな意味でリアルな話でした。
まあ原作者の自伝なのだから当たり前ですが、その空気をきっちり描きこんできたのが凄い。
2021/03/02(火) 21:33:26 | URL | ノラネコ #xHucOE.I[ 編集]
ちょっと気持ち悪いことに気づいてしまった。コズミンもそうなのだけど、我妻善逸も女子だったら、あのコミュニティーの中でオタサーの姫として、それなりに大事にされるのではないか?
2021/03/22(月) 16:04:05 | URL | fjk78dead #-[ 編集]
こんばんは
>ふじきさん
コズミンも善逸も、女子化したら男子以上にイタいキャラになりそう。
大切にされるかもしれないけど、絶対モテない。
2021/03/25(木) 20:51:42 | URL | ノラネコ #xHucOE.I[ 編集]
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2000年代初頭・大阪。 彼女なし、金なし、バンド活動もうまくいかず、どん底の生活を送っていた青年・劔(つるぎ)は、松浦亜弥のミュージックビデオを見て一気にハロー!プロジェクトにハマってしまう。 個性的なハロヲタ仲間たちと出会い中学10年生のような、くだらなくも楽しい日々が始まった…。 青春ドラマ。 ≪“推し”に出会って、“仲間”ができた≫
2021/02/28(日) 03:03:39 | 象のロケット
私はアイドルオタクに造詣がある訳ではないので、本作の真の意図は判らないのかもしれない。けれど、一つの邦画として、これは確かにある世界だし、この世界を特別視しないで描いているところはとても優れていると思う。誰にでもある、宝物のように持っている青春の思い出。それが彼らの場合には、思い出ではなく現在進行形なのであった。当然形は変えつつも。大阪あべののとある街。劔(松坂桃李)は、ベーシストとして音楽...
2021/03/01(月) 11:27:39 | ここなつ映画レビュー
◆『あの頃。』トーホーシネマズ渋谷2 ▲いい感じに輝きの無い6人組。 五つ星評価で【★★★友達の映画】 『あの頃。』から始まって『いの頃。』『うの頃。』と進み、『んの頃。』まで続けようという壮大なプロジェクト、ではない筈。 青春映画は題材に「恋愛」を選びがちだが「友情」ってのも選択肢だよなと思わせる一本。青春の「恋愛」は破局と同時に劇的なラストを迎えるが(たまに初恋で夫婦ってのもいるけど...
2021/03/22(月) 16:18:29 | ふじき78の死屍累々映画日記・第二章